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資料:Gradual Decrease of Electric Resistivity....

Gradual Decrease of Electric Resistivity in Water Triggered by Milli-Gauss Low Frequency Pulsed Magnetic Field
文献を利用するときは必ず原典にあたること。ここに書いてある要約を一人歩きさせないように!
カテゴリ 論文
資料名

Gradual Decrease of Electric Resistivity in Water Triggered by Milli-Gauss Low Frequency Pulsed Magnetic Field
Kaneo Mohri, Masanori Fukushima and Mippo Matsumoto, Trans. Magn. Soc. Japan. 1 (2001) 22-26

要約

 イオン交換水に、340mGの定常磁場にパルス磁場を重ねて加えると、導電率が数時間のうちに20-30%減少し、数日後には40-50%減少した。対照実験として、同じ水を磁気シールドボックスに入れたものを使用した。

 磁気処理した水としない水を12時間後に混合し、混合した水の導電率を測定すると、磁気水の導電率と同じ傾きで導電率が減少することがわかった。

 導電率の温度依存性を測定すると、磁気水では5℃以上25℃以下で昇温過程と降温過程の導電率がほぼ同じであったが、磁気処理しない水では振る舞いがちがっていた。

 この磁気処理の効果は、元の水の温度が低い季節に顕著で、真夏にはそれほどはっきり出なかった。

コメント

 これから調べなければならないこととしては、例えば以下のようなものがある。
1)イオン交換水を使っているが、蒸留水か超純水に不純物を添加し、脱気するなどした場合にも同様の効果が観測されるのか?筆者らも書いているのですが、結果が季節によって変わるという状態で、元の水の温度に依存するということになってしまっている。
2)イオン交換水に含まれる不純物は何か?(オルガノの人に質問中です)
3)長時間の導電率測定で、導電率計のセンサー部分の表面状態が変わるようなことはないか?
4)この実験では、パルス磁場の強さはどの程度なのか?dcが340mGとは書いてあるが、加えたパルス磁場の強さと、磁場を印加した時間がわからない。triggeringと書いてあるが、ずっとかけっぱなしなのか、最初に何分かかけたのかが不明。
導電率の減少が何によって起きているのか分離できていない状態ではないかと思います。
これが第一報ということなんで、これからに期待しましょう。

 ディスカッションについては、この内容では物理・化学系の雑誌じゃ通らないと思います。仮説として書いている「クラスターが小さくなる->自由電子が出てくる->導電率が下がる」という論理ですが、私にはさっぱりわからない。
 分子線クラスターの実験で水素結合をぶち切ってる話はあるけれど、自由電子が出てきた話はきいたことがない。プロトン交換で自由電子が出るって話もきいたことがないし。かなり唐突に論が展開されていて、文献引用もされていないので、何を根拠にして自由電子やクラスターの話が出てきたのかが謎である。