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第2回
- 実験でよく使う純水も不純物を含んでいるということを始めて知った。純水も水滴をたらし、蒸発させれば何かしらの物質が出て来ますか?
→見て確認出来る量は出てこないです。混じってたとしても相当に少ないので見えないし集めて分析するのも難しいくらいです。
- 強固に信じられた学説から脱却するのが難しかったり、センセーションを起こした発表が誤りと分かって研究自体が停滞してしまったりする学問の難しさを感じた。「水の最大密度は4℃」ということの意味がよくわからなかったです。すみません。「水は4℃に落ち着く」というようなことは小学校で学んだ記憶がありますが、どういうことでしょう?
→物質の密度は一般には温度によって変わります。固体の時が一番きっちり詰まっていて密度が大きく、液体になって温度が上がると(物質の出入りが無い場合、重さが変わらないが)熱膨張するので温度が上がると密度は小さくなります。水の場合は、氷が融けた後一旦密度が大きくなり、4℃で最大になり、さらに温度を上げていくと密度が小さくなります。容器に一定量の水を閉じ込めて体積を測ったとして、体積が一番小さい時が密度の一番大きい時になります。
- 水を試験管に入れると水面のあたりが試験管の内壁に貼りつくようになります。水は表面積が小さくなるように存在するのに何故上記のようになるのですか?また、水銀は試験管に触れないように水銀面は僅かに凸になると聞きました。何故そうなるのでしょうか?最後に臭素やエーテルなどは試験管に入れると上端はどのようになりますか。
→液体が試験管表面をどの程度濡らすかによって(液体と固体表面の相互作用の強さの程度によって)、液体面と試験管の面のなす角度(接触角)が決まってきます。ガラスと水、ガラスと水銀それぞれの固有の組み合わせの接触角になるように、液面の端の方が変形します。濡れる時端が上に上がり、濡れないときは下に下がります。液面の形状は液体の表面張力のみでは決まらず、容器の壁面との相互作用も含めて決まります。詳しい話は「表面張力の物理学」(吉岡書店)の最初の方に出て来ます。エーテルは濡れるので水と同じ傾向、臭素については手元に接触角のデータが無いので何とも言えません。
- 私は東京の出身です。山形に来て、水道水を飲めることに驚きました。東京の水道水はおいしくないからです。でも、東京の水道水の方が成分は安全だと効きました。これは、山形の水道水は割と自然のまま、ということなんでしょうか?
→東京は高度処理水を作って、水道水をペットボトルに入れて売ったりしているので、充分飲めるはずです。ただ、おいしさについては、飲む時の温度がかなり影響します。東京の方が水の温度が高いということはないでしょうか。また、集合住宅だと水を一旦タンクに溜めたりするのでタンクのメンテナンスが悪いとまずくなる可能性があります。水道管の防食工事をすると水が不味くなるという話もあります。おいしさについては、いちがいに水道水の微量な成分の差が原因だともいえないです。
- 水の研究でまだ解明されていないことは何ですか
→例えば、水の異常性の起源として、第二臨界点仮説というものが出されているが、これが実験で確認できるかどうかなど。http://www.netsu.org/j+/Jour_J/pdf/31/31-1-23.pdf
- 酸素の発見以前にフロギストンというものがあると信じられていたというのをきいたことがあるのですが、フロギストンとは何ですか。異常水について詳しく知りたいと思った。水素や酸素が完全に純粋でない、というイメージがうまくわきません。
→フロギストン(燃素)というものが可燃性の物質に含まれていて、燃えるとフロギストンが物質から抜け出してしまうと考えられていた時代があった。異常水についてはこの講義の後半でくわしくやりますので暫くお待ち下さい。完全に純粋でない、というより、純粋であることを確認するための分析手段に限界があるためある程度以上純粋にしたらそこから先は何かが含まれていてもわからない、純粋であることを保証できない、ということです。
- 硬水と軟水には味に違いがありますか。
→含まれているカルシウムとマグネシウムの量が違うので味は違います。
- 硬水はどうして飲みにくい感じがするのでしょうか。
→カルシウムが多いのはそんなにくせが無いですけど、マグネシウムが多いのは苦いような味になるはずです。硬水というのはカルシウムとマグネシウムの合計の濃度が高い水ですので、苦みが強く出ることもあるのかも。
- 純粋な水が存在しないことを知りました。水道水より純水で顔を洗った方が肌に良いと聞いたことがありますが、実際にはどうなのでしょうか。
→水道水には感染症予防のため、いわゆる残留塩素が含まれています。これに敏感な人も中にはいるでしょうから、そういう人に限っては、純水の方が良いかも。特に敏感な人でないなら気にする必要はないです。むしろ、水道水の方が水の(細菌による)汚染に対して、塩素濃度が維持されている限り抵抗力があるので安全かも。
- イオンでも全体として中性になっている物質は「中性のイオン」と言ってもいいのですか。 H+は最外殻の電子を失って原子核だけの状態になっているはずだが、そのような電子が全くない状態などあり得るのでしょうか。私が読んだ参考書では、水中ではH+でなくH3O+として存在すると記述してありました。
→中性のイオンとは言わないですね。また、H+については前回の講義でも話した通り、他の分子の電子雲の軒先を借りている状態です。H+と書くのは省略した書き方か、あるいは、加速器の中など物質の存在が希薄で陽子がそのまま存在できる場合の書き方です。
- 水道水と売っている水では、やはり売られている水の方が体に良いのですか?
→逆に質問。体に良いってどういう意味でしょう?少し考えれば、何が体に良いかは人それぞれだと気付くはずです。たとえば太りすぎの人は減量すると体に良いかもしれないし、痩せて体力の無い人はもうちょっとしっかり食べて太った方が良いかもしれない。売り文句としての「体に良い」とは単に「都合の良い」では。で、そんな誰にとっても都合の良い水があるはずがないです。安全な水、であれば想定できますが。
- 花粉をブロックする例の「イオンブロック」のぬりぐすりて効果あるのでしょうか。やはりインチキですか?
→市販の製品の紹介ページを見たのですが医薬品ではなさそうですし、実験結果も無いですね。イオン云々の説明も意味がわからないです(帯電してるなら皮膚の表面の毛で静電気を感じるはずだがそれもなさそう)。良くて、花粉を吸着しやすい何かの材料で、吸い込まれる前に多少は取り除くという程度のものではないかと。せめて、普通に板に塗って花粉トラップとして強力だという実験結果でもあれば良かったのですけど。
- コラーゲンを摂取するときれいになると言われていますがどうも信じられません。コラーゲンがきれいになることと関係しているのでしょうか。
→(農学部の方からの質問なので)高校生物で習った消化と吸収について思い出してください。コラーゲンは高分子ですから体に吸収されるときには分解されてしまいます。特に偏食していてコラーゲンでしか特定の栄養を補えないというのならともかく、常識的な範囲でバランスのとれた食生活をしているなら、コラーゲンにこだわる必要も理由もないはすです。
- 水道水に虫歯予防のためにフッ素を混ぜるということを聞いたのですが、そんなことが可能なのでしょうか。また、人体に影響は無いのでしょうか。
→日本ではやっていないけれど、フッ化ナトリウムを入れている国が多数あって、目立った健康被害は無かったかと。「目立たない」影響が出る可能性をどう考えるかということで、メリットとリスクと費用のトレードオフですよね。
- 何でアイスはまんべんなく甘いんだろう。雪見大福、ピノ ハーゲンダッツ 31。温泉って何で肌に良いんだろう。何で猫はゴロゴロいえるんだろう。
→アイスについては、甘い部分と氷の粒が充分小さく砕かれた状態で混じっているから。買った後長期間家庭の冷凍庫で保存しておくと、氷が結晶成長して甘くない粒の氷が大きくなることがある。温泉については、出た後シャワーで温泉の湯を洗い流せと注意書きがある場合もあるので、肌に良いとばかりは言えないのでは。猫についてはよく知らない。
- 未だにマイナスイオン・ドライヤーを買ってしまいます。先生(というかインチキだと分かっている人)は全然心引かれたりしないものですか?
→心引かれるどころか、余計なものを付けることによって不要な資源を浪費する、エコじゃない製品だと思うこともあります。が、ドライヤーについてはマイナスイオン云々は別にして、そう謳っていてもドライヤーとしての性能が良かったりするので、基本的な性能の部分には惹かれます。
- 化学史が学べて面白かったです。昔の錬金術のようなものではHgからAuが作れると聞いたことがあるのですが本当ですか?
→錬金術、つまり化学反応の範囲ではできません。卑金属から金を作れるようになったのは20世紀になってからで、加速器が必要でした。ただ、金を化学的に回収するとき、一旦水銀との化合物(アマルガム)にして集めて、水銀を除去するという方法があるので、これが勘違いされた可能性はあります。
- 高校とき水素結合やファンデルワールス力についてよくわからなかったが、今回知れてよかった。Hを持っていても水素結合をもたない分子があるのは何でですか。
→Hが電気陰性度の大きな原子と結合しているときにできるのが水素結合で、電気陰性度は、ポーリングの値だとFが4.10、Oが3.50、Nが3.07なのに対し、Cが2.50と小さいので、炭化水素のHは水素結合しない。細かいことをいうと、電気陰性度の定義は他にもある。また、結合でどれだけ電子雲に偏りができるかは、量子力学計算で求めなければならない。
- 私も小さい時砂糖水で氷作ろうとしたことがあって、なつかしくなりました。あと、スポーツドリンクとかも氷にすると同じようになりました。
- 昔ジュースを凍らせた時、なんで均等に甘くならないんだろうと疑問に思っていたのですが、今回の講義で理由が分かったのでよかったです。
- 何で僕が砂糖水を凍らせようとしていたことがわかったんですか。
→みんな一度は自家製アイス(単に甘い氷で良い)を作れないか試したりするものではないかと。
- 科学のうそはこれからも増えていくのですか。減らすことはできないのですか。
→減らすことはある程度はできても無くすことはできないと思います。人間の欲に基づくものなので。
- 水と云うと非常に身近なものなので、分からないことはないだろうと思っていたが、古代から現代迄研究が続けられていて、今でも分からないことがあるのは驚きだった。理科の実験で”純水”とよく言っていたが、本当は”純水”などないというのは説明を聞くとなるほどと思った。液体の方が固体よりも重い物質が水、Si、Geなのは正四面体構造の他にも理由がありそうな気がします。Si、Geは半導体なのでそこも関係しているのかなとか、いろいろ想像がふくらんでくる今日このごろです。
- 水を考えだして2000年以上たつのに、水についてあまり多くはわかってないことに驚いた。
- 水の実験は不思議だった。水は身近にありすぎて調べる気にならないけれど、とても面白い物質なんだなあ。
- 人間にとってとても身近な存在である水が、とても特殊な物質なんだと思った。
- つい最近までアリストテレスの説が使われていたのは驚きだった。10世紀くらいに破られたものだと思っていた。
- 水の研究史を見て、水ってこんなに研究されてきたのだと初めて知り、驚きだった。
- 水についてとても興味深かった。
- 権力の影響力ってやはり大きいですよね。水1つとっても発見の歴史、構造を解明する過程があって面白かったです。
- 高校のときから結合が苦手です。水素結合とファンデルワールス力があいまいで、勘で答えます。
- 最後の簡単な実験で、4℃の水が下にたまるのをはじめて知った。身の周りにも気が付かないけどいろいろな科学があるんだと思った。
- ある学説が信じられるとそこからの脱却は難しいとあったように、既存の学説を覆す新しい説が専門家の批判を浴びたり、教会によって弾圧されることは歴史的にも少なくなかった。しかし専門家の間でさえ常識とされるものを疑い、理にかなった実験結果を示し新たな理論を打ち立てた科学者たちは、真に科学リテラシーの体現者であると思えた。
- みのもんたの次は宮根さんが来そうだと思った。食卓の安全学を四で、メディアはメリットしか報道しないというのは本当にそうだと思った。自分で判断することが大切だと今日改めて思った。
- 固体の方が軽い物質は水しか知らなかったので、高校では習わなかった知識がマメ知識程度でも入っているのが良かったと思う。
- 純水には必ず不純物が微量混じることが驚きでした。しかも、不純物がない氷と普通の氷は違うことを初めて知りました。
- 純水は作ることができなかったり、蒸留水の中には酸素が入っていることを初めて知った。今まで、実験などで純水を利用してきたが、正確な結果は得られていなかったのかなと思った。
- 理論と現実の間に超えられない壁があるのを感じた。高校でかなり深くまで掘り下げた授業を受けてたので、幸いなことに既に知っていることがほとんどだった。
- 普段、何気なく飲んだり、使ったりしている水についてよく分かりました。
- 一番身近な液体である水が、他の物質に比べて特異な性質を持っている、というのはおもしろいと思った。
- 化学史は、高校のとき少しはやりましたが、改めてやると世界における化学の立場・役割が分かって楽しかったです。
- 水のことで高校などでは習わなかった部分もあったので、新しく知ることができて良かった。
- 15Oの半減期の短さを利用して医療に使われているなんて知らなかったので、知れてよかった。
- 同位体の話がおもしろかった。それぞれに名前がついていて、おもしろい!
- これまで学んだ内容を仔細に説明してくれて有り難い。
- 簡単な実験でコップの下の温度が4℃になることが確認できるとは驚きでした。一度やってみたいなと思いました。
- 水についての研究だけで、こんなに多くの研究者が研究をしているとは思わなかったです。
- H2OとH2Sの結合の違いを図も合わせて見ることでよくわかったのに加えて、知識として知っていた氷の結晶構造がどのようにすき間が空いているのかわかった。よろしければ、もっと様々な結晶の構造も見てみたい。
- 分からないことを追求する研究にはその時代の化学区の進歩によってもどこまで追求できることがかわってくると知りました。昔の研究者たちは根気強く研究していてすごい精神力だと思った。身の回りの水1つに対しても分からないことはたくさんあるのだと思った。
- 一度水の研究が嫌遠されたり、水は沸点融点が他の分子に比べかなり高めであるなど、いろいろと初めて知ることがあって楽しかったです。
- 高校生のときに習ったことよりも少し難しい程度でしたので非常に面白かったです。
- 水って深いな〜って思いました。水についてここまで深く考えたことがなかったので面白かったです。
- 水についてとても興味がわいた。
- いろいろ知らないことが多かった。
- 人はいろいろな現象を発見していてすごいと思いました。これからもいろいろなことが発見されるのが楽しみです。
- 学問自体発達していなかった時代に身の周りの不思議を解明しようとしたアリストテレスはすごいなと思った。
- 身の回りの物質や現象についていろいろ詳しく知ればおもしろいと思った。
- 水とは奥が深いなあと思った。
- やっぱり科学は難しいと思いました。
- 世の中のでまわっている情報に気を付けようと感じました。
- 自分もバナナダイエットしました。やせれなかったのはそのせいですね!
- ねむかった
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