よくある質問その4
私のところにこれまでに寄せられた質問、コメントなどをQ&Aとしてまとめました。
Q. 「水は答えを知っている」の話は本当ですか?「ありがとう」「ばかやろう」などの言葉を水に見せることで、水の結晶の形は変わりますか?
A. 日本語を水が理解するとは思えません。
人間の感情を水が感じるとも思えません。
また、「きれい」というのは人間側の価値観です。
『ペットボトルに「ありがとう」と書いておくと水が変わる』という類の話は単なるオカルトか、カルト的新興宗教でしかありません。
水の結晶ですが、とくに「ありがとう」なんて書かなくても、きれいな結晶はできます。
例えば、雪の結晶。
雪の結晶のでき方を、古今東西、科学者は研究してきました。
たとえば、
http://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/
SnowCrystals.com
ここはCaltechの物理学の教授であるKenneth G. Libbrecht先生が主催するページです。残念なことに英語ですが、きれいな写真がいっぱい展示してあるので、一見する価値はあります。
ちょっと解説しておきましょう。
http://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/designer1/designer1.htm
>Designer Snowflakes
ここを見ると、人工的な雪の結晶の作り方が解説されています。特に「ありがとう」などと書いておかなくてもきれいな結晶ができることがわかります。
雪の結晶は「拡散チャンバー」と呼ばれる箱の中で作られます。この装置の概要図がページのいちばん下の方に載っています。チャンバーの上の方は熱く(例えば40℃)、下の方は冷たく(例えば−40℃)なっており、水蒸気は上の方から拡散してきて、ちょうど中間あたりで結晶化します。上から糸を垂らすか、細い針金を下から立て、これらの糸や針金の上に結晶ができます。
針金に2千ボルト程度の電圧をかけておくと、針状の結晶(electronic needles)ができます。さらにおもしろいことに、その針状結晶の先端に6角形の雪のようなきれいな結晶(snow
stars)を作ることもできます。
ちなみに雪の結晶を最初に人工的に作ったのは誰だか御存知ですか?
日本人の中谷宇吉郎先生です。中谷先生はなんとウサギの毛を使って雪の結晶を再現したのです。
その時の写真がここに掲載されています。
http://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/photos/photos.htm
>Snow Crystal Photographs
中谷先生がすごい防寒具を着て実験している様子の写真が載っています。さらにその右下には、ウサギの毛の上にできた人工雪の結晶(a)と自然の雪(b)の比較写真が載っています。
雪の結晶の形は温度と水蒸気濃度によって変化します。
そのことを示すダイアグラムがここに載っています。
http://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/primer/primer.htm
>A Snowflake Primerの"morphology diagram"
きれいに六角形に枝分かれした結晶を作るには、温度が−10〜−20℃で水蒸気濃度が1.5g/m^3以上であることが条件だとわかります。
ただし、どうしてそのような形になるのかの、詳細は科学ではよくわからないところもあります。科学は万能ではありませんから。
また、Libbrecht先生が書かれた本がここに紹介されています。
http://www.its.caltech.edu/~atomic/snowcrystals/snowstore/snowstore.htm
>The Snowflake Store
残念なことにこれも英語ですが、きれいな写真がいっぱい掲載されているので、これも一見の価値はあります。
Amazon.comなどから購入してみるのもいいかも知れません。
※掲示板[17574] ながぴいさん投稿のテンプレートを使わせていただきました。