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奇妙な論理Ⅱ・・・・・・空飛ぶ円盤からユリ・ゲラーまで

SNコメント

 

 前書の続編。1952年発行の「科学の名において」の残る14章のうちの11章に,ガードナーの1981年の著作Science: Good, Bad, and Bogus「科学・・・・・・よい・わるい・にせの」などからの新しい話題を訳者が加えたもの。

 さまざまなUFO事件(ケネス・アーノルドによる最初の目撃,マンテル大尉のUFO追跡事件,作り話と妄想),占い棒(ダウジング)と占い振り子,生物の自然発生や人工生成,ルイセンコの進化・遺伝学(獲得形質遺伝のラマルク主義に基づくもの),アトランティスとムー,ピラミッドの神秘学,アメリカのいかさま医師たち(エドガー・ケイシーの心霊術的診断を含む),ベーツの近眼治療法,奇妙な性の理論,コルジブスキーの一般意味論,モレノの心理ドラマ,骨相学,筆跡学,指先で見る超能力,レヴィによるESP実験データ偽造事件,ユリ・ゲラーと超能力を信奉する物理学者たちなどが話題に上る。

 なお,巻末の訳補にある次の記述(ガードナーの言っていることのようだが)は,心に留めておくべきことである。 手品師は,科学者こそ世界でいちばんだましやすい人種だとだれでもいうだろう。そのわけは容易に理解できる。科学者の実験室の中では何もかもが見たままだ。かくされた鏡も,秘密の別室も,かくされた磁石も存在しない。助手が化学薬品Aをビーカーに注ぎいれるとき,こっそり別の薬品Bをかわりに入れるようなことはまずない(何かの陰謀が介在するときは別だが)。科学者の考えることはいつも合理的だ。それまでずっと合理的な世界ばかりを体験してきたからだ。ところが手品の方法は非合理的で,科学者が全く体験しないような種類のものなのだ。

 この本も,現在はハヤカワ文庫NFの「奇妙な論理〈2〉なぜニセ科学に惹かれるのか」(756円)として入手可能である。