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読者からの情報

 当ページをごらんになった読者の方から、以下のメールをいただいたので転載する。

Subject: 酸化電位水の不安定な消毒効果についての経験
Date: Sun, 26 Aug 2001 21:09:27 +0900

私は、歯科医です。4,5年前だと思いますが、アクアシステム株式会社(群馬県勢多郡富士見村大字田島191-1)のスーパーオキシドミニを購入しました。疑い深い私は唾液を付着させたダイヤモンド切削具をエタノールとグルタールアルデヒドと酸化電位水とコントロールについてそれぞれ消毒効果の判定を簡易液体培地を利用して比較しました。するとエタノールとグルタールアルデヒドでは透明でしたが酸化電位水では、培地が明らかに混濁していました。私は実験の専門家ではありませんが、私と大差なく実験素人である友人の歯科医は安くて簡易で異外性がないと疑いなく進んで歯科器具の消毒に利用していました。医科の病院でも徐々に利用が進んでいる話を聞きますと心配です。多分一般消毒剤より適切に扱えば絶大な効果があるのでしょうが、一歩扱いを誤れば全く効果が出ないとなれば非常に危険な消毒水となるのではと危惧します。

 「スーパーオキシドミニ」をキーワードにしてgooで検索してもヒットしなかった。「スーパーオキシードミニ」だとヒットして、会社のウェブページが出た。酸化電位水については「酸化還元電位水は、微量な食塩を添加した水道水を、電気分解することにより、陽極側からは強い酸性の水(酸化電位水)、陰極側からは強いアルカリ性の水(還元電位水)が生成されます。」という説明がある。さらに、殺菌効果がある理由については、「酸化電位水は、pH2.7以下、酸化還元電位(ORP)1,100mv以上の性質を持ち、溶存する活性酸素HOCLとO2の作用により、どんな消毒薬よりも優れた殺菌効果を発揮する水です。」とある。あのー、HOClって活性酸素じゃなくて次亜塩素酸なんですけど。

 これは、機能水研究振興財団が説明している強酸性水の説明

原水(水道水)に食塩(塩化ナトリウム純度99%以上、かつ添加物を含まない)を微量添加した食塩水(NaCl濃度0.1%以下)を有隔膜式電解槽内で電気分解して、陽極側から得られる次亜塩素酸を主成成分とする酸性の水溶液を「強酸性電解水」といいます。
同時に副生成物として陰極側から生成されるアルカリ性の水溶液を「強アルカリ性電解水」といいます。 強酸性電解水は、1980年代後半、MRSAにも著効を示す殺菌水として、我が国独自に開発され、科学的解析により今日では「低濃度高活性の次亜塩素酸水」としての認識が広まっています。
と同じようである。 なぜ、スーパーオキシードミニの水は、普通に「強酸性水」と呼ばずにわざわざ「酸化電位水」という別の名前になっているのだろう?それはともかく、できている水が強酸性水であれば、殺菌効果のもとは電解で作られる次亜塩素酸であるから、酸化還元電位やpHを評価した結果を製品の宣伝に使うのではなく、次亜塩素酸が必要な濃度できているかどうかを測って製品の宣伝として示してくれた方がありがたい。

 精密な培養実験で殺菌効果があることは必要条件に過ぎない。実際に使われるのは、切削具など患者に触れた道具の滅菌だろうから、この歯科医の行ったように器具を浸すという処理は通常行われているのではないか。エタノールやグルタルアルデヒドを使うのと同じ操作で効果が出ないことがあるとなると、患者に別の感染を引き起こす危険がある。医療機関の方々は、装置のチェックをこまめに行い、取扱説明書も熟読して、確実な殺菌効果が得られる操作と条件を守って使用していただきたい。販売業者の方は、確実な殺菌効果が得られるような操作法について、ユーザーにきちんと教えるようにしてほしい。

 

 

 さらに、上記のコメントを読んだ方から情報をいただいたので、以下に転載する。(2001/09/10)

 酸化電位水という言葉は最近使いませんが、過去、水を電気分解して陽極側に生成された水の 殺菌の作用機序が分からなかった時代には『酸化電位水』とか『アクア酸化水』とかいう言葉が 使われていました。
 最近、殺菌作用の主体が、「酸化還元電位」ではなく「次亜塩素酸」であると言うことが分かり、 このような言葉は使わなくなっています。機能水研究振興財団が使っている『強酸性電解水』と いう言葉もおかしいと思います。たかがpH=2.5の水を強酸性というのは変ですね。
逆に『強電解酸性水』なのではと思います(かなりの強電解にしないと生成できませんので)

歯科医の方のされた実験は正しいと思いますが、この水を使っておられる方々にとってはその実験の 結果については当たり前だと思われていることでしょう。
 たかが数十ppmの濃度の次亜塩素酸ですから当量の有機物と反応すればすぐに消費されてしまいます。 次々に補給して消費された分をカバーしなくては効果はありません。電気と食塩があれば簡単にどんどん できるというのがこの水の特徴です。(水と書きましたが、消毒剤という薬品としての特別な扱いをしな くてもよいので水といっています。)
 過去、このような使い方をされて効果がないという議論がなされましたがすでに決着のついている問題です。

実験なら構いませんが、歯科器具の消毒としての認可がおりている機器は未だないのでは?
少なくとも「スーパーオキシドミニ」のようなバッチ式の機器では、医療用具として認可はおりないと思います。
正しい知識の基で正しい使い方をされるよう、その歯科医の方に望みます。

 

 

※製品名が「スーパーオキシードミニ」ではないかという指摘をいただいて、詳しい情報がわかったので、書いた翌日にに大幅修正となりました。情報提供ありがとうございました>前橋様m(_ _)m。

※追加情報の提供感謝します。バッチ式ではだめだということですね。やはり装置は正しく使わないといけないのですね。私も、強酸性水の効果の元になる化学種が次亜塩素酸だと知っていましたが、実際の使用方法までは知りませんでした。情報提供ありがとうございました>松井様m(_ _)m。

【2002/03/12】情報追加

 さらに、このページを見たアクアシステム株式会社より、問いあわせのメールをいただいた。「上記の歯科医がどこからスーパーオキシードミニを買ったのかを問いあわせて欲しい」、という連絡だったので、メールを歯科医に送って問いあわせたが、私のところに返事は来なかった。しばらく待っていたら、再度、アクアシステム株式会社より連絡があり、「弊社でも調査いたしましたが、4・5年前にバッチ式を歯科医に販売した事実はございません。事実無根の件ですので、早急に対応していただきたいと思います。」とのことである。おそらく、アクアシステム株式会社の予定していない装置の入手経路だったか、あるいは譲り受けたか何かで、使用法の情報がきちんと伝わらないままになっていたと考えるのが一番わかりやすいが、ご本人が入手経路を教えてくれないので、これは推測である。

 教訓としては、装置を入手したら、使用方法をきちんと確認しいないとまずいという当たり前のことだろう。もし装置を誰かにもらったとして、マニュアルなどが失われていたような場合は、面倒でもメーカーに問いあわせて、正しい使い方を教えてもらうと、このような間違いを防ぐことができるはずだ。