日本ロボット戦争記
「日本ロボット戦争記」井上晴樹著、NTT出版を購入したのだが、あとがきに「ロボット症人間」のリストが引用されている。原典は、アメリカの社会学者ルイス・ヤブロンスキーが1972年に刊行した「ロボット症人間」。
・振る舞いが規則に沿い、儀式張っていること。
・過去への回帰志向が強いこと。
・画一的であり、画一化を美徳としていること。
・周囲に過度に同調的で自己の考えはなく、規定や規則に従って意思決定をし行為をなしていること。
・人間としての心情や人間らしい価値観を持っていないこと。
・他者に対して常に敵意を持っていること。
・行動が同調行動への追随でしかなく、非常に独善性が強いこと。
・外部で定められた規則に隷属しているため、自我に自己規律が欠けて常に疎外感を持っていること。
戦前、戦時下の日本人の行動様式がよく当てはまるというのが著者(井上氏)の指摘である。
同じ著者による「日本ロボット創世記」は買い損ねたんで、注文しようかと思ったらamazonではプレミア価格で販売されていたorz。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 石田剛 at 2007-10-46 14:06:46
Re:日本ロボット戦争記
> 戦前、戦時下の日本人の行動様式がよく当てはまるというのが
> 著者(井上氏)の指摘である。
「よく当てはまる」ってのは、「当てはまり方に個人差はあるし、当てはまらない人だって居た」と読み取るべきなんですよね。
「戦前、戦時下の日本人」も一様だったのではないので、こうじゃない人もたくさんいたし、こういう傾向の強さに個人差はあったはずです。これを言わなくてもわかる大人向けに書いているか、そのことが明記されてるかしてれば良いんですが、たまに「戦前、戦時下の日本人」がまったく一様だったと誤解する方も居て、ちょっと気になりました。
あと、現在の日本の社会でも、これらの行動様式のいくつかが当てはまりそうな方は、石田はときどき見かけます。特に目に付いてて、さらにイヤーな気分になるのは「過去への回帰志向が強い」と「周囲に過度に同調的」の辺りですね。
> 「日本ロボット創世記」は買い損ねた
http://catalog.library.metro.tokyo.jp/
日比谷図書館に行けばあるようです。貸し出しもしてるようです。
by 大将(v) at 2007-10-11 21:51:11
Re:日本ロボット戦争記
おおぅ、apjさんがスパロボ大戦について何か書いてるのかと思って見に来たのは秘密。
by apj at 2007-10-38 00:31:38
Re:日本ロボット戦争記
石田剛さん、
タイプミスをなおしました。
単純にあてはまる、あてはまらない、というのではなく、リストが作られた時代を考えると、「もっと人型のロボットが未来には普及しているだろう」と考えられていたんじゃないかと。
現実にはロボットは生活のあちこちに入り込んだけど、人型は普及しなかったし、コンピュータやインターネットが出てきた。
リストが考えられた頃の未来想像図と実現したの身の回りの技術が、おそらくだいぶ違うわけで、今なら何というだろうな、と思ったりしつつ引用してみたのでした。
by 石田剛 at 2007-10-35 03:04:35
Re:日本ロボット戦争記
> 今なら何というだろうな、と思ったりしつつ
確かに、今ならこのような症状を「ロボット症」とは言わないかもしれませんね。石田なら「有限状態機械症」とでも呼ぶでしょうか。
あと、もしかしたら石田が apjさん を『「戦前、戦時下の日本人」がまったく一様だったと誤解する方』だと思ったように、読み取られてしまったかもしれません。そうでしたらすいません。そんなことは、石田はこれっぽっちも思ってないですよ。
ロボットは社会に浸透しつつあるようですが、どうも人型ってのは当分先のようですね。もっとも、石田はあんまり人型萌えはしてないです。
以下余談です。
石田が萌える機械は、すごく合理的なちょっとした工夫がしてある機械ですね。15年くらい前に見た、 JR の座席指定装置「マルス」の端末は、すごく萌えました。入力装置が駅名を書いた板になってて、この板を本のページのようにめくることで、多数の駅を選択できる仕掛けになってました。この機械は今はもう引退して、タッチパネル画面にとって代わられたはずです。
by apj at 2007-10-03 08:45:03
Re:日本ロボット戦争記
大将(v)さん、
いやその、スパロボやらないわけじゃないけど、さすがにココで話題にするのは^^;)。
石田剛さん、
人間のはずなのにフレーム問題がちっとも解決してないとか。
by 石田剛 at 2007-10-38 14:08:38
Re:日本ロボット戦争記
> 人間のはずなのにフレーム問題がちっとも解決してないとか。
あー。ちょうどそういうケースを最近良く見かけますね。apjさん や きくちさん のサイトには、そういう方をひきつけるナゾのエネルギーがあるような気すらしてきます。
apjさん, きくちさん, poohさん のご尽力には、ただただ頭が下がる思いがするだけです。残念ながら石田には、皆さんのように誠実かつ無駄無く応答できる自信がありません。石田が同じことすると、下手を打って相手に付け込まれるリスクも高いし。
けど、社会全体のリテラシが十分に高くなれば、無益な発言に「その発言がどうダメか」を指摘する手間が省けるようになるかもしれませんね。けど、現状はまだそういう状況ではないようで、良心的な論者ほど、無益な発言に対処しなくてはならなくなってる気がしてます。
by きくぞう@造園屋 at 2007-10-54 01:08:54
Re:日本ロボット戦争記
公務員ではないのに、公共施設の運営管理を行っていると、公務員以上に規則に縛られた考え方をせざるを得ません。
なぜって、公務員ではないから。
また一般のモラル低下が速すぎて、ついて行けないのも一つあるかと。
by apj at 2007-10-28 10:39:28
Re:日本ロボット戦争記
きくぞう@造園屋さん、
もちろん、人間の個性というか人格そのものが、列挙したものみたいになるとちょっとアレだというだけであって、限られた範囲で物事を運営する場合にそうせざるを得ない、というのはまた別の話だと思いますよ。
規則通りにしないと混乱の方が増えて、制度の運用ができなくなってしまうでしょうし。