本件訴訟の経緯
本件訴訟は2007年3月に第一審判決が言い渡され、既に確定しています。このページは、ネット上の表現を巡る紛争の記録として、そのままの形で残しているものです。
本件訴訟の経緯を、時間を追ってまとめます。現在、ウェブ上の文書と書証から明らかになった情報をもとに構成しています。裁判手続きそのものは色を変えて表示しています。
- 2004.11.27(10:44)
 中西氏は、シンポジウム当日はリスクコミュニケーションにしぼった発表をしてほしいというメールを、松井氏に送った。
- 2004.11.28(13:10)
 松井氏は、中西氏の希望に添う形で発表準備をするというメールを、中西氏に送った。
- 2004.11.28(13:32)
 中西氏から、準備について了解した旨のメールを、松井氏に送った。
- 2004.12.17
 第7回内分泌攪乱物質問題に関する国際シンポジウム(最終日)。「セッション6 リスクコミュニケーション」にて、松井三郎氏の発表が行われた。中西準子氏は座長。
- 2004.12.24
 中西氏のウェブサイトの雑感286-2004.12.24「環境省のシンポジウムを終わって---リスクコミュニケーションにおける研究者の役割と責任---」にて、シンポジウムを終えての感想と議論、および、松井氏が新聞記事を示してナノ粒子の話題を紹介した件が書かれた(これが本件訴訟のきっかけとなった文書)。
- 2005.01.17(21:17)
 松井氏は、友人多数にCc:して、中西氏の雑感を引用し苦情を述べるメールを、中西氏に送信した。
- 2005.01.18(09:25)
 中西氏は、メールを受け取ったことと、時間がないので後日ゆっくり読んでから返事するという内容のメールを松井氏に送信した。
- 2005.01.18(20:39)
 松井氏からの抗議を受けて、中西氏は一旦雑感の該当ページを削除。後日落ち着いてから返事するというメールを送信した。
- 2005.01.20
 中西氏のウェブサイトの雑感286-2005.1.20「謝罪」にて、 雑感286-2004.12.24「環境省のシンポジウムを終わって---リスクコミュニケーションにおける研究者の役割と責任---」本文を削除したことが掲載された。「きちんと調べて私なりの見解をだすまでの間、286の本文を引き下げることにした」との記述あり。
- 2005.3.13(00:06)
 中西氏は、発表で提示した新聞記事のコピーが欲しいというメールを、松井氏に送った。
- 2005.03.15(11:04)
 松井氏は、名誉毀損で提訴する準備をしているというメールを、中西氏に送った。
- 2005.03.15(14:19)
 中西氏は、訴訟はやめてほしいというメールを、松井氏に送信した。
- 2005.03.16
 訴状提出。
 毎日新聞と読売新聞(ウェブ版)の21時台の更新で、提訴が報道された。
-   2005.03.17
 この日の毎日新聞と読売新聞の記事(こっちは紙?)に、松井氏が中西氏を名誉毀損で提訴したことが出た。(cf.雑感297)
 読売新聞、東京新聞横浜版、神奈川新聞にも報道があった。(cf.雑感298)
- 2005.3.17
 化学物質問題市民研究会のウェブサイト(http://www.ne.jp/asahi/kagaku/pico/keijiban/keijiban_master.html)にて、松井氏が提出した訴状が掲載された。この際、原告被告双方の住所がそのまま記載された状態であった。
- 2005.3.23
 化学物質問題市民研究会のウェブサイトから、原告被告双方の住所が記載された訴状が削除された。しかし、訴状のファイルはウェブサーバに残っていた(おそらく、削除操作ミスと思われる)。
- 2005.3.30
 原告代理人中下弁護士が、横浜地裁に上申書を提出。内容は、「日本内分泌攪乱化学物質学会」(通称環境ホルモン学会)は、『当事者からの依頼または裁判所の判決があれば、日本内分泌攪乱化学物質学会のニュースレター(EndocrineDisrupter NEWS LETTER)に謝罪文の広告を掲載する』ことを了承しており、その際の掲載料は無料、というもの。(cf.雑感311,312)なお、原告松井氏はこの学会の副会長である。謝罪広告として掲載を要求した文章は訴状に記載されている。
-  2005.04.03
 訴状送達。(cf.雑感299)
- 2005.05.03
 化学物質問題市民研究会のウェブササーバに残っていた、原告被告の住所が記載された訴状が削除される。
- 2005.05.06
 化学物質問題市民研究会のウェブサーバ管理者の安間氏より、中西氏宛に、住所が入ったままの訴状を公開した件について、謝罪の手紙が届く。
- 2005.05.27
 第1回口頭弁論( 横浜地方裁判所 第502号法廷(5階))(cf.雑感303)
- 2005.07.15
 第2回口頭弁論( ラウンドテーブル方式(傍聴可)) (cf.雑感310)
 口頭弁論のあと、弁護士会館の会議室で、傍聴者も含め、弘中弁護士から今後の展開について簡単な説明あり。
 さらにその後、横浜市内の会議室で、中西、濱田、山本、天羽で支援組織の活動について打ち合わせ。
- 2005.09.29
 第3回口頭弁論。甲5、甲6号証は印刷不良のため差し替え。被告が2005年9月21日付反訴状(平成17年(ワ)第3375号)を陳述した。乙5から乙7の2まで提出。次回は原告の反論・答弁の予定。
- 2005.11.17
 第4回口頭弁論
 甲10〜甲21号証提出。原告(反訴被告)証拠説明書・答弁書・上申書提出。
- 2006.01.27
 第五回口頭弁論
 甲8号証拠説明書確認、被告が準備書面3を提出。
- 2006.04.14
 第六回口頭弁論
 原告(反訴被告):準備書面(3)、証拠の申出提出
 被告(反訴原告):乙8、乙9、乙10号証提出
- 2006.06.02
 第七回口頭弁論
 被告(反訴原告):準備書面(3)、意見書、証拠調べ申請を提出
- 2006.08.25
 第八回口頭弁論
 被告:陳述書(これを乙11号証とする)提出。
- 2006.10.27
 第九回口頭弁論
 原告(反訴被告):準備書面(4)、甲22、証拠説明書(3)提出
 被告(反訴原告):準備書面4提出
 原告に対する主尋問60分、反対尋問60分。
- 2006.12.1
 第十回口頭弁論
 原告(反訴被告):甲23号証提出
 被告(反訴原告);乙11,12号証提出
 被告に対する主尋問40分、反対尋問40分。
- 2007.02.02
 第十一回口頭弁論(最終、結審)
 原告(反訴被告):準備書面5提出
 被告(反訴原告):準備書面5提出
- 2007.03.30
 判決言渡し
 原告の請求棄却、反訴原告の請求棄却、訴訟費用は折半
- 二週間後、控訴がなされなかったので判決が確定した。
- 2008.04.01
 判例時報No.1993平成20年4月1日号pp.97-103に本件訴訟がとりあげられた。
