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労働契約法案

Posted on 11月 27th, 2007 in 倉庫 by apj

珍しくソースがしんぶん赤旗

。2007年11月21日(水)「しんぶん赤旗」

労働契約法案 撤回せよ

参院委で小池議員 就業規則で労働条件改悪

 日本共産党の小池晃参院議員は二十日の厚生労働委員会で、雇用のルールを定める労働契約法案について質問し、使用者が就業規則の変更によって一方的に労働条件を改悪できるものだと追及しました。

 労働契約法案では、使用者と労働者が合意して結ぶべき雇用契約にもかかわらず、労働者の合意がなくても、変更の程度などから合理的であれば就業規則によって変更できるとしています。

 厚労省側が「労使の合意が原則」としていることについて小池氏は、労働政策研究・研修機構の調査で、七割の企業が就業規則で労働条件を変更しており、このうち二割は労組との協議も行われておらず、就業規則を見ることもできない職場も多いとのべ、「合意といっても絵に描いたもちになる」と指摘しました。

 就業規則の変更だけで期限の定めのない雇用契約から有期雇用への変更が認められるのかと小池氏が質問したのに対して青木豊労働基準局長は「そのような場合は合理的と判断するのは難しい」と答えました。

 小池氏は、労働条件の不利益変更をめぐって争われている東武スポーツ事件を例にあげて質問。同事件では、ゴルフ場のキャディー業務に就く労働者に「給料が下がらないから」といって雇用契約を有期契約に変更させる契約に同意させ、大幅に賃下げしました。裁判で東武側は、合意がなくても経営上の理由性があれば有期雇用への変更と賃金ダウンは有効だと主張しています。

 小池氏は「これが使用者側の理解だ。就業規則による変更の立法化は、使用者の横暴をますますはびこらせる。これで労働者保護がすすむのか」とただしました。

 舛添要一厚労相は「法制化で企業の社会的責任を周知させ、合理的行動を求める意義がある」と正当化したのに対して小池氏は、労働者保護に反する法案は撤回すべきだと強調しました。

 むしろ労働争議が増えまくりそうな予感が。「変更の程度などから合理的」の内容を確定させるには、紛争して裁判所でおよその相場を決めるしかないわけで。


ここからは旧ブログのコメントです。


by あらきけいすけ at 2007-11-53 13:05:53
Re:労働契約法案

こんにちは。「労働契約法案」でググると結構な数の資料がでてきますね。
結局、就業規則の変更がなされたときに「変更の合理性」を審査するシステムが裁判しかないし、法案の条文もこれまでの判例での判断基準をそのまま書いてあるだけなので、何のための立法なんだろう、裁判しなきゃいけないし、争点となる部分はいままでと一緒じゃんというのが正直な感想です。
また「労働契約」法案という割には「就業規則」のことばっかりというツッコミもあろうかと。


by 技術開発者 at 2007-11-05 18:00:05
Re:労働契約法案

こんにちは、皆さん。以前にapjさんと少し議論した事でもあるのだけど・・・。

なんていうか、一つずつの法律の問題と言うより、大きな社会の流れとして見るべきだろうと思うわけです。労働組合が政治的な問題にクビを突っ込むことを嫌う風潮。労働組合そのものを「どうせ面倒なだけだ」と潰れたり御用組合化するにまかせる風潮が、単に歴史を巻き戻させているだけのように見えるのです。

apjさんと議論した時に、「参政権を持たない労働者が最初にやったことは『機械打ち壊し』という暴動であり、それに対して参政権の有る使用者が執った手段は首謀者を死刑とするという『団結禁止法』の制定であった」なんて歴史を語ってしまったわけですが、実際、その様な歴史を経て労働運動は参政権の要求である「チャーチスト運動」となり、議会に労働者の代表を送り込んで労働者を守るための法をつくるという歴史を経てきている訳ですね。

今、日本の労働者は過去の労働者がそうやって勝ち取ってきた「政治に参加することで自らの身を守る」ということを自らの意志で「いらない」と捨てようとしている訳ですから、当然の事として、歴史は巻き戻されるのだろうと思います。現実に今の国会議員の中に「労働者が自らの身を守るために送り込んだ議員」がどれほどいるかを数えてごらんになると良いです。つまり、今の労働者は「過酷な長時間低賃金労働にあえぎながらも、なんら法律に守られたりしない時代」にもどることを「自らの意志で選択している」のですから、ご要望に添った法律ができるだけのことです。


by clausemitz at 2007-11-40 22:03:40
Re:労働契約法案

本当に「自らの意思」なのか私は疑問に思ってますが
「誘導」されているというのは感じますね。
古来より敵をつぶす手法の1つとして敵を分裂させて
バラバラになったところを各個撃破するのは、よく使います。


by オキナタケ at 2007-11-19 07:31:19
Re:労働契約法案

労働運動からマルクス主義という基礎がほとんど取れてしまったのはまあいいと思うのですが、その次の基盤を作るのに失敗したままでいるのが今の状況かと。例えばバブルの頃に労働条件の改善や、労働者の経営参加といった方向性がちっとも追求されず、賃金の増加のみに満足していたから、いったん景気が悪くなるとなし崩しで追い込まれてしまった感が。
まあさすがに経営層の方が大局を見る目が少しは優っていたということですかね。