「正統な科学に基づく水素水をニセ科学と言っては科学の進歩を阻害する」太田 成男(日本医科大学、日本分子状水素医学生物学会理事長)
最近の「水素水をニセ科学と呼ぶしかない理由」(2016.2.20)等を拝読しました。間 違った認識へ誘導する記載があったと思いましたので、指摘します。
(1)私の名前をだして、「ご自身のページで注意を喚起している」 (http://shigeo-ohta.com/水素医学について/)、と天羽さんは書かれていますが、私が指摘しているのは 「マイナス水素イオン、プラズマ水素、水素吸蔵サンゴ、水素吸蔵ゼオライト、活性水素、ペットボトルいり水素水」であって、、水素水については、ニセ科学としての注意を喚起していません。ニセ科学と正統な科学を混同・誤認させるものです。このように私の名をだして、水素水をニセ科学と誤認させる内容は、科学の進歩を阻害すると思いますの で、慎んでいただきたいと思います。
(2)「既に異常があること、が前提なので、全く健康な人が水素を飲んだ場合、水素が反応すべき(そしてその反応で症状が改善するはずの)物質が体に最初から存在しなけれ ば、全く意味がないかもしれない。つまり、健康な人に水素水を薦めるのは余分なことに なりかねない。」はある意味で正しいですが、全く異常がない人はある程度の年齢を重ね た人ではいないんじゃないかと思いますし、病人以外でもストレス、運動や疲労などの負荷がかかった場合は、「異常があるとき」になると思います(二日酔いの時も)。 病気に対する効果は認めていらっしゃるようですから、それなら「ニセ科学」とは呼べな いのではないかと思います。
(3)活性酸素に対する水素の効果については、天羽さんは全く理解していないと思いま す。「入手しやすい文献としては、日経サイエンス2013年6月号の「覆る活性酸素悪玉 説」がある。動物実験ではあるが、活性酸素が少ない方が寿命が短いという結果が出始めている。ヒトでどうなるかは今後の研究待ちだが、活性酸素を作ることが体の防衛機構でもある以上、抗酸化物質をとることがいつも体に良いわけではないだろうし、逆に寿命を縮める可能性もある、ということを念頭に置く必要はある。」この点については、Nature Medicineの最初の論文に記載しています。そもそも、水素が一般の抗酸化物質と同じだっ たら、Nature Medicienに掲載されたりしません。また、日本生化学の機関誌「生化学」の総説に詳しく説明しています。
(4)「もともと水素の溶解度は小さいので、水素水を飲んでも摂取できる水素はわずかで、副作用の心配もないかわりに効果も期待できそうにない。」は、最近の研究の進歩を 知らないからでしょう。最近は、Open Access Online Journalで論文が見れますので、是非参考にしてください。これを読んで、「効果も期待できそうにない」というなら、感覚 がおかしいとさえ思います。
http://www.nature.com/articles/srep18971 (分子機構について)
http://www.scirp.org/Journal/PaperInformation.aspx?PaperID=62945 (最近の総説 引用数338報
http://medicalgasresearch.biomedcentral.com/articles/10.1186/s13618-015-0035-1 (最近の研究をまとめた総説、引用数339報)
(5)2月20日のNHKニュースでは、180人の心肺停止患者への水素投与の12施設での臨床試験が始まることを報道していました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160220/k10010415981000.html
パーキンソン病患者200人に対する多施設臨床試験は進行中で、パーキンソン病への臨床試験は、日本経済新聞でも報道されました(少人数の臨床試験は発表済)。74名への認知 症予防効果は論文投稿中(いずれも、double-blinded)。
(6)「臨床試験で結果を出す前に、健康にいいとか影響を及ぼす、という具体性を欠いた宣伝で水素水を薦めるのは、ニセ科学の主張ということになる。」天羽さんのニセ科学の 定義かもしれませんが、日本語の「ニセ」とは異なるもので、誤認を与える使い方だと思います。臨床試験の発表論文は、20報に達してます。『水素水=ニセ科学」というのは、 科学の進歩を阻害する言葉の使い方だと思います。いつまでも水素水をニセ科学扱いしていると、まじめに水素水の研究をしている方々を愚弄することになり、科学の進歩を阻害 します。天羽さんの見識が疑われると思います。
PS:生化学の総説のPDFは添付しますが、会員限定なので、onlineではupしないでください。
------------(ここからが2通目の補足的内容)--------------------
フリーダム株式会社へのコメントを拝読しました。
私も同じ意見(水素が発生するはずがない)ですが、実際に水素が発生するか調べる機会がありました。測定すると1分間に0.5%の水素が3mLほど発生します。私もゼロだと思っていたのですが、ゼロではないことに驚きました。加熱冷却だけでない何かがあるのだと思います。
もちろん、この濃度では何ら効果は期待できません。
有効濃度は、水素ガス吸引で1−4%(臨床試験で使っているのは、1.3%)
この濃度を水に溶かすと、8μM(マイクロモル)〜32μM。飽和水素水は800μMで、水素水を300mL飲むと、肝臓では10μM以上になり、有効濃度になる
Shigeo Ohta
ohta@nms.ac.jp
太田成男
〒211-8533神奈川県川崎市中原区小杉町1-396 日本医科大学大学院医学研究科細胞生物学分野 太田成男
Prof. Shigeo Ohta, Department of Biochemistry and Cell Biology, Institute of Development and Aging Sciences, Graduate Shool of Medicine, Nippon Medical School
1-396, Kosugi-machi, Nakahara-ku, Kawasaki-city, Kanagawa-pref., 211-8533, Japan