レポートに縛りを入れてみた
共通教育の科学リテラシー(化学A)のレポート。いつもは、自由課題に近い形で「身の回りの科学っぽい間違いを1つ見つけて、何がおかしいか議論せよ」のような出題をしているのだが、やってほしいことを箇条書きにして課題として出してもなかなか「何をすべきか」が伝わらず、書き方がまずいレポートが出てきていた。そこで、今回はちょっと工夫して、型にはめる方向で出してみた。
まず、テキストに指定した「食卓の安全学」の2章と3章を、節ごとに要約したものを作る課題を出し、次に、「身の回りの科学っぽい間違いを1つ見つけて、「食卓の安全学」で示された判断基準をあてはめて判定せよ」とした。さらに、レポート製作例をプリントで配布した。ここまでやると、何を書けばいいかがきちんと伝わったらしく、指示したことができているレポートの割合が一気に増えて、平均点も上がった。
それでも、本を要約する場所が全く違う(課題の説明聞いとったんかい!)とか、間違いの例をレポートに添付したはいいが議論するのを忘れているとか(課題が半分しかできてないんじゃ単位は出せないわな)という人がわずかながら居たりするんだけど。
ここからは旧ブログのコメントです。
by 杉山真大 at 2008-02-21 03:00:21
Re:レポートに縛りを入れてみた
そう言えば、読売新聞だか何かで、最近の学生は「ゆとり教育」で作文能力は向上したけど、逆に問題の要旨を読み取れないで「登場人物の気持ちを述べよ」って問題で「自分だったらこうする」って見当違いの答えをする受験生もいるみたいなんですよね。
日本語の美しさとか自らの表現とか言うのとは別に、道具として日本語を使う能力ってのがマスターされていないって気がしますし、教育現場もその周辺にいる方々もその辺りを理解できていないって気がしますね。ちょうど「理系離れ」を防いで理数重視にしても、ニセ科学に騙されてしまうってのと同じ様に・・・・・