サンスイ守谷(1999/04/08)
【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。
アルカリイオン水製造装置の販売のページ。
このページをわたしの環境(MacOS8,Netscape Navigator4.04)で見ようとするといきなり文字化けした。文字コードをEUC-JPにするか、自動判別に設定するとちゃんと見える。しかし、装置の説明を見ようとすると、文字コードがEUC-JPのときはところどころ文字化けした。自動判別にするとちゃんと見えるようである。
さて、装置の説明を見ると、リストのトップが、
クラスターの小さな水
クラスター(水の分子集団)の小さい水ほど、健康に良い水といわれています。
ミネワンで生成された水は、物理的限界に近い6個です。
となっている。またしても「水のクラスター」が出てきた。クラスターの小さい水が体にいいなんて、一体誰が言い出したんだろう?こんな話はそろそろ都市伝説にでもなってもらいたいものだ。
液体の水のクラスターサイズを測定で決めた話は、私はきいたことがない。簡単に測れる方法があるなら私に教えて欲しい。液体では、水分子同志は互いに水素結合で結ばれて、3次元的にネットワークを組んでおり、熱揺らぎによって水素結合ができたり切れたりしつつ、水分子自身も動き回っていると考えられている。これは、分子動力学の計算で得られた描像である。温度が高くて、水素結合が出来てから壊れるまでの時間が短く、水分子が激しく動き回っている状態というのをかんがえることはできるが、だからといって水分子が数個でクラスターを組んでいるという話にはならない。水分子同志のつながりが切れやすいので、温度の低いときに比べてクラスターサイズが小さくなるだろう、という程度の話なら可能であるが、それでもクラスターをどう定義するかちゃんと考えないといけない。
ただし、(別ページですでに書いたように)水に水以外のものを混ぜると、水分子同志のつながりをじゃまするから、水分子だけが存在する領域が減ってきて、この意味で水のクラスターは小さくなる。アルコール、アセトンなどを水に混ぜていくときがこれにあたる。
「水のクラスター」の話がこういう状態なので、「クラスターの小さい水は体にいい」はおそらく実証されていないと思われる。もし、実証されたという話をご存知の方は、ぜひ詳しい情報を私に教えてください。
他の項目は、ごく普通の商品紹介である。ミネラルウォーターも作れる多機能な装置らしい。
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