学生が教員の悪口をネットで書いた場合でもそれなりの賠償金が認められる
Yahooニュースの記事より。
元准教授「ネットで中傷」 横浜地裁が教え子に賠償命令
カナロコ by 神奈川新聞 5月2日(金)7時3分配信
インターネットの掲示板「2ちゃんねる」での書き込みで中傷を受けたとして、慶応大学湘南藤沢キャンパス(藤沢市)の元准教授が教え子の男性に約330万円の損害賠償などを求めた訴訟の判決が1日までに横浜地裁で言い渡され、志村由貴裁判官は「元准教授の社会的評価を低下させた」として、約180万円の支払いを命じた。判決は4月24日付。判決によると、在学中に元准教授のゼミに所属していた男性は2012年8~10月、元准教授について掲示板に「楽しそうにハラスメントしてんじゃねーよ」などと匿名で書き込んだ。
男性側は、書き込んだ理由について「元准教授から不当な扱いを受けた」と説明する一方で、書き込みは一般的な表現で社会的評価は低下していないなどと主張。だが志村裁判官は、元准教授の名誉を毀損(きそん)したと認定。600近いサイトへの転載分も含めた慰謝料100万円のほか、書き込んだ人物の調査費用約70万円の支払いも命じた。
元准教授側は、掲示板の管理会社やプロバイダー会社を相手に、書き込んだ人物の情報開示を求める仮処分や訴えを提起。東京地裁は昨年、プロバイダー会社に発信者情報の開示を命じ、男性の書き込みと判明した。
最終更新:5月2日(金)7時3分
以前、弁護士と話した時に「学生が教員の悪口を言うのはありふれたことなので教員が学生に対して名誉毀損の民事訴訟を起こすハードルは高い」というのが弁護士の説明だったのだけど、この賠償額をみればそうでもないようだ。これは教員にとって朗報かも。私も以前、ハラスメント事件をでっちあげられた時に随分ひどいことを2ちゃんねるに書かれていたので、訴えてみれば裁判例を1つ積み重ねることができたのかも、と少し後悔。
これを見る限り、ネットつまり学外でいろいろ書かれた場合には、学内のハラスメント処理の手続きを使うよりも直接訴えた方が手っ取り早いし、判断にブレもなさそうである。
まあ、教員は学生から悪口言われることぐらいは予想の範囲だし、いちいち目くじら立てるつもりもないが、その悪口がそこそこ自由に言える程度に黙認されているのは学校の中だけだということだろう。学外でやれば社会のルールが直接適用されることになる。学内のルールの範囲で収めるかどうかは書く側に任されているのだから、そのことを教えるところまでは学校でやるとして、その後の行動は個人の責任でやればいい。
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一応これだけでは、「でっちあげの悪口」なのか「悲痛な心の叫び」なのかは、分からないのではありませんか?以前所属していた研究室でも、助教が毎日ターゲットの院生を殴る、なんて行為が日常化していましたし。業績はあるけど頭のネジが緩んでいる教授・スタッフはそれなりにいると思います。
まあ後者なら、ネットに書く前にハラスメント相談室に相談しろよと思いますが。
テツさん
殴るまでいけば、ハラスメントじゃなく立派な刑事事件です。ハラスメントなどと言わず、むしろきちんと事件化して処罰させる方が良いと思います。
「悲痛な心の叫び」であっても、それをネットに書けば公然性が出て来ますし、書いた内容で社会的評価の変動が発生し、免責される条件を満たさなければ、名誉毀損の責任は問われます。心の叫びは免責理由にはなりません。
私はこの准教授が自分の立場を用いて証拠が残らないように本当に学生に失礼を働いていたか、もしくは、准教授が体質的もしくは原動的にただ単に嫌われてイジメられていたかの2択があると思います。