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第2回
質問とコメント
- 水というものがこんなに研究されてきたものだとは知らなかったので興味深かった。純粋な水は存在しないというのは知らなかった。硬水や軟水というものがあるけれど、研究に支障は出ないのか?何が違うのか?
→軟水と硬水の違いは、水の中のカルシウムとマグネシウムの濃度の違い。濃度が高いものを硬水と呼んでいる。炭酸カルシウムの量に換算して120mg/L以上のものを硬水というが、国によっても基準が異なる。研究用の水は、イオン交換した上に蒸留するか、逆浸透膜を使ってイオンを全部取り除くので、元の水が軟水でも硬水でも実験に影響しない。
- クラスター構造とはどのような構造なのか?またクラスター構造以外にはどんな構造があるのか?
水→氷のシミュレーションが難しいとのことだが、それは水→氷になる時に他の物質と違い液体→固体になると体積が大きくなることが関係しているのか?
→クラスターは、分子や原子が数個から数十個集まったもので、くっつき方によっていろんな構造を取る。数個でも、環状になったり枝状になったりする。クラスターにならない場合は普通の液体や固体で、特に数個から数十個のまとまりを考えることはない。
氷を作るシミュレーションでは、密度をすこし小さくしておくことがポイントだったという話をきいている。
- 純粋な水を飲むとお腹を下すから飲んではいけないと聞いたことがあるのですが、飲んでも大丈夫なのですか?
- 高校か中学で、純水を飲むとお腹をこわすと聞かされたのですが、本当ですか。(本当ならなぜなのでしょうか)。
→最近は飲んでも大丈夫。超純水製造装置の出始めの頃は、管理が良くなくて飲用に適さない水になったこともあったらしいが、最近の装置は良くなったので飲んでも全く問題はない。
また、不純物が少ないからといったもっともらしい理屈を付ける人がいるが、ちょっと考えてみてほしい。口に含んだら唾液と混ざって水溶液、胃に入れば胃液と混じってやっぱり水溶液になる。水道水は薄い水溶液だが、飲んだ後の胃に入ったあたりで、水溶液としての濃度は超純水でも水道水でも変わらなくなっているはずである。
- 仮に完全な純水を作るとしたら、どの位の設備や技術が必要ですか?
水についてだけでも知らないことが山程あったので、驚きました。
→工業用のものだと、https://www.kurita.co.jp/products/kuriaqua.html(クリアクア、栗田工業)のような装置を使うことになる。
- 純粋な水と水道水はどちらが体によいですか。
→水は薬ではないので「体によい」水というのは想像しがたい。コストとリスクを考えるなら、水道水で十分のはず。純粋な水を作るのはコストがかかる上、保管の方法がまずいと感染症のリスクが上がる。水道水は感染症のリスクは少ないが、殺菌に加えた塩素によるリスクが少しはある。
- D2Oとは何ですか?
- 表5.2のD216Oとは何のことですか?言われたと思うんですが、聞き逃したので教えて下さい。
→Dとは水素Hの同位体である重水素のこと。水素の原子核は陽子1個でできているが、重水素の原子核は陽子1個と中性子1個でできている。16Oは、質量数16の酸素で、最も多いもの。普通はただ単にOとだけ書く。
- 水素結合の角度や距離はどのように調べていますか?
- 結合時の角度はどのようにして計ったのですか?
→X線回折を測定すると、水素は見えないが、例えば酸素と酸素の間の距離がわかる。中性子線を使って回折実験をすると、水素の位置を知ることができる。こういった実験の結果を合わせて、距離や角度を求めている。
- 高校で習わなかった範囲がかなりおもしろかった。氷山などの氷は通常の氷と結晶が違いますか?
→結晶構造としてはIhと呼ばれるものだから、冷凍庫で作る氷と同じ。
- プリントの1ページ目の左側l20くらいの水素結合やファンでアワールス力って誤字ですよね。
→失礼しました。訂正しておきます。
- 「水の科学史」について、「水から土を作る実験」で、水を蒸留したときに残る不溶性の物質とは何なのですか?水に混ざった不純物なのですか?
→もとの水に混じっていた不純物の可能性もあるし、ガラス容器から何かの成分がわずかに溶けだしたものである可能性もある。
- なぜ水は4℃で一番密度が大きいのですか。
→誰もが同意する理由の説明はまだ無い。密度の極大を再現するようなモデルはいくつか考えられている。
- ガラスはなぜ光を通過させるのですか。
→まず、可視光をほとんど吸収しないという性質がある。板状に加工すると、光の波長よりも大きなサイズでの不均一な部分が無いから透明に見える(=光を通す)。ガラスでも、表面を凸凹にしたすりガラスでは白っぽく見えて光を通さない。凸凹(というかざらざら)の面を水で濡らしたり、透明な粘着テープを貼ったりすると、ざらざらの間を埋めて多少は平ら(つまり均一)になるので、少し向こう側が見えやすくなり、光も通しやすくなる。
- 水は身近なものなので、あまり科学の研究の対象というイメージがない。でも、誰かが研究したからこそ水は安心と思えるのかなと思った。危険の溶液にさわったら水で洗うし、水は不信感を持たずにのむ。だから、水は安心であると思った。でも、水には微量でも不純物が入っていると知り、科学において100%安全はないのかなと思った。
→日本では水道水が安全で安価だからありがたさに気付かないだけで、海外では、安全な水が手に入らないために命を落とす人が相当数居ることを忘れないで欲しい。上下水道の普及によって感染症は激減する。
- 過冷却で思い出したのですが、ケンシロウの「お前はもう死んでいる!」は水の過冷却現象と同じだと、空想科学読本で以前読みました。空想〜はどこまで科学的なのかが気になります。それから、高校の化学の先生が2H2Oを飲んだことがあると言っていたのも思い出しました。
→空想科学読本は、科学の記述部分そのものだけを見れば正しいが、とりあげている特撮やアニメ、マンガの方を十分読み込んでいないために、元の作品の設定を無視したり曲げたりしている部分が結構ある。また、科学の理解についても間違ったイメージを抱く可能性もある。おもしろおかしく読む分にはいいが、科学についても、間違った理解をしないために、別の本を読むなどして補強した方が良いと思う。
- 科学の研究史を見ると、今では当たり前の事実が、当時の大発見であり、現代を生きる我々はつくづく運が良いと思った。
- 時々むずかしい用語がでてくると、よく分からなくなりました。
- 具体例がわかりやすくておもしろかった。
- 身近な例をあげて説明してくださったので、少しとっつきにくかった部分も最後まで聞けました。
- 元素記号を色付きでもらえると化学を学ぼうという気になります。モチベーションをあげるのも大切だと思いました。ありがとうございます。
- 周期表があざやかで見やすいと思った。
- とても見やすい元素周期表でした。
- 周期表、なつかしいです。
- 高校で水のことを学んだが、知らないことも知れてよかった。
- 高校で化学をならっていたが、二次でつかわなかったので、相当わすれていたので、とてもためになった。
- 水の性質がわかった。
- 水は身近な物質だけど、面白いことが多いと思った。
- 氷が水に浮くということが、実は異常な性質だったおいうことを初めて知り、とても驚きました。
- 水と一口にいっても奥の深いものですね。
- いつも飲んでいる水が、こんなにも研究する対象になれるものだとは知らなかった。きっとまだまだ科学において知らないことばかりなんですね。
- アモルファスがどんなものかわかってよかった。
- 牛乳が白く見えることの理由なんて考えたこともなかったので、話を聞いておどろき、おもしろいと思った。
- 牛乳の白い色はたんぱく質の小さい粒であることに驚いた。少し難しいところがあったようななかったような……です。
- 水素結合など結合力の話をしたのを思い出しました。
- 普通、分子量が大きい程、沸点、融点が高いのに、分子量小さくて断トツで沸点・融点が高いなんて、水素結合どんだけ引き合う力が強いんだ!!?と思った。先週の質問に答えていただいてありがとうございました。金は薄くのびるんでしたね。自分でももっと頭を使ってみます。
- 自分も白川さんや田中さんのようなノーベル化学賞受賞学者になりたいと思った。
→大きな成果が上がるのは若いうちであることが多いので、皆さんのチャンスはこれからだから、がんばってほしい。
- 高校の化学の復習みたいだったけど、それよりも深い内容だったのでおもしろかった。
- 高圧氷の話をもっと聴きたいので次が楽しみです。
- 今まで「ファンデルワールス力」がいまいちよくわからなかったが、今日の授業で、どんな分子にも電荷の偏りがあって、分子が大きくて電子の雲が厚いほど引き合う力が大きくなり、基本的には距離で決まるということがわかった。H2Sがなぜファンデルワールス力が支配的なのかよくわかった。
- 今日はいくつか知らないことを学ぶことができた。
- もっと濃い内容をやりたい。
- 前回よりも難しく感じたので、自分でより積極的に学びたい。
- 最後に言っていた実験(4℃になるやつ)家に帰ってやってみます!!
- 難しいです。
- 特になし
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