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「塩化ナトリウム水溶液中の鉄板の腐食抑制に及ぼす磁場の影響」
文献を利用するときは必ず原典にあたること。ここに書いてある要約を一人歩きさせないように!
カテゴリ 印刷物
資料名

「塩化ナトリウム水溶液中の鉄板の腐食抑制に及ぼす磁場の影響」
横浜国立大学工学部 千葉淳・田中伸明・上野清治・小川忠彦
Zairyo-toKankyo 41 (1992) 287-292

要約

 鉄片をNaCl水溶液に浸し、そのセルごと外側から磁場を印加した。一定時間後、鉄表面の腐食生成物と液中の腐食生成物を集めて鉄の2価イオン濃度を求めた。セルは上面を開放、空気中の酸素が入る形になっている。

 磁場存在下では初期の腐食が押さえられた。

 空気飽和硫酸第一鉄アンモニウム溶液を密閉し、永久磁石の上に置くと、磁場の印加は鉄2価イオンの鉄3価イオンへの酸化を約30%抑制することがわかった。

 磁場効果はFe3O4の生成反応を促進させた。Fe3O4が磁石で引きつけられて鉄板表面に蓄積されることで腐食が抑制されると考えられた。

コメント

 実験装置の図を見ると、セル外側の磁石のすぐ側に試験片が置かれている。したがって、通常の磁気活水器使用条件で鉄表面にFe3O4が蓄積する効果があるとは、ただちにはいえない。しかし、塩化第一鉄アンモニウム溶液の実験でわかるように、磁場が鉄の2価から3価への変化に対して影響を及ぼしていることは確なようなので、鉄の酸化還元反応に対する磁場の効果で、磁気活水器の原理が統一的に説明できる可能性はありそうだ。

この報告書のコピーは日本セルポ株式会社からいただいた。