第6回
質問とコメント
- 私も、「本当は恐い家庭の医学」にあおられてドキッとしたことがあった。川で泳いでいて鼻から菌が入り、脳がとけて死んだという例がああり、自分も川で泳いでいたので怖かったが、実際は、日本に5人もいない非常にめずらしいことだった。
→ 脳が溶ける心配するよりも、溺れる心配をした方が現実的な気が。川遊びをしていて溺死した人の数の方が圧倒的に多いはず。
- 医療機関向けの薬剤の添付文書に関してですが、病院の処方箋を調剤薬局に出して薬をもらうとき、今回出された薬の名前、写真、用量、服用法、「この薬は〜するためのものです」といった説明が書かれた紙をもらいますが、あれは何かで義務づけられているのでしょうか、だとしたら副作用を故意に隠される心配はないのでしょうか。情報源も気になります。
→ 薬局で説明されたはずだが、どんな薬をもらったかは専用の手帳につけておくように言われたのでは。副作用を隠すためではなく、既にどんな薬をのんでいるかを医者が知る目的のためで、一緒にのんではいけない薬をうっかり投薬しないようにするためにも役立つ。たとえば、かかりつけの医者から薬をもらっているときに、旅先で病気や事故で別の医者が薬を使うことになった場合、今何をのんでいるかという情報は重要である。
- では、最近流行しているBCAA(バリン、ロイシン、イソロイシン)も実はウソっぽいのですか?でもスポーツ選手ものんでいますよね。先生は食事には気を付けているんですか?っていうか今度母親がだまされているサプリメントなど持ってきて先生に診てもらってもよろしいですか?
→ この講義の目的は自分で情報を調べて答えを出す、というものだから、私に見せるより自分で考えること。BCAAについては、例えば次のことを調べててほしい。(1)物質として、バリン、ロイシン、イソロイシンとはどういうものか。(2)バリン、ロイシン、イソロイシンは人にとって必須か。(3)人に必須な場合、人体で合成できるのか、外から摂るしかないのか(合成できるなら、そのものを摂る必要は高くないはず)(4)バリン、ロイシン、イソロイシンだけ多くすることに意味があるのか。意味があるとしたらどんな場合か。たとえば、普通の人よりずっと体を動かしているスポーツ選手の場合は意味があっても、大学のサークルレベルのスポーツをする程度では意味がない、という場合もあり得るわけで……。もし、スポーツ選手がのんでいるということを根拠にするなら、スポーツ選手並のトレーニングをしている状態で比較しないと意味がない。
食事に気を付ける、の気の付け方は人による。私の場合は食事は不規則だが、体調は良い。親と暮らしていた時は強制的に一日三回食べさせられていて、胃腸を悪くすることがあった。一人暮らしになって、おなかが空くまで食べないようになって、胃腸の問題は解決した。知り合いに、一日一回昼食しか食べないという人がいるが、成人病とも無縁で元気にやっている。
- 以前、初めて薬の取扱い説明書を読みました。それは目薬のものだったのですが、自分が今まで使っていたやり方とは違っていました。効能などばかりを気にして、詳しいことを知らずに使ってしまうというのも、今考えてみれば恐ろしいことだと思います。
- ニセ科学と宗教が近いのは確かですが、実際の科学と宗教のつながりも否定はできないとも思う。例えば仏教における「色即是空」の考え方が物理学にかすっているとかいう本を読んだことがある。
→ それはまともな本か?宗教と物理をうわべだけ知った誰かが好き勝手に書いただけではないか。私は物理学専攻だが、仏教思想と物理学が似ているという話は少なくとも専門の方ではきいたことがないし、そういう思想に基づいて物理学を作って成功したという話をきいたこともない。
なお、宗教では教義を実験して確認することはしないが、科学の方は検証作業が入るので、はっきり別物だろう。
- 空想科学読本に対する指摘本のようなネタ本に対するツッコミ的なネタ本なら笑える。食卓の安全学おもしろいです。授業中に体に悪い物をリストアップした「買ってはいけない」の本に対して間違いを指摘した「『買ってはいけない』は買ってはいけない」は読んだ。読んだ時はただややこしいなと思ったが、現在はもっと正しい知識を得ないとマスコミに踊らされるだけだと危険を感じる。
- 世の中すべてを信じると生きていくことは困難で、逆に、世の中すべてを疑っては生きていけないので、生きていくためにも正しい知識を身に付けたいと思いました。改めて、この授業は大切だと思いました。
- こうもエセ健康食品が流行するのは、日本人独自の強迫観念によるものでしょうか。それとも世界的にはびこっているものでしょうか。チェルノブイリ原発事故のときウォッカが放射能を排出するという噂がまことしやかに流れたそうですが、ニセ科学は非常時にも出回るものなのですね。
- ナンチャッテ学者の社会貢献と教科書にあったが、それが本当に社会貢献になっている、と本人らは思っているのでしょうか。まあ、それこそ資金面等とのジレンマもあるのでしょうが……。キレイ事だけで研究はできないのでしょうか。2回ほど休んでしまったので、資料1〜3を頂いていません。来週持ってきて頂いたりできますでしょうか。
→ 大学から「社会貢献した」と評価されることが大事だったり。で、怪しいかどうかという内容のチェックは、捏造でない限りあまり問題にされていない。
資料については追加分を印刷しておく。
- 最近はテレビを見るときかなり疑ってみている。意識すればするほど、あやしい情報が多いことに気付く。
→ 作る側は「バラエティだから信じる人はいないだろう」と思っていたりするわけで。怪しい情報を楽しむのが本来の姿、信じて振り回されるのはまずい。
- 天然物なら大丈夫などというのにはダマされやすいと思う。よく考えればわかるのに…。大々的に学者がピーアールしているのは本当にあやしくて、正式な場合はむしろ学者は出ない方が多いということが、本物の教授の口から聞いたことによって理解できました。
→ 企業の立場で考えよう。「当社のすごい技術で開発しました」というのと「(当社は凄くないから)大学の先生にやってもらいました」というのと、会社の評価が上がるのはどちらを宣伝した場合か。たとえ大学の先生がからんでいたとしても「(当社の見識によって研究を進めた結果)当社が開発に成功しました」の方が良いはず。大学発ベンチャーのように最初から教員が会社を作って製品開発に向かう場合もあり、そういう場合は開発者の名前が出るかもしれないが、それ以外の場合は、「会社が大学教員に手柄を譲ってどうするんだ?」という目で見てはどうだろう。
- 予備校の生物の先生ができればマスメディアの道に理系の生徒が進んでほしいといっていた理由がやっとよくわかった。どんなに有名な全国紙でもでたらめが多いと知ってショックだった。
→ 自然科学がこの有様だということは、それ以外の経済や政治でも見当外れを書いている可能性だってあるわけで……。
- 大学名が書いてあると、信用してしまいそうだが、それが「ニセ」であるかもしれないことを初めて知った。
→ 実際、大学名と教授名付きでまともな電気化学の式と説明が数行出ていて、他は全部怪しい宣伝、というのを見たのでその先生に通報したら、勝手に使われていて事情を知らなかったということがあった。
- 今までしんじてきていたマスメディアやTVに出てくる学者もあまり信じてはいけないことを知り、世の中の何を信じれば良いのかわからなくなった。しかし、一歩引いて考えてみればマスメディアも企業なのだから当然といえば当然なのかもしれない。
- この間、人にモノを説明しようとしたら、ついつい「みんなもそう言ってる」というフレーズを使ったり、曖昧なことも断言してみせるなど、ニセ科学のおきまりの手段を使ってしまいました。自分が毒されて、ニセの発信側になっていくようで怖いです。
- 先生のブログだと思われるブログのアクセス数を見ていると、「食卓の安全学」にもあったが、正しい情報を求めている人が多いのが日本の実情ではないかと思った。
- 食卓の安全学は1章までしか読んでいませんでしたが、早めに通して読んでおこうと思います。マスメディアの報道に疑問を持ってはいましたが、文章として載っている他人の考えを見るのは初でした。
- 今回後の方に食卓の安全学に入っていて読んでいる時にマウスの所を読んで少し思ったのだが、よく科学者などが実験でマウスを使うのは、マウスが増やしやすいからなのだろうか、人の為に薬を作るのなら人に近いチンパンジーなどにすればいいのに。大学の先生も社会貢献が重視されることになり、評価されるから、研究費等を稼ぐのも大変になったと思う。お金欲しさにあやしい企業と手を組むこともあるかもしれない。
- 資料8をパッと見て(左半分)「人間の身体は大半が有機物でつくられています」同じページで「人体の70%は水分(無機物)でできています」…これはひどい。
- 『環境ホルモン』は人体に悪影響を及ぼすものだと決めつけていました。なせなら『環境ホルモン』は「ヒトもメス化する」等の悪い情報がネットや本に書かれていて、現在でもそのような消費者を不安にさせるキジが残っているからです。食卓の安全学を読んで、正しい情報より間違った情報の方が多いことにショックを受けました。
- 本当は怖い家庭の医学の情報は症例を大げさに扱っていて、テレビを見ているとドキッとしますが、大げさすぎて少しウソっぽいと感じていました。でも、この番組は正しい情報ですよね?
→ リスクまで考えれば正しいとはいえない。真実を伝えていても、それが滅多に起きないことだということを伝えないと、判断を誤らせる結果になる。また、世の中には、病気にならないかを気にする余り神経症にかかってしまい、心の医者の世話になる人だって(珍しい病気の患者の数よりはたくさん)居るわけで、度の過ぎた煽りは新たに別の病人を作る可能性もある。
- 「○○大学にて実証」などの記述は大半が嘘だと思っていたが、大学側の許可なしに宣伝を行っているとは思わなかった。今までずっと、記述された大学も何か交換条件などを出して取引しているのだろうと思っていたので、……。勝手に装置や器具やらを置いて行かれただけで「実証した大学」とされることもあるという話には、怒るというより呆れるしかないと思った。
→ 大学の研究者が本当にトンデモだというケースもあるし、知らない間に名前を使われたケースもある。また、黙認しているらしいケースもあり、業者と癒着までして後で処分されたケースまで様々である。
- ナノクラスターGeルルド水1200に医薬品以上の多量の有機ゲルマニウムが入っていることを知って怖くなった。ダイエット食品などのニセ科学はどうせ効かないだろうという気持ちでいたが、過剰に成分が入っていて効きすぎるというか、逆に副作用で体を害してしまうのはひどいと思った。食卓の安全学はおもしろいです。
→ 本当に効果のあるダイエット法があれば、それは毒だと考えるべき。昨年、テレビで白インゲンダイエットが放映され、番組を見た人が実行したら、インゲン豆の調理が十分で無かったために、下痢と激しい嘔吐で病院に行った人が何人もでた。その人達は、確かに体重は減ったらしいので、めずらしくダイエット効果「だけ」は明らかだった、というオチになった。豆類は十分火を通さないと危険なので……。
- 大学名が書いてあると、専門家が怪しいと思う宣伝であっても、一般の人は信じてしまいますよね。でも実際には今日の先生のお話にあったようなことが行われているということを知って驚いたというよりあきれました。”大ゲンカ”……先生かっこいいですね!
- マスメディアの裏にも、多少大げさに報道している部分があるのだなあと思った。確かに視聴率重視になってきている現在、私たち一人一人が判断しなければならないと思った。
- 通販とか簡単に信じないように気を付けたいと思いました。情報があふれすぎててこわいです。
- 私は高校のときに生物をとってなかったけど赤血球の説明はよくわかった。『食卓の安全学』おもしろそうなので自分で読み進めます。
- 人でデータをとる場合どれくらいの人数のデータがあればその品の効果を信じていいのか?(正しい薬や問題のない商品の場合)。
→ 100人以上ということもざら。なお、データ数が多くてもデータのとり方がまずい場合は意味がなくなる(主観や先入観に影響されるような場合はダメ)。ある要素が病気と関係あるかどうか調べる疫学調査の場合だと数万人から数十万人の規模になることもある。統計処理に意味がある程度の数は必要。
- 食卓の安全学の第二章は一応読んでみたが、今まで自分が思っていたことと事実では全然違うのだなと思った。事実、ウソ、メディアなんちゃって学者まで多くのことがからみあった中から私達は自分で判断していかなければならないと感じた。
- 「食卓の安全学」を読んでみた。私は農学部なのでこれからの食料生産、食生活についていろいろと考えさせられる。例えば、遺伝子組み換え、農業=危険、有機栽培、天然=安全というイメージを持っている人はとても多いと思うし、私もそうだった。何が安全で何が危険であるかもわからない事が多いのに、イメージで判断するのは良くないと思った。
- 「〜大学医学部にて証明」というのも信じてはいけないのであれば、もう何を信じればいいかわからない。そうなると見るもの全てがあやしく見えてくる。何の判断をもって「これは正しい」と言えるのだろうか。
→ 100%正しいと断言できることはほとんどない。が、大体正しいものと怪しいものの間の精度には大きな違いがある。「〜大学医学部にて証明」は現実に行われているが、それを一般の消費者に「わざわざ示す行動」を怪しむべき。一般の薬の宣伝で、消費者にこんなことを言っているだろうか。一般の人が使うまともな医療器具(電子式の体温計とか血圧計とか血糖測定装置とか)で、わざわざ大学名を出しているだろうか。
- 最近、薬局やコンビニなど、いろいろな店でゲルマニウム〜や健康に良い〜といった商品を見ると疑いを持つようになった。身の周りにはたくさんのニセ科学がある事がわかり、まだ、どれが本当でどればニセなのかはわからないけど、疑いをもち、自分で調べてみることで、自分でそうした問題に気をつけたいと思う。
- 0カロリーなのにおいしいのはなぜですか?
→ と聞かれたって何の話かわからないので答えようがない。
- どんなものでも、実は体に害があるのではないかと不安になってきた。
→ どんなものでもそればっかり食べたりのんだりしたらよくない。
- 世界でも、日本のように情報に踊らされている国は多いのですか?
→ 内容が違うだけで、他所も日本と大差ない。
- 研究者が正しいとコメントしていると、広告を見ている私たちは信じてしまいがちだが、そのほとんどがナンチャッテ学者だと思うと残念だった。同じ人が色々な広告に出てるのに納得した。
- 健康に関わる商品がネットなどで宣伝されているが、それは危険である。一見良さそうに見えるが、気を付けなくてはならない。これからは注意深く宣伝には目をつけたい。
- マスメディアは、自分の知らない事について調べ私達に発信しなければならないので大変だと思った。調べた人によって発信内容に偏りがでてしまうのは恐いと思う。
→ 逆に、偏ってるかもしれないことを前提にして使えば役に立つ。話題について知るきっかけとしては利用価値が高い。
- 自分も本の中であった『たけしの本当は怖い家庭の医学』は大げさで問題があると思っていた。テレビ朝日は番組の内容の方向性を変えるつもりはないんでしょうか。
→ みんなが、その番組のスポンサーの製品を買わなくなれば変えることになる。その判断と行動ができない人が大勢いる間は変わらないだろう。視聴者は視聴者のレベルにあった番組しか手に入らない。
- ”いかにもニセ科学”と思われる広告、ダイレクトメールがやって来るが、やはりあやしげな話の集合体のようだ。
- ダイエット食品がニセ科学ならばTVや雑誌に取り上げられているようなダイエットに良いとされている運動(ヨガなど)もニセ科学なのでしょうか?
→ 運動して消費されるカロリー分についてだけ言っているならかまわない。消費カロリーがダイエットにしては少なすぎるとか、にもかかわらず科学的に証明といった内容を述べた場合はその部分がニセ科学になる。あとは自分で考えること。
- 健康食品として様々な食べ物が体にいいと紹介されているが、食べ物は色んな栄養素で構成されているのだし、効果を出すには相当な量を摂らないといけないのではないかと思った。
→ かといって食べ過ぎもよくないし、偏っても別の害がありそうな。何かを一つだけ大量に摂るということは、他のモノが減ることでもあるので。結局、いろんなものをまんべんなく食べるという、ごく常識的なところに落ち着く。
- たけしの医療番組を見ていて、完全に信じてしまっていた。しかし解説には医者や研究者が出てきて、信頼性がある。医者や研究者は番組にうまいように操られているのか?この授業を受けていく度にテレビも新聞も何も信じられなくなってくる。ニセを見極めることが大切というのはわかるが、今の社会は何か居心地が悪い。
→ 放映されたことは単にとても珍しいから放映されたのであって、「同じ事が自分の身にもおきるかも」と理解するのは間違いだという指摘が教科書でなされている。
同じテレビ番組でも、報道とバラエティでは手間とコストのかけ方がまるで違うから、信頼度に差があると思って見ればよい。
実は某報道番組の取材を先月受けたがまだ放映されず、報道側もあちこちで裏取りをやっているところらしい……。
- 今日からはいよいよ教科書を使った授業になり、内容が実生活で体験したり、テレビ番組で見たりする内容になり、考え方が身近になったので考えやすくなってよかった。
- プロテインとよばれるタンパク質の粉が出ていますが、あれは本当に筋肉作りに役立っているのですか?
→ 次のことを自分で調べて考えること。(1)プロテインの成分(2)ヒトの筋肉は何からできているか(3)吸収されるのはプロテインそのものか、もっと分解したものか(4)ヒトが体内で作れず、食べて補給するしかないものがヒトの筋肉の成分に含まれているか(5)筋肉がどんどん発達するのは何をしたときか(運動の仕方とか負荷のかけ方とか)
負荷をかけなければ筋肉は減る。例えば寝たきりの人にプロテインを与えて意味があるか?
- 食卓の安全学を読んで恐ろしくなりました。私が実際誤解していた項目もあったし、木酢液牛丼一杯にあれだけの知識が必要なのか、と思いました。考えるだけで嫌になってきます。
→ 新しく出てきたもので、これまで無くても困らなかったものについては、とりあえず意識的に判断保留にして様子見する、というのが生活の知恵ではないかと。
- 「おもいっきりTV」や「たけしの〜」などの健康を喚起するような情報バラエティー番組のスポンサーは保険会社や健康食品、医薬品会社が大半である。健康の不安にあおられた人たちがそういったものを買ってしまうのかなあと思った。
→ NHK以外のテレビ番組は、まずスポンサーが自社の広告を視聴者に見せるという目的があり、広告だけでは見てもらえないから、人目を引く番組を作ってタダで視聴者に提供しているのだということを忘れてはいけない。内容の全部がデタラメなら誰も見なくなるからこれはあり得ないが、ありきたりな真実を述べても面白くないから誰も見なくなる。どのへんを狙って番組を作るか、提供する側の立場にたって考えればわかるのではないか。(【余分なお説教】「他人の立場にたってものを考える」というのは、まさにこういう状況で実行すべきであり、大変役に立つ。学校の先生は、人付き合いとか思いやりといった文脈で教えることが多いが、人はみんな違うから「自分が想定した他人」と真実の他人の間にギャップがあれば却って誤解することもあり、あんまり意味がない。)
- まじめに研究しているなら本来学者の名前はあまり出ないと知って驚いた。一言で「ニセ」といっても、背後にはそれぞれの立場の利害関係が複雑にからんでいるなと思った。ただ、マスメディアでも副作用などもっと見る側への判断材料を与えるべきだと思った。
→ 会社の手柄を学者に譲ってどうするのか?という話。
- ニセ商品でも「売れる宣伝」と「消費者の油断」にょって広く出回っている事実と、本物(実際に科学的裏付けがなされているもの)の商品が「消費者の怠惰」によって、多くが見落とされている事実を通して、資本主義の弱さを感じとることができた。
→ 情報の存在の偏りがマーケットを歪ませるということについては、スティグリッツが研究している。また、日本の消費者契約法は、事業者と消費者の知識の差を正面から認めている(他の民法や商法は、取引においては対等の力関係を前提にしている)。
- ナノクラスターGeルルド水のサイトを見て読んでいたら、化学の知識もそうだが文章から異常さを感じた。
- いろいろ製品を開発するときにゴチャゴチャしているのだなあと思った。本当に利益のためなら何でもするのだと分かった。
- 私の友人の両親は医師をしていますが、やっぱり「たけしの本当は怖い家庭の医学」は正確ではない、と言っていたそうです。視聴率を上げる為に何でもかんでも番組にしてしまうのは違うんじゃないかな、と思います。あとはゲルマニウム水。よく見るとあやしい部分ばかりですね。水つながりで私の友人が「酸素水」を飲むとあくびが止まる、と言い張ります。そんな馬鹿な私は思いますが、彼女は信じてやみません。
→ 他の水でも飲めばあくびが止まる体質だった、というオチが待っているかも。
- ニセの水に5000円も払うことがとてもばかばかしく思えた。本質を知らずに口だけの効果や、高価なものだからという理由だけで買うのはどうなんだろうと思った。サメのある一部の油脂が体にいいという通販があったが、嘘ばかりということで放送されなくなった。サメの油脂って……なんだか体に良さそうと思っていた自分が恥ずかしくなった。
- 水についてで、軟水と硬水とどちらが人の体により悪いのか教えてください。
→ 安易に答えを求めるのではこの講義の意味がないから、次の課題を出す。
軟水と硬水の定義と、水の硬度を決める原因となる物質の種類と量を自分で調べること。原因となる物質が普通に食物から摂れるものかどうか、食物から摂る量と比べて水から摂る分が多いか少ないかを比べよ。その上で、軟水と硬水の差に意味があるかどうかの結論を自分で出すこと。
- 教科書を使うようになると具体的、身近な内容について考えやすくなった。ただ、講義でどこが重要なのかを押さえるのが難しくなった。これからますます面白くなりそうで楽しみだ。
- 今日から教科書にはいったが、どういう所を診ていくのかが楽しみ。
- ガン細胞が自己増殖のために自ら血管を作り出すというのは本当でしょうか?
→ 正確なところは専門家にきいてほしい。私は癌の専門家ではない。
ただ、普通に考えれば、栄養分の輸送は血管を通して行うのが効率的だし、養分が少なければ細胞はそうそう増えられないというのも予想できることではある。そうじゃない例があるかどうかまでは私も知らない。
- 教科書を読んでみて本当に面白くなってきた。次回が楽しみです。教科書読もうと思います。
- この授業で見破る生活の知恵をたくわえて、家族のみんなに伝えようと思った。
- 山大も企業の宣伝に利用された過去があることを初めて知った。よく広告で「○○で実証済み」というのをよく見るが、安易に信じてはいけないと思った。
- 1本5250円のナノクラスターGeルルド水1200は有機ゲルマニウム1200mg入っていて、この水の一日の飲用量の目安が「1日約100ccを3回に分けて飲用ください」と書いてあるので、あのバカな議員の発言はマジバカらしいと思った。
- 中国ではダイエット食品で人が死んだりしているので、中国の食品には気を付けたい。
→ 個人輸入に注意。
- 食卓の安全学を読んでだが、「環境ホルモン」や「BSE」などのニセ科学がマスメディアと結びつくと、とんでもない騒動になることがわかった。もっと研究が進み、確実な結果が出るまでマスメディアは手を出してはいけない。
→ いずれももともとニセではなく通常の科学で調べていたはずなのに、マスメディアが煽ってニセの部分を作り出したケースである。
- 1本5000円のナノクラスターGeルルド水1200はなぜあんなに高いのか?有機ゲルマニウムは貴重なものなのか?
- 人間、こういう悪知恵に使うエネルギーを何か別のものに使えばいいのにと思います。よく思いつくようなあ、とも思います。それにぽややんと流されてはいけないのですね。
- マスメディアを気軽に信じるな!とのことだが、マスメディア側にも問題があると思う。どのマスメディアにおいても視聴率、スポンサー優先のあまり正しい情報を伝えず、情報をゆがめるというのでは、企業としておかしい。日本の新聞、TVの普及率はかなり高く、そういったマスメディアのみから情報を得ている人も決して少なくないと思う。だからこそマスメディアは責任を持つべきだし、現行の企業体質を改善すべきだと思う。
→ スポンサーの意向に沿うのはある意味当たり前で、正しい情報が欲しければそれに対して金を払うのが妥当ではないか。他人が金を出して作った番組に品質を求めても仕方がない。番組の品質について文句を言えるとしたら、我々が受信料を払ってスポンサーとなっているNHKだけだろう。
そもそも番組はCMを見せるための手段なのだから、変な番組のスポンサーになった企業の製品を買わないという運動を起こすのが最も効果的である。スポンサーが降りれば番組は中止になる。
なお、戦前だってマスコミはひどい言論統制をやった歴史がある。マスメディアを疑ってかかるということを標準にした方が安全だと思うが……。
- 研究者としては、自分の研究が発表できないことはつらいですね。
- 人が多くて暑苦しいです。冷房はまだつかないんですか?
- 前回は勘違いなことを書いてしまってごめんなさい。
→ コミュニケーションは1回だけで意図通り伝わるとは限らないので、気にすることはない。
- 実際の生活でニセ科学を見つけるのは難しい!
- 暗黙の了解というのは難しい。
- 一度講義に出られなかったため、ずるずると置いて行かれて不安です。まだ間に合うでしょうか。
→ 持ってないプリントがあるなら、第何回のものか言ってくれれば後でコピーを渡します。
- 世の中は信用できないと思った。
→ TVやら雑誌の広告が信用できなくても、実は生活するのにそんなに不具合はない。
- 理系の人間でも、人に上手に伝わる文章を書けることはとても大切だと思う。理系の人だからこそ本を読み、そういった力を身に付ける必要性があるに違いない。