毎日新聞の白畑教授へのインタビュー記事にクレーム(2003/08/18)
「活性水素」について,広く一般に誤解を振りまいている九州大学農学部の白畑教授へのインタビュー記事が,毎日新聞に掲載された(2003年7月29日)。
このことについて,当方の掲示板に出入りしている,と さんが,毎日新聞に質問を送り,毎日新聞からの返事を受け取った。新聞自体に影響力があることは疑いがないが,新聞の編集者がこの件については何も考えていないことがよくわかるので,ここに掲示板に投稿された内容を再録しておく。
[4489] 毎日新聞にメールを出してみました
と のコメント: 2003-08-05 20:01 :
[4410]の投稿に関連して毎日新聞にあててちょっと「オトナゲナイ」メールを出してみました。
以下原文(一部修正)
毎日新聞紙面担当者 様
はじめまして。私は毎日新聞を購読させていただいている と(原文では本名)と申します。
毎日新聞北海道版(11版)7月29日18面の記事について質問があります。
まず記事の責任についてですが、企画特集とあるので毎日新聞が責任をもつ記事であると判断致しましたが、それでよろしかったでしょうか。もしそうでは無いとしたら誤解を生みやすい表示であると思われるので善処をお願い致します。
次に記事の内容について質問があります。
何故、白畑教授の特集を組んだのですか。
科学に関するニュースではよく「〜に期待される」「〜の可能性がある」と、将来の可能性についてコメントされますが、白畑教授については一般の研究者とは事情が異なるところがありますが御存じでしたか。
白畑教授は株式会社日本トリムと共同研究を行っていましたが御存じですか。
株式会社日本トリムは浄水器を製造・販売していますが御存じですか。
その浄水器で作られた水は臨床試験を行っていないので効能効果を謳えない事を御存じですか。
水の舞普及会が白畑教授の研究を引用して株式会社日本トリムの浄水器を紹介していますが御存じですか(以下のサイトを参照)。
http://www.denkaisui.com/index23.html
もし水の舞普及会が株式会社日本トリムと同じ組織であれば明確に薬事法違反ですがその事は御存じでしたか(薬事法違反の表現については以下のサイトを参照)。
http://www.kenkou.metro.tokyo.jp/yakuji/kansi/cm/jirei.html
直接に効能効果を挙げず書籍等を紹介する薬事法の脱法行為を御存じですか。
過去の白畑教授の記事がそのような脱法行為に利用されている事を御存じですか(以下のサイトが一例)。
http://www.eonet.ne.jp/~kohki/book/mainichi_97_7_31.htm
http://www.eonet.ne.jp/~kohki/
これらの行為についての御社の社会的責任についてどのように御考えですか。
今回の記事もこのように悪用される可能性が容易に想像されますがそれについてはどのように御考えですか。
白畑教授の例は今の所特殊であり、また直接には「〜に期待される」「〜の可能性がある」という記事が悪い訳ではありません。効能効果を謳う上での企業として最低限の信義・誠実である臨床試験を行おうとしない企業が悪い事は確かです。しかし、やせ薬の事件を挙げるまでもなく、違法・脱法ドラッグが社会問題化し、広告の規制を強化する薬事法の改正が検討される中、今回の記事はあまりに無防備で稚拙ではないでしょうか。
記事の悪用を防ぐため形の見える返答と対策をお願いします。
追伸:なお御社からの御回答は御社の公式見解としてWeb上に公開する事があります。また返事をいただけなかった場合その旨公開する事があります。
以上引用終わり
相手が新聞社なので技術的な突っ込みはありません。7月30日の夜に出しましたが、まだ返事は頂けません(^^;
[4516] 毎日新聞から返事がきました
と のコメント: 2003-08-06 19:16 :
毎日新聞大阪本社の編集局部長委員より先日送ったメールの返事がきました。
手紙の本文は以下の通りです。
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企画特集 「夏の水と健康」について
いつも毎日新聞をご愛読戴き、ありがとうございます。
さて、先般、ご指摘のあった29日付け記事「夏の水と健康」についてのご質問、ご指摘について、ご報告申し上げます。
本記事は、夏が本格化する時期をとらえて、「水」と「健康」について特集した記事です。
九州大学白畑教授については、活性水素水の研究についての専門家として、雑誌等、マスコミで取り上げられており、今回、上記のテーマでインタビューを申込み、それを記事化したものです。
内容については、先生のインタビューをまとめたものです。
もとより、新聞記事についての社会的な影響力や責任は当社としても十分に認識しております。
この度のご指摘をうけとめ、より質の高い情報提供を心がけ、今後の紙面に
反映させていく所存ですので今後ともよろしくお願い申し上げます。
貴重なご意見を頂戴し、有難うございました。
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結局の所、裏をとる事も背景を調べる事もせず、大学教授でマスコミに出ているという事だけでフリーパスだった様です。マスコミが「権威」や「肩書」にあっさり惑わされてしまう良い例でしょう。
と さんの最後のコメントは,まったくもってその通りだと思う。