EMの誤使用は食中毒のリスクを上げる
元リンクはこちらだが現在見られない(移転の可能性あり、見つかったら修正)。必要なところだけ引用。関連まとめのtogetterはこちら。
2014年の記事だが、無節操に効果を主張するEMを信じていると、現実の健康被害が発生する可能性があるという話。
徳島家畜保健衛生所 大久保喜美
昨年度、本事業を行ったA農場では年々検出率が増加(指導前10.2%)。聞き取りでは「消毒薬は使用せず、EM菌を散布しサルモネラを競合排除している」との回答。そこで、EM菌の効果を確認するため、EM菌液5mlとサルモネラ0.05mlを混和し培養。その結果、4時間後にサルモネラは不検出となったが、感作時間及び量的にサルモネラの排除は不可能と判断。このため同条件で1%消石灰水ならば3分以内に不検出となることを飼養者に説明し鶏舎及びGPの床面への1%消石灰水の塗布、踏み込み消毒槽としての利用を指導したところ、検出率が4.8%に減少。一方、今年度事業実施3農場(B~D農場)は全農場で未検出。そこで、A~D農場及び過去に事業を実施した3農場(E~G農場)の検出率及び疫学関連を調査。その結果、物流(飼料、鶏体及び鶏卵)はサルモネラ汚染に影響が少なく、鶏舎構造が最も関係し、次いで飼養者の衛生意識が重要と思われた。
“A農場では年々検出率が増加(指導前10.2%)。” “聞き取りでは「消毒薬は使用せず、EM菌を散布しサルモネラを競合排除している」との回答。” “一方、今年度事業実施3農場(B~D農場)は全農場で未検出。”
EMを学校教育の現場で環境浄化や洗浄で使うな(使うなら本来の開発目的である土壌改良材料としてだけ使え)、と主張している理由の1つが、EM推進者による無節操な効果の主張にある。今回はプロの農家が、殺菌目的で使って引っかかった例。
ましてやEMの開発者の比嘉氏は、EMの効果について許可無く検証するなと主張している。さらに、EM推進側が主張する様々な効果について、まともに論文になっているものは皆無に等しい。それどころか、効果が主張されては、後から自治体主催の追試で主張ほどの効果はないとわかるということの繰り返しでさる。
必要なのは衛生意識ではなく、EMで殺菌、などというデマに引っかからないだけの(農業専門家としての)基礎知識だろう。