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IP理論、三度 by ばかし さん(2002/12/25)

【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。

Source: 掲示板[2024]
Subject:IP理論、三度
From: ばかし

 

最初に断っておきますが、私は医者でもなんでもないので、電解還元水が体にいいとか悪いとかについて言及する気は更々ないです。

リバーストン関連のツリーは過去ログの底の方にあると思いますが、大した話は出ていなかったはずです。

そのときに私が紹介したのは以下のページです。

http://youshou.cside.com/jibun-igaku/jigaku-mokuji.htm

オフィシャルのページは昔はあった記憶があるのですが、今は私も探し出せませんでした。

さて、本題のIP理論ですが、これは電解すると水のイオン積が変化するというものです。もしこれが本当だとすると、おいそれとpHも測定できなくなるのでとっても困ります。実際の報文は以下のものです。

K. Hanaoka, J. Appl. Electrochem., 31, 1307 (2001).

このなかでは、「電解水のpH、および塩酸による中和滴定、により求めた水酸化物イオン濃度がそれぞれ異なる。従って、水のイオン積が変化している」と結論されています。しかし、中和滴定によって直接得られるのは酸、塩基の濃度だけです。水酸化ナトリウムの塩酸による滴定では、水酸化ナトリウムが完全解離するため、滴定値は水酸化物イオン濃度になりますが、この系ではおそらく弱酸の共役塩基である炭酸イオンの濃度で、決して水酸化物イオンの濃度ではありません。また炭酸塩のみの系であると仮定し、滴定値より水酸化物イオン濃度を算出することは、矛盾を生じるためできません。なぜなら、電解により水のイオン積が変化する(と主張している)わけですから、そのときの炭酸塩の酸解離定数も当然変化しているためです。

滴定による水酸化物イオン濃度の決定法に関するこれ以上の記述が無いため、Hanaoka氏が実際どうされたのかははっきりしません。そのため、追試ができない状況です。

何より一番問題なのはレフェリーがこういう記述を見逃したことでしょう。

 

 

Source: 掲示板[2050]
Subjectよく分からない記述が多いですよ
From: ばかし

 

RRさんの「水がおいしく感じられ、またお米がおいしく炊ける」といった主観的な評価を云々する気は全くありません。念のため。

紹介したwebページは、確かに量的には多いですが、内容は私には理解できないところが数多くあります。理解できない一番の理由はいくつかの専門用語の意味が一般的なものとは異なっているからではないかと思われます。例えば「平衡」とか。

http://youshou.cside.com/kangensui/m-syousai.htm
には、作り出せる水についての以下の記述があります。

> 電解機能水(電解還元水)
> 3拍子そろった総合力のある水と私たちが考えている水です
>
> 電気分解することではアルカリイオン水と同じですが
> pH以外に
>
> 〇溶存酸素
> (適度に少ないほうが良いと考えています)

別のページに「酸素結合した物質から酸素を引き抜く低溶存酸素濃度の水」という記述がありますが、酸素結合って何でしょう? 酸素が結合したという意味でしょうか。としても、いくら低溶存酸素条件下でも酸素を引き抜くような化学反応は起こらないでしょう。

> 〇酸化還元電位
> (ある程度低い値を示したほうが良いと考えています)

酸化還元電位は、単純にいうと溶けているもの(とその反応にプロトンもしくは水酸化物イオンが関与するならpH)により決まりますので、これを良い水の指標にすることは無意味です。一例を挙げるならば、猛毒である亜ヒ酸イオンの溶液も(酸化還元電位表によれば)負の電位を示すはずです。

一般的にアルカリイオン整水器で作った水が負の電位を示すのは、還元生成した水素が溶解しているためだと思われます。

> ○解離度が浄水の10倍
> (電解水の本質は解離性にあると考えています)

これは前回書き込んだIP理論ですね。前回も書きましたが、中和反応でどうやって水酸化物イオン濃度を導き出したのか、はっきりしていただかないと、到底納得できません。

> そして
> 〇電子の管理
> (電解水は物理の計算で電子活性量が1035倍です)

電子活性量って何なんでしょうか? 私には分かりません。

> リバーストンの電解水、特に還元側の水の主張
> 生体電池である私たちの身体の中で P(H+;プロトン)とe− (電子)が大活躍しているというのが私たちの考えです。

この記述は、別のページにある
> 「生物は生体電気を帯びており、生体電池そのものである」。
> (米 ハロルド・サクソン・バー博士ノーベル賞受賞生化学者)
を踏まえたものだと思います。生体電池って何でしょう? 原文ではどうなっているんでしょうか? 生体内での電気化学反応を総称しているとすれば、当然プロトン及び電子が関与した反応もあるでしょうが、それ以上にナトリウムチャンネルに代表されるような膜電位の方が大活躍していると思うんですが。

それ以前にプロトンと電子が大活躍だとなぜ電解水が良いのか、他のページも見てみましたが、よく分かりません。

ちなみに上記の博士は私が調べた限りノーベル賞はもらってなくて、「波動」で有名な方みたいです。