さて、ポテンシャルをどう教えるか……
学生実験が18時頃に終わって、そのあと明日の講義の用意をしていたら日が変わって1時回ってしまった。高校物理をやってないウチの学科の1年生に物理を教えるわけだが……。指導要領の制約がない&高校物理の公式暗記型は見通しが悪くてやってられない、ということで、駿台文庫の物理入門など見ながら、最初から微積分使いまくりで導入することにした。
位置、速度、加速度が時間微分で導けるというのと、運動方程式と作用・反作用の法則をやって、力積と運動量の変化、運動エネルギーと仕事まで、可能な限り3次元(ベクトル表記)でまとめた。前半で微積分も微分方程式もやってあるので、復習することにもなる。
何とか明日の分はまとめたが、次回やるはずのポテンシャルの話をどう持っていくとすっきりするか思案中。仕事を先に定義したから、保存力を説明してポテンシャルの話につなげばいいのか……。「理工系物理学」など引っ張り出して眺めてみたり(でもこの本、アマゾンでも表紙や著者の氏名が登録されていない。著者は鐸木康孝氏だと思うんだけど、手元の本にはISBNが振ってないorz。見通しよく書かれているけど、最初に独学で読んで味わえるかというとちょっと疑問だ)。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 数枝 正 at 2006-06-17 15:08:17
Re:さて、ポテンシャルをどう教えるか……
最近の高校数学の教科書で、「位置、速度、加速度が時間微分で導ける」という部分を扱っているそうです。
私の同僚の物理の教員がこの事実にびっくりしておりました。
by たざき at 2006-06-30 20:03:30
Re:さて、ポテンシャルをどう教えるか……
数学を多少勉強している場合でも、(一変数)積分のイメージはすごく貧困です。まず原始関数や不定積分しか頭に浮かばず、定積分のイメージはほとんどない。そうなると、線積分の理解は非常に困難、というより、一年くらいかけないかぎりは不可能。
というわけで、ぼくが昔一年生に力学を教えていたときは、ポテンシャルを話すときに積分はまったく持ちださなかった。こういう関数を微分するとこういう力が出るぞ、この力を出したければこのポテンシャルで出る、という風に微分の側だけ使いました。
だいたい基本的なポテンシャルの形など限られているし、そういう順番でやってもまったく困らない。理屈としてごまかしがあるかというと、そんなことは全くありません。なぜか歴史的に、まず力でそれを積分しようというのが定着しているだけだと思います。
by tkd at 2006-06-20 05:32:20
Re:さて、ポテンシャルをどう教えるか……
確かに、量子力学では力は表に出てきませんよね。
ところで、面積を積分で計算することは、教科書や試験の問題で散々やらされているので、積分=面積という感覚はあるのではないかと思うのですが。