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本日のメモ

Posted on 10月 28th, 2005 in 倉庫 by apj

 All about JAPANより。「あなたを襲うゾンビ PC の恐怖 PC はすでに死んでいる !?
ウイルスに乗っ取られてspam業者のお手伝いをしてしまうPCの話。Windows環境を対象にしているが、実は数日前、ちょっとやぱかったかも。お茶の水の方で立ててるatom11のpostfixのバージョンが古くて、件数は少ないが数日間踏み台にされてたっぽい。open relay checkはやってみて異常なしなのを何度か確認したが、毎日デーモンが送ってくるメッセージで、見知らぬアドレスに対して配送できなかったというアドレスが数件残っていた。同じセグメントのパソコンが何かに感染したのかと思ったが、どうもそうではなかったらしい。ただ、本気で踏み台にされると配送にしくじるメールが数件じゃ済まなくなるので、悪さをされていたとしても数は少なかっただろうと思う。とにかく怪しいので、すぐにpostfix abortして、最新版に入れ替えたら、その日から配送待たされてるというログが来なくなった。もちろん、向こうの管理者の冨永先生には報告済み。

 中西氏の雑感より。多比良和誠さんの論文に疑いがもたれている件についてだが、その多比良さんの書かれた内容が引用されている。そこからさらに引用。

実験担当者はほとんどの生データをコンピューター上に直接取り込み、整理された実験ノートとしては、記録を残しておりませんでした。そのため実験結果を裏付ける強い物的証拠を提出するには至らず

という部分がひっかかった。捏造疑惑云々はさておき、オンラインでデータ取り込みをやるようになるとこういう事も起こりうるわけで、どうやって記録を残すのがいいか、ということが問題になる。
 この件について、最適な参考書としては実験ノートの書き方・まとめ方 広川化学と生物実験ライン (28)があるが、残念なことに品切れなので、ぜひまた増刷してほしい。共通で使う機器のログノートとか、特許が絡んでくる場合のノートの管理とか、とにかく丁寧に解説されている。
 原著はWriting the Laboratory Notebook で、まだ入手できる。ただ、Amazon直で新品が手に入らないところを見ると、向こうでも品薄なのか。前期の化学英語Cのテキスト候補として自費で1冊買ったが、結局テキストにはしなかった。
 翻訳の方を知ったのは、軽部研に居たころだった。ちょうど、会社から来ていた社会人院生の人が、会社フォーマットのノートを作っていて、どう書いて記録を残すかというポイントを教えてくれた。そんなときに翻訳を買って、やっぱり同じようなことが書いてあるので、管理は大事だなあと思った次第。

 あと、バイオじゃ役立たないかもしれないが、波形解析で愛用してるIgorProは、装置に直接パソコンをつないでデータを取り込む機能も持っているが、Notebookというワープロみたいな機能もあって、データファイルとセットでデジタルでノートを書くことができる。それでも、HDDクラッシュすれば終わりなので、バックアップはしっかりしないと激しくやばいわけだが。


ここからは旧ブログのコメントです。


by naka64 at 2005-10-03 12:47:03
Re:本日のメモ

あり得るんですか…orz
HDDのバックアップはHDDに如かず、となって久しく。何とももどかしくはありますなあ。モバイル外付け、なんてモノもありますけどね。
部門共通ファイルサーバーだったらDATテープ(DDS)に走ることもあり得ますが、いかんせんドライブが高い。小規模だと手が出ません。
研究ノートの変容に対処することを逆に考えるとe-文書法準拠研究ノートの取り方、というのも出てきてもおかしくないのかも。
済みません、乱文失礼いたしました。


by apj at 2005-10-51 13:46:51
Re:本日のメモ

 私の場合は、モバイル外付けで、自宅ノートパソコンとモバイル外付けと職場の3カ所にバックアップしてます。実験データは、フロッピーに落としてきてMacに転送、バックアップですね。
e-文書法準拠研究ノートてのも有りだと思うのですが、何かスケッチをしたりといった、形に拘らずに書くにはやはり紙メディアが優れています。落書きみたいな説明図を書いたりすには、e-方式だとペンタブレットが必須になって、画像で処理するから妙にファイルがでかくなりそうですね。
 あと、何を使って書くかも研究グループによって違っていることがわかりました。私は「耐水性インクで書け、間違ったら斜線引いて続きをかけ、消しゴムは使うな」と言ってるんですが、合成化学の研究室では「インクは有機溶媒に触れると滲んで見えなくなるからノートは鉛筆書きにせよ」が基本だそうで。本当に所変われば流儀が変わりますね。
 結局、データは完全時系列で保存、測定条件などはノートにファイル名と共に記載。処理が後になるときは、IgorProでグラフを描いたりパラメータの表を出したりしたあと、必ず印刷して紙のノートに貼り付けるという方法でやってます。余白にいろいろ書き込む。一瞥するには紙ノートが便利ですね。計算プログラム実物とかは当然電子ファイルですが、いちいちファイルを開けないと確認できないので、あちこち見ながら考えるというのいはまだやっぱり向かない気がします。