ある意味贅沢なDVD
最近入手して感激したのが、OVAの「マジンカイザー」の5巻である(ただし、感激のポイントは世代を選ぶかもしれない)。ストーリーは、悪役のあしゅら男爵(柴田秀勝・北浜晴子)が、正義側のヘッド弓教授に変装して、爆薬を仕掛けるために正義側の基地である光子力研究所に潜入するが、当日が弓教授の誕生パーティーだったため、トンデモなプレゼントを渡されどたばた騒ぎに巻き込まれる、というお笑い系の話である。本物の弓教授の方は、視聴者の期待を裏切らず、しっかり悪役に襲われて逃げ回っていて、最後の方で登場する。
この巻では、弓教授を演じておられる八奈見乗児氏の仕事がすばらしい。八奈見氏は、元々のマジンガーZでも弓博士役を演じておられたが、同じ頃に放映された「ヤッターマン」の悪役ボヤッキーも演じておられた、で、このOVAでは、弓教授(本物)はいわゆる「正義側の博士声」、弓教授(あしゅら変装)は「ボヤッキー声」で演じておられる。この切り替えが実に上手い。潜入中だから、本物っぽく振る舞わなければいけないシーンでは本物っぽい(つかそもそも本物を演じてるわけだが)な声、それが何となくぼろを出すに従ってボヤッキー声になる。1枚のDVDで、八奈見氏の「博士声」と「ボヤッキー声」の両方を聴けるとは思わなかったのでちょっと感激した。なお、最後の方のシーンで、自爆……じゃなくて起爆ボタンが登場するので、いつボヤッキー声で「ポチッとな」が出るかと、思わず期待したのだが、さすがにそこまで別作品をネタにはしていなかった。
まあ、私の世代で両作品ともリアルタイムだったという人には、お薦めの1枚である。
ここからは旧ブログのコメントです。
by Dr.Spock at 2005-12-45 07:59:45
Re:ある意味贅沢なDVD
いつも拝読しております。
マジンガーZが1972~1974年(http://member.toei-anim.co.jp/lineup/tv/mazingerz/)、タイムボカンが1975年~1976年(グロッキーが八奈見乗児氏)なので、同じ頃かもしれないけど、重なってはいないですね(因みに、ヤッターマンは1977~1979年)
タイムボカンは、グレートマジンガーの後半~グレンダイザーと同時期になるんではないでしょうか。で、ヤッターマンがダンガードA とスタージンガー(どっちも松本アニメ(?)ですが)。
by apj at 2005-12-57 09:28:57
Re:ある意味贅沢なDVD
正確な年代を調べるのをさぼったために「同じ頃」とぼかして書きました。年代情報の書き込みありがとうございます。>Dr.Spockさん
それにしても、やはり八奈見乗児氏の声は楽しめます。あの頃(70年代)の作品DVDで聞き比べるとしたら、
1)弓教授(マジンガーZ)若干高め
2)宇門博士(グレンダイザー)若干低め
3)ベガ大王(グレンダイザー)悪役ボス用ダミ声
4)グロッキー(タイムボカン)やや間延びした頼りない感じ
5)ボヤッキー(ヤッターマン)同上
6)車弁慶(ゲッターロボG)やや低め、茫洋とした感じ
あたりでしょうか。声の高さとしゃべり方(速度やアクセントの置き方)の違いで全く印象が変わってきますね。プロは凄いや^^;)。
by About at 2005-12-44 22:23:44
Re:ある意味贅沢なDVD
八奈見氏といえば、判宙太(巨人の星)をお忘れなく。これとグロッキーとの振れ幅の間に、ほとんどのキャラが収まりますです。
by apj at 2005-12-12 23:22:12
Re:ある意味贅沢なDVD
>判宙太(巨人の星)
おぉ、情報ありがとうございます。ぜひ聴いてみなくては。
by Dr.Spock at 2005-12-49 19:16:49
Re:ある意味贅沢なDVD
個人的にマジンガーZが小学校低学年、タイムボカンシリーズは小学校高学年~高校生のイメージなので、時代が違うように感じてしまうようです。
さて、八奈見さんもそうですが、あの時代の声優さん(特に男)は振れ幅が広い方が多いですよね。(皆さんもちろん今でも現役でいらっしゃいますが)永井一郎さん、神谷明さん、広川太一郎さん(声優でいいのか?)も振れ幅が広いと思います。(二枚目でも三枚目でも可能な方々というのは凄いです)