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カルトと水

Posted on 10月 15th, 2007 in 未分類 by apj

 Yahoo経由産経新聞の記事より。

宗教法人「紀元会」幹部ら集団暴行に関与か 長野県警が捜索
10月15日9時40分配信 産経新聞

 長野県小諸市荒町のすし店経営、奥野元子さん=当時(63)=がで先月25日、同市の宗教法人「紀元会」の信者に集団で暴行され、死亡した疑いが強まったとして、長野県警は15日朝、傷害致死の疑いで、紀元会の本部などの家宅捜索を開始した。幹部や信者の女性らから事情を聴いており、容疑が固まり次第逮捕する方針。
 奥野さんの死亡当日、夫ら家族4人が犯行を認めて逮捕されているが、その後の捜査で、紀元会の宗教施設内で多数の信者が奥野さんを踏みつけるなどの暴行を加えた疑いが強まった。現場には当時、信者ら数十人がいたとみられ、幹部の指示のもとで行われた集団暴行だったとみて、県警は全容解明を進める。
 事件は先月25日未明に発生。奥野さんが顔面や両腕、両足などに殴るけるの暴行を受け、傷害の疑いで、夫のすし店従業員、奥野和宏容疑者(35)と長女、二女、二女の夫の計4人が同日逮捕されていた。
 紀元会は昭和45年に設立された神道系の宗教団体。「紀元水」という水を飲むと不治の病が治るなどと宣伝していた。

 「霊験あらたかな水」というだけならニセ科学のカテゴリーには入らないが、「水で何かが治る」話とカルトは親和性が高いようで……。そういえばホームオブハートも水を売ってたな。

【追記】
毎日新聞の記事より。

長野・小諸の信者集団暴行:「神様の水」うたう 治癒名目に信者集める

 ◇暴行現場隠ぺいか

 長野県小諸市で15日朝に始まった宗教法人「紀元会」の家宅捜索。本部施設で会合中に同居の家族を含む複数の信者から暴行を受け、奥野元子さん(63)が死亡した疑いが持たれている。教団は“神様の水”による治癒をうたい文句に信者を集めていたというが、県警は傷害致死容疑で教団関係者を逮捕する方針だ。家族による暴行現場の隠ぺい工作の疑いも浮上しており、捜査の行方が注目される。

 関係者によると、教団は群馬県富岡市から運んだとされる水を「紀元水」と称し「不治の病を治す」というふれこみで信者に配り、数万円単位でお布施を募っていた。

 教団本部近くの60代の主婦は「知り合いの信者ががんだったが、病院に行ってはいけない決まりがあるらしく、末期になるまで(教団の配る)水を飲まされたと聞いている」と証言。別の主婦は「施設裏の工場に給水車がやってきて、茶色や白のビンが運び出されているのを見かけた。いつかこういう事件が起こるのではないかと心配していた」と話していた。

 奥野さんも家族ぐるみで信者だった。近所の自営業の男性は奥野さんについて「関西方面から来た人で、教団幹部が連れてきたとも聞いた。しかし、近所づきあいがほとんどなく、よく分からない」と話していた。

 奥野さんは9月25日未明、病院で死亡が確認された。傷害容疑(その後、傷害致死容疑に切り替え)で逮捕された家族は「自宅で暴行した」と話し、家に争った跡もあったが、県警は教団内での事件だったとみており、教団との関係を隠すための偽装だった可能性もあるとみている。

 家宅捜索は午前6時過ぎに開始。車両が到着して捜査員約120人が施設内に入り、敷地外で信者らしき人たちが不安そうに様子を見守った。一方、小諸署には任意同行を求められた教団関係者たちがマイクロバスで到着。うつむき加減で捜査員に署内に入るよう促されていた。

 水で治るといってがん患者を集め、末期になるまで必要な医療も受けさせず、たまに、病死ではなく暴行で殺される、と。救いどころか被害しかもたらしてないがな。


ここからは旧ブログのコメントです。


by 温泉カワセミ at 2007-10-53 06:22:53
Re:カルトと水

apjさん、

このニュース見たとき、『はて、ドコかで聞いたような?』と思い、『紀元水』で検索して思い出しました。[:電球:]
コレって何ヶ月か前に、ここのBlogにしつこくトラバを送ってきてたヤツですね。

http://www.kigensui.com/

ワタシは『数百万年~数千万年の古生代』ってトコだけで、笑てしもたのを覚えてます。エラい新しい『古生代』やなぁ(笑)


by apj at 2007-10-06 07:12:06
Re:カルトと水

 あっちの掲示板wに出た情報だと、商標登録している「紀元水」(トラバ送りつけたヤツ)と、宗教団体が勝手に配っていた紀元水の2種類があって、商標登録している方に質問が殺到して巻き添え喰らってる様子ですが……。


by 温泉カワセミ at 2007-10-32 08:00:32
Re:カルトと水

apjさん、

あはははは

巻き添え食らってたとしても、全然同情の余地無いですねぇ。
何と言っても、薬事法違反は間違いなさそうですからねぇ。


by JosephYoiko at 2007-10-03 08:47:03
Re:カルトと水

不治の病は治るのに、集団リンチに荷担する衝動は抑えられないってのは、随分素晴らしい水ですね。

酒飲んで酔っ払ったってそこまで馬鹿にはならんぞw


by nomad at 2007-10-23 09:27:23
Re:カルトと水

もう、水商売全員タイホでいいじゃなーいww


by apj at 2007-10-03 09:31:03
Re:カルトと水

 それがもっとエー加減な状態っぽい。
宗教の紀元水らしき商標登録@信州小諸は1978年。
健康飲料の紀元水@吸収の登録は見当たらず、会社設立が2005年。
えーと……^^;)。
 


by apj at 2007-10-21 10:03:21
Re:カルトと水

 酔うぞさんも既に指摘しているけど、
 親族が他人の暴行で殺されても、宗教団体の方を庇うために家族みんなで口裏合わせて隠蔽工作する
というあたりが末期的だなぁ、と。
 刑法ですら、犯人蔵匿及び証拠隠滅については、犯人の親族が行った場合は刑の免除を可能にして、肉親の情の部分に一定の理解を示しているというのに。


by 酔うぞ at 2007-10-55 23:53:55
Re:カルトと水

apj さん、皆さん

    親族が他人の暴行で殺されても、
    宗教団体の方を庇うために家族みんなで口裏合わせて
    隠蔽工作するというあたりが末期的だなぁ、と。

この点は、カルト問題では共通項ですよ。

紀元会は「一家で入信」が条件だったそうですが、ヤマギシ会も一家で移住ですよね。
エホバの証人(ものみの塔)も他の宗教儀式(とされる)ものに参加すると罰せられるので、子どもがクリスマスの行事に参加できないといったことで、ますます「一家で入信」状態になります。

家庭や家族よりも宗教が大事というのが「出家」に表れるわけで、集団合宿生活になってしまうのが、オウム真理教やわたしが今裁判で応援しているホームオブハートなどに表れています。

親が、信仰にのめり込んで家庭崩壊するのであれば子どもにとっては不幸な事でしょうが「カルト宗教の二世問題」というのが世界的に大問題になっています。

判決が出ていますが、ヤマギシ会の「全財産をヤマギシ会に寄進する」という契約が違法無効となったことの背景に関わってきます。

一言でいえば、親(の世代)にお金があるから入信できるわけです。子どもも信仰生活の中に巻き込まれしまうと、一般社会でやっていく常識が身につかないまま大人になってしまう。
ところが「金の切れ目が縁の切れ目」で働けなくなって(収入が無くなった)親の世代を宗教団体は「一家丸ごと放り出す」のようなことになるわけです。

別に、放り出されなくても子どもの世代で親から独立しようとすると、周囲のつき合いのあった人たちがすべてそっぽを向く。
なにしろ、信仰関係のつき合いしかないのが「裏切り者」扱いになるから、その瞬間から「生きていくのが困難」になってしまいます。

さらに学校もロクロク行っていないから生活力が根本的に無い。異なる価値観で出来ているのが社会だと知らない。こういう人たちが出てくることが「二世問題」で、そういう辛い目に遭わないために組織にしがみつくという構造になります。

確かに、殺してしまってそれを自分たちでやったと供述することの異常さには驚きますが、親が子どもと話すらしない、などといったところも十分に異常なわけで、もっと広く見て早期に「それは異常だ」と指摘することは必要だと思いますよ。