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本物研究所/LOHAS村へのコメント(2012/02/16)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

家庭用蒸留水器「ディディミ」を製造しているのが本物研究所で、販売店の一つがLOHAS村。他にもたくさんある。

製造元の説明は至ってシンプルで、できるものが蒸留水であるという説明と、「メンテナンスフリー」であるという記述と仕様が書いてあるだけで、効果効能は一切謳っていない。

ところが、販売店のページにはいろいろと問題のある説明がいっぱい出ている。蒸溜で雑菌やダイオキシンなど、水の沸点で蒸発してこないものがとれることは確かなのだけれど、次の宣伝は条件付きであることを忘れてはいけない。

不純物が無いので腐りにくく、長期保存も可能。

長期保存ができるのは、作った後雑菌や容器の汚れなどを混入させず清潔な状態を維持できた場合に限るわけで、移し替えた容器が十分洗浄できてなかったり、容器に移す時に空気に触れさせたりすれば、それだけで雑菌やらカビの胞子やらが混入する可能性が高い。写真では、装置と貯水タンクがつながっていないが、折角蒸溜しても、空気中を水が通ってからタンクに入るようでは、その間に空気中を漂っている塵やら胞子やらが混入してしまう。ホースで繋ぐべきところ。また、貯水タンクの清潔を保つことの方が鍵になる。いずれにしても普通の家庭で清潔な状態を維持するのは難しいだろう。タンクの内部に手を入れられないから洗うのは難しそうだし、洗ったとして最後に蒸留水で流すといったことをしないと何をしているかわからなくなる。作ったら冷蔵庫に入れて、早めに飲んでしまうべきだろう。

特に「硬水」と表示のあるミネラルウォーターは、カルシウム分などのミネラルを豊富に含んでいるので、身体に良いと言う宣伝が行われていますが、水に溶けているミネラル分は、無機質の状態であるため飲んでも体内に吸収されず、ほとんど活用されないようです。
そればかりか、無機質のカルシウム分は消化器や内臓に沈着してしまい、動脈硬化や体内結石の原因になったりします。
胃や腸にカルシウムが沈着するというのはおかしな話で、吸収されなければそのまま素通りするだけである。さらに、素通りしたものが内臓に沈着するはずがない。直前と直後で書いてある内容が矛盾している。
特に「硬水」と表示のあるミネラルウォーターは、カルシウム分などのミネラルを豊富に含蒸留水は、別名「ハングリーウォーター」と呼ばれています。その理由は、不純物をまったく含まない水であるため、いろんな物質を溶かし込む力が強いことからきています。

細かいことを言うようだが、その性質を持つ水は、蒸留水ではなくて「超純水」だったのでは?

さらに細かいことを言うと、蒸溜でどれだけ水を純粋にできるかは、蒸留塔の高さに依存する。沸騰している容器と結露する部分が離れている程良い。純度を上げるためには、蒸溜前に活性炭を通したりイオン交換カラムを通したりする。この装置は、水道水をそのまま使って沸騰してすぐ結露させているので、不純物除去という点では「それなり」の蒸溜しかできない。まあ、メンテナンスフリーにして消耗品の交換を無くして家庭に普及させる、ということとのトレードオフでそうなったのだろう。

 

昔、大気が汚染されていなかった時代には、溜め込んだ雨水を飲料用の水として使っていた時代がありました。
また、海外では今でもそのような地域が残っているそうです。
雨水は、河川や海の水が蒸発して雲になり、やがて雨となって地表に降ってきた水であり、このシステムは自然の中で行われている蒸留システムなのです。
だから、雨水は天然の蒸留水であり、その水を昔の人はみんな飲んでいたのです。
その当時、雨水を飲んで病気になったという話は、聞いたことがありません。

水滴ができるときには上空を漂っている塵などが核になるので、雨水は不純物を含んでいる。ただ、その含まれる物の種類と量が、健康に被害を及ぼすようなものではなかったというだけの話。

ハングリーウォーターと呼ばれているように、蒸留水は他の物質を溶かし込む力が強いのです。
蒸留水を飲むことで、体内に溜め込んだ毒素が溶かされて、体外に排泄される作用が高くなるのです。

この部分は明らかにおかしい。蒸溜された水であっても、口に含めば唾液と混じり、たちどころに不純物の多い水となってしまう。呑み込めば胃液や既に食べていた飲食物と混じる。だから、他の水を飲んだ場合と変わらなくなってしまう。純度の違いが効くとしたら、口に含んだ時の風味についてだけだろう。

料理に使うというのは有りで、水道のカルキ臭に敏感な人なら、味の違いがわるだろう。ただ、それ以上の「デトックス」的効果はまったく期待できない。

一つ気になったのは、製造元の商品説明には特に問題がないのに、販売店の宣伝内容がやりすぎであるということである。販売のための宣伝例として製造元から何か教えられたりしたのか、それとも販売店が勝手に考えて拵えたのか。いずれにしても、製造元が公開している内容以上のものを謳って宣伝したら、その責任は販売店が負うことになるだろうということである。外から見ると、製造元が、売るための「盛った」宣伝をすることのリスクを販売店に押しつけているようにも見える。製造元が謳っている以上のことを言わない方が、販売店にとっても安全だろう。

 

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