天文台でもか……
「はい、こちら国立天文台―星空の電話相談室」(長沢工著、新潮文庫)を買った。天文台の広報普及室に掛かってくる電話での質問について、やりとりの様子をまとめたものである。ところが、最後の方に、質問のされ方をきいていると、ものを科学的に考えようとする姿勢がみられないケースが増えているということが書いてあったり、星占いのために星座の配置を知りたいとか、UFOについて知りたいといった、むしろオカルトな質問が結構多いという記述だった。やってくる質問をきいて、理科教育の状況を著者は憂えている。
科学リテラシーの講義をやって、学生からの質問を見ると、一体どこで誰から「テレビのバラエティ番組の言ってることの信憑性が高い」ということをすり込まれたのか、責任者出てこい、と思ったりするわけだが、一般の方々の質問を受け付けている天文台でも同じ傾向であったかと思った次第。
ここからは旧ブログのコメントです。
by tune at 2005-09-18 18:01:18
Re:天文台でもか……
気象台でも同様でしょう、「地震雲だ」、「空の色が変だ」、「変なものが光っている」等々、日頃から何気なくでも空を見上げる習慣があれば、どれほど「変」であるかは感じ取れそうと思うのだが.そんな方々の観察力、表現能力の貧弱さには電話で応対しているとあきれるほどです.なかでも「東西南北」を基本的な所で理解してない人がかなりいるみたいなのがチョット怖いなあ.
by いいじま at 2005-09-37 08:59:37
Re:天文台でもか……
占いのほうを少し知っている人間として(私はある種の占いは非科学ではなくて未科学だと思っているので)一言。
この程度のことで天文台に問い合わせるようでは、占い師失格です。星の配置は自分で計算してそのデータを解析する、というのが占星術の鉄則です。さすがにいまどき手計算する人は少ないですが、すぐに計算結果を出してくれるパソコンソフトが安価に手に入ります。
しかも、「現在」と「対象人物の出生日時」だけでは不足で、その人の人生の要所要所での配置図を出して現実の人生と比較しないと意味が取れないこともあります。それをやらない手抜きの占星術は完全に「非科学」の領域に入ります。