雑多なデマについて
デマその1
twitterで、ニセ科学の話題にコメントしているa_watcherさんという人が、私について、
ニセ科学関連で訴訟三昧になる前、学生時代から訴訟常連の方だという事実は押さえておくべきでしょう。(2011/08/09 19:37:24)
と書いていますが、実はこれ、全く根拠がありません。
私は、学部在学中から大学院修了までの間、訴訟の当事者になったことは一度もありません。誰かの訴訟を見るために傍聴しに行ったこともないので、訴訟常連というのは全く事実に反します。一度だけ、傍聴に行かないか誘われたのですが、忙しくてキャンセルした覚えが……。
私が紛争に関わることになったのは、水商売ウォッチングを始めてからです。
最初に脅されたのは、2000年頃で、このときは阪大VBLでポスドクをしていました。届いた脅しの手紙の内容の判断が付かず、大阪で弁護士事務所を探して相談に行ったのを今でも覚えています。そのとき始めて、刑事上の信用毀損は経済的信用のみ、業務妨害は威力・偽計・風説の流布の3つ、名誉毀損には免責される条件がある、といったことを弁護士さんに教わりました。
弁護士さんが親切に説明してくださったのですが、それがあまりに基本的な内容らしかったので、せめてこの程度の手紙の内容くらいは自分で判断できるようにならなければ、と思って、梅田の紀伊國屋書店に走り、Wセミナーの司法試験受験用参考書を買い込んで読み始めたのが、法律に触れるきっかけでした。
【1】最初に訴状を書いたのは、情報公開訴訟で、行政訴訟でした。これは、話し合いがついて第一回口頭弁論前に取り下げたので、訴訟係属にはなりませんでした。そもそも事件にならなかったので、これで訴訟をしたと言われても困りますね。提訴をしたことはしたんですが微妙なケースです。クレームの文書を公開しろ、という内容でしたが、同時進行していた内閣府の審査会の結論に則る、ということになりました。
【2】その次が、ネットで私を変態助教授と罵った上に、現金二十万円を要求してきた人物に対して、告訴と提訴を行ったというのがあります。これは、ニセ科学の問題ではなくて、金を脅し取ろうとしたというのが訴訟に踏み切った主な要因です。きっかけは確かにマイナスイオンでしたが、批判して訴えられたわけではなく、逆なんですね。
【3】その後、中西先生の応援団をやって傍聴に通いました。
【4】さらにその次が、吉岡氏が神戸でお茶の水大だけを訴えた事件です。これには、独立当事者参加して弁論しました。ニセ科学で訴訟(ニセ科学を取り上げたために訴えられた)と言えるのはこの件だけです。
ところで、神戸の訴訟の訴訟費用ですが、裁判所の決定が出ているのにまだ支払われていません。吉岡氏は早く私の代理人に振り込んで下さい。
【5】神戸の裁判の途中で、私が原告となって、山形で、勤務先大学と吉岡氏の両方を提訴した事件があります。これは、私がウェブサイトに書いた内容に対し、吉岡氏が大学にクレームを出してきたことによります。既にこのとき吉岡氏は、水商売ウォッチングのコンテンツを消させる目的で大学だけを訴えるという手を使い、母校のお茶の水大の担当事務官と顧問弁護士が弁論のたびに神戸往復することになって、多大な手間と費用が発生していました。私の勤務先大学が、同じ手を使われて損害を与えられることは避けなければなりません。クレームの件について、大学も巻き込んだ上で先に私が提訴し、先に山形地裁に係属させてしまえば、同一案件で二重提訴は民訴法上不可能なので、吉岡氏が山形大学だけを神戸で訴えるということを防ぐことができます。この場合、吉岡氏だけを提訴したのでは、吉岡氏が大学を神戸で提訴することは可能なので、大学も提訴しておくことが必須でした。吉岡氏の弁論の状況を見て、途中で大学とだけ和解して訴訟から切り離せば、大学だけが神戸で訴えられることはなくなりますので、実際そのようにしました。
※提訴までのスピードが命だったので、木曜日にクレームを知らされる→たまたま金曜日から週明け火曜日まで山形に不在だったのでその間に訴状を書く→火曜日の夜に山形に戻って水曜日の午前中に提訴、同日午後に大学に提訴の報告、あとは弁護士相手に法廷での手続きのみ、という展開。短時間で紛争手続きに入った後は、弁護士(と弁護士に直接会う人)以外(訴訟妨害になりかねないし、訴状や答弁書も見られないので)一切関与できませんし、訴訟手続に学内の誰かが何かするということも全くありませんでした。
a_watcherさんが、仲裁がどうとか思わせぶりなことを書いてましたが、私の件じゃないですね。
ところで、a_watcherさんが「仲裁」と称する行為を行ったと言い張るのなら、【7】で、脅迫事件の被害者と加害者を逆にしてハラスメント事件に仕立て上げようとしたことを白状することになりますので、関わりがあるかのような発言は冗談でも控えた方がいいと思います。
【6】吉岡氏との最後の件は、吉岡氏が自費出版した本及びウェブサイトで私の名誉を毀損したことによります。お茶の水大の顧問弁護士が、吉岡氏の送った自費出版本をみて「何でこれで天羽さんは訴えないのですか」と言ったそうです。この状況では放置もできなかったので提訴しました。
【7】実は、【5】の訴訟の妨害目的(たぶん)で、【5】の最中にキャンパスハラスメントの加害者にされそうになりました。妨害の内容は、【5】の文書が置いてあったblogを、ハラスメントを理由に全部削除させることによって、訴訟を打ち切らせるということを狙ったのだろうと理解しています。たまたまタイミング良く騒ぎが起きたので、それを利用したということのようです。これについては、【5】の原因となった文書だけを残して削除、あらためて書証を提出し裁判官に事情を説明し続行するという対応をとりました。
ハラスメントに関しては学生が被害者として私に対して申し出た件(A)と私が被害者として教員に対して申し出た件(B)の2つがあります。(A)については学内調査の結果ハラスメントではないという結論が出たし、私が申し立てた(B)のハラスメントも認められませんでした。ただし、(A)で最初に当事者でない人物が申し出をしたことが学内手続違反だったことを(B)の申し出で明らかにすることができました(学生の申し出が無い段階でハラスメントだという内容の無効な書類を教員が出していたことを、調査報告書に盛り込み公式記録とできた)。学生が先に私を脅していた分については、(A)の手続終了直後に告訴状提出、警察の捜査の後脅迫罪で書類送検され起訴猶予となり、すべての手続きが終了しました(刑事事件としては脅迫事件があった事実は確定だが裁判はしない、不起訴の理由が嫌疑不十分でないことに注意)。この告訴も、直接はニセ科学とは何の関係もない、単なる刑事事件です。脅された時には告訴までするつもりは無かったのですが、主な要求が私から金をとることであったことを重視し、それを知った上で学生の申し出も無いのにハラスメントの書類を作って出した(B)の相手に対する後々の責任追及のために、最初の脅迫事件の存在を確定させておく必要があったため告訴に至りました。
その後、学内規則改正が行われて、判断はもっと本部に近いところでする(そうでないと下の委員会がしくじった場合の訴訟リスクを本部が負うので)ことになったので、ハラスメント事件をこの手で作り出すことはほぼできなくなりました。
※おそらく、当該学生はハラスメントの申し出をするように誘導されたことに全く気付いていないのではないかと思われます。また、書類を作った教員も、刑事事件の被告人になるかもしれないリスクを学生が負うことになるのを承知の上で、ハラスメント事件として手続きに乗せようとしたことになります。結果は空振りに終わりましたが。
ということで、事件番号と原告被告の氏名が示されない限り、a_watcherさんの言うこと(学生時代から訴訟常連)は信じないでください。また、a_watcherさんは学内の状況についてあれこれほのめかすようなことを書いていますが、想像の産物に過ぎませんので、信じないようにしてください。
追加情報
NATROMさんのところに、この人物に関するまとめがありました。「a_watcherさんとの関わりについてのまとめ」
どうやら過去にも、ZORORIさんという方が私と同一人物で自作自演したと主張していたらしい。この件については、結局証拠を示せないままになっている。
ハラスメント事件についてのデマ
事実を書いておかないといろいろ中傷されるので追記しておく。【7】(A)でいかにして私が加害者にされたか。
一応ここにも書きますが、もう少し詳しい情報を「私が加害者とされているキャンパスハラスメントについて」に出しました。以下の内容と重複していますが、よくまとまっているのは別ページの方です。
関連の講義は学部の実験。教員3人とTA数人で担当。2連の大部屋で行い、学生に呼ばれたら説明に行ったり物品の補充をしたりする、つまり常に同僚教員&グループの院生&他人の目がある状況。事が起きたのは最終日で、学生はもう半分以上作業終わりかけ、作業にも慣れてどんどん勝手にやってて教員が呼ばれることもなく、終わったところから機材を片付けることになってたから、私は入り口のところでTAの院生と軽く雑談してた。問題の学生はその日遅刻してきた。出席チェックは私の仕事だったから、来たことを確認して学生に一言「行って」と言った(早く実験場所に行って始めないと終わらないから)。学生が行った後、多分5分以内くらいに出席簿を開いて軽微な遅刻としてチェックした。その学生とは、これまでも個人的な関わりはほとんど無かった。後は、続々終了するグループが出てくるので、そこに行っては装置を箱詰めして棚に収納してた。
なお、全出席、遅刻は認めないのが実験の建前だが、軽微な遅刻で留年した例はこれまでに1つもない。無断欠席何回もやってたり、レポート出さなかったりしたら落ちるけど。
部屋の片付けが終わって帰ってきたら、当時学内でやってたブログのコメント欄に「今日あなたから不当な扱いを受けた」とコメントが。その日は出席チェックと片付けと掃除しかしてなかったから、一体何のことかさっぱりわからない。で、そこで適当に反論して帰宅。後にこれは削除したけど、削除前に敢えてウェブ魚拓には残しておいたから、今でも探せば出てくるんじゃないかな。
翌日、学生に反論したのはけしからん、と学科教員からクレーム。ブログ削除しろと言われた上、「学生に反論するのはハラスメントだ」という理由で、実験担当者を部屋の外に追い出しての学科会議。学生の言い分は「行って、といのはあっち行けということだ、これでもう単位はもらえなくて留年確定だ」というものだったらしい。さらに「学生に反論するのはけしからん」、これは教員が言いだしたのを学生がまねしたんじゃなかったかな。
それで、教員が「調査」なるものを行い、報告書を作ってハラスメント事件だといって報告した。その書類は委員会に持ち込まれたらしい。ところが、ハラスメントは本人があらかじめ任命された相談員に相談し、そこで所定の用紙に記入したものを受け付けることになっていた。書類は差し戻され、相談に応じた教員が学生にヒントを与えたか、改めて学生の申し出が用紙に書かれて委員会に上がり、私が加害者の事件が発生。
実は手続きに入る前に、報告書をまとめた教員から「学生に謝罪してくれ」と言われたので、まあもめ事を大きくすることもないかなと思って学生に謝罪した。いざハラスメント処理の手続きが始まってみたら、学生の主張は「大人が一旦謝罪したんだから慰謝料払え」だった。教員は、学生が金を要求しやすくするために知っていて私に謝罪させたのか、学生の本音が金の要求なのを見抜けずにかつがれたのか、一体どっちだったのか未だに判断が付きかねている。
委員の聞き取り調査の頃に、たまたま「「心の傷」は言ったもん勝ち」という新書を買って読んだので、その紹介と感想を移転先の学外ブログに書いたら、わざわざ探してまでそれを読んだその学生がクレームをつけてきた。もちろん、ただの本の感想なので特定個人を連想させるようなことは何一つ書いてない。だから、削除には応じない、と突っぱねた。学生が気にするからという理由で(特定個人には一切言及していない)本の紹介も自由に書けないのはどう考えてもおかしい。そんな前例をつくるわけにはいかない。あとは、秋葉原の大量殺人事件にブログで言及したのも問題とされた。たまたま事件の前日上京していて、友達が大勢事件当日に秋葉原に居るであろう状態だったから書いただけなんだけど。
つまり私がやったことは、
(1)遅刻してきた学生に対して「行って」と一言言った後、その学生に見える場所で出席簿に印をつけなかったこと
(2)(1)について「不当な扱いを受けた」反論したら「今度会ったら殴る」等と、公開されていて誰でも読めるブログのコメント欄に書かれたことに対して(身に覚えが全くないので)反論を続けたこと
学生に対してしたわけではないが、学生から気に障ると主張されたことは、
(3)「「心の傷」は言ったもん勝ち」という新書を移転先の学外ブログで紹介したこと
(4)秋葉原の大量殺人事件を学外ブログで話題にしたこと
これだけである。
だから、自称被害者に向かって私に何をされたか訊いたとしても、答えられる筈がない(生放送をやってたときも、私に何をされたか質問が出ていたが、まともに回答できていなかった)。当たり前である。実際、何も無かったのだから。
ハラスメント処理の間、私は、私を嵌めた教員全員をまとめて被告の席に座らせるにはどういう手順で証拠を集めれば良いか、ということだけを考えながら対処した。まず、教員に対してハラスメントの申し出をすることで一連の経緯についての調査を始めさせ、手続違反があったことを公式の書類に残した。対学生については、後で報告書が裁判所に出た時、いかにおかしなクレームであるかが分かるような報告書になっていることを目指して手続き通りに交渉した。学生の脅迫をごまかすためにハラスメント事件をでっち上げた、という主張も可能とするために、学生に対する告訴状を提出した。もちろん、脅しととられるとまずいので、学生との交渉の間は告訴の準備をしていることなどおくびにも出さず、黙って告訴したことは言うまでもない。私を嵌めた教員も警察に呼び出されて事情を訊かれたらしいが、お互い様だろう。さらに、学内手続き終了後、保有個人情報の開示を大学に対して求め、一部墨塗りではあったが、ハラスメントの調査報告書を入手した。ここまでやっておけば、争う場合には、教員と大学を被告とし、裁判所に墨塗り報告書をまず出し、その後で大学に対して文書提出命令を裁判所経由でかけてもらえば、墨塗り無しのものを法廷に出させることができるはずである。
この一連の話は、ハラスメントに対する対策事例として既に講演のネタにしている。グローバルCOEで院生向けの、教員というお仕事についての講演を頼まれた時にこの話をし、「大学を職場に選ぶならハラスメントをネタにした攻撃は普通にありうる(文献では2000年頃から問題になっていた)上に、対学生の場合は学生を有利にするようなバイアスもかかるので、徹底的に反撃しないと職も全うできないから、そのつもりで防衛戦をすべき」などと伝えた。
まあこういった次第なので、私がハラスメントの加害者だとか、周りに迷惑をかけたなどということを書いて印象操作しようとしても無駄だとはっきり言っておくし、そういう情報を流す方が名誉毀損だとも警告しておく。私としては身に降りかかった火の粉を払っただけなので。
学内向け:
自称被害者学生は、事が起きた年の秋に2ちゃんねるでいろいろ書きまくって本部が削除要請しようかと頭悩ませてたし、その後も、ニコニコ生放送だかで私のことをクソ教授と呼んで中傷していました。今回、私が、ハラスメントの加害者としてネットで中傷されてるのは、多分このせいでしょう。私にも、反論によって名誉を回復する権利はあるので、相手が守秘義務を守らなかった結果中傷されるなら、このように、何をされたか公開せざるを得ませんのでね。
追記:本当の学内関係者ならこのハラスメントについては学外でもネットでもまず話題にしないだろうという理由
(A)も(B)も、ハラスメントの調査報告書のうち私の個人情報に関する部分は、保有個人情報の開示手続きによって私の手元に届いている。この中には、相談後、委員立ち会いのもとでの面談の記録が日付とともに残されている。学生が私に対して申し出た分の面談は頻繁に行われ、守秘義務が課された面談の内容を学生が私の管理する掲示板に書き込む(つまり私にも守秘義務違反をさせるように仕向けた)といった違反をしたことを理由として交渉打ち切りの通告を学部長に書面で証拠とともに出しているのに、まだしつこく面談させようとしたことも示すことができる。一方、私が申し出た分は、1回は面談があったと思うがその後半年ほど放置された。また、当該年度の他学部のハラスメント調査報告書は、情報公開法による開示請求をかけてとりよせてあって、面談の状況などを他事件と比較できる状態である。私が開示可能な部分(つまりおおっぴらにしても守秘義務違反にならないもの)を公表したり、紛争開始後に墨塗り無しの文書が表に出たりしたら、不公平な取り扱いも公表される結果になる。その上、私の申し出について、委員会が「当事者で話し合え」と差し戻した結果も記録にのこっているが、これは、ハラスメント処理の枠組みを有名無実化するもので、かなり重大なミスだろう。当事者で話し合って解決しない問題についてハラスメントの申し出が行われるのが通常であるところ、当事者に差し戻すというのは、事実上、学内ハラスメント処理の手続きが全く機能しなかったことを意味している。敵対的な労働環境の改善は雇用主の義務であるところ、それを怠ったことになる。私をこの件で挑発した結果、報告書を公開しての責任追及という展開になったら、困るのは大学本部と、手続違反をしてまでハラスメントをこしらえようとした人たちである。私以外の「関係者」は、おそらく書面が公表される事態は避けたいと思っているはずなので、今頃になって私がハラスメントの加害者であると言い立てて、私が名誉回復の反論のために書面を開示せざるを得なくなるようなことはしたくないはずである。関係者であるかのような仄めかしをネットで行っている人物が学内関係者ではあり得ないだろうというのは、このような理由による。