MacでTeXを使う
はじめに
ここでは、MacintoshでTeXを使って科研費申請書類を作るための情報をまとめる。科研費LaTeXが提供されるようになって、だいぶ状況が変わっている。
必要なもの
TeXを使って科研費書類を作るためには、次のものが必要である。
- Macで動くTeXプログラム
2010年現在では、奥村晴彦著「改訂第5版 LaTeX2ε美文書作成入門」(技術評論社、978*4-7741-4319-4 3180円)を購入するのが楽である。付録のCD-ROMにインストールするためのパッケージが入っていて、説明も丁寧なので、初心者の方にもこの本の購入をお薦めしたい。もちろん、本の本文はTeXの解説書として大変役立つものである。 - 科研費LaTeX
科研費LaTeXのページから入手。
インストール方法
TeX本体については奥村本の付録Gの手順でインストールすればできる。昔のMac版TeXとの違いは、文字コードがUTF-8推奨になったところ。今後はUTF-8で統一するのが良いと思われる。
手軽にコンパイル、プレビュー、修正をするためのツールとして、TEXShopかTeXworksを使う。どちらも付録CD-ROMに入っていて、パスの設定方法なども奥村本の通りにすればよい。
文字コードの変換
奥村本の付録からインストールして、解説の通りに設定すると、文字コードはUTF-8を使う設定になる。フォントの利用の便を考えても、今後はUTF-8を使うのが良いと思われる。
科研費マクロのスタイルファイルやソースファイル等がUTF-8でなかった場合、ダウンロードしてから、手元でUTF-8に変換する必要がある。変換ツールを使っても良いが、数が少ないので、miエディタやJEditXといったテキストエディタで中を確認するついでに、コードをUTF-8に変えて保存している。
他のパッケージの利用
私がやっている方法を書いておく。
- 自分が使いたいパッケージやスタイルファイルをダウンロードする。
- パッケージやスタイルファイルの文字コードを全部UTF-8に変換する。
- 自分のホームディレクトリ(私の場合だと/Users/apj)に、mypackageといったフォルダを作って、パッケージやスタイルファイルをまとめて入れる。
- ターミナルを開いて、
cd /usr/local/texlive/p2009/texmf/tex/latex
ln -s /Users/apj/mypackage ./mypackage
を実行。
次に、 cd /usr/local/texlive/p2009/bin/i386-apple-darwin10.3.0
./mktexlsr
を実行。(i386-apple-darwin10.3.0の部分は、使っているMacに合わせて適当に読み替える。)
画像のEPSファイルを貼り込むといったことをするためには、追加でepsfigといったパッケージを追加しなければならない。科研費に限らずよく使うパッケージは、この方法でまとめて追加しておくと、新しい、TeXに移った時に楽に元の環境を復活させることができる(パッケージ本体が自分のホームにあるので、TeXのディレクトリを消して再インストールすることになっても、シンボリックリンクを張り直すだけで済むので)。