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逆だった(?)わけだが……

Posted on 3月 13th, 2008 in 未分類 by apj

 YOMIURI ONLINEの記事より。

横浜市大の論文審査、教授ら十数人にも院生から現金

 横浜市立大医学部(横浜市金沢区)の嶋田紘(ひろし)医学部長(64)の研究室で、学位取得の謝礼として現金の授受が行われていた問題で、嶋田学部長のほかに教授ら十数人が大学院生らから現金を受け取っていたことが12日、関係者の話で分かった

 同大の調査検討委員会も同様の事実を把握し、医学部全教員を対象に調べている。文部科学省は同日、事実関係の調査・報告を速やかに行い、再発防止策を講じるよう同大を指導した。

 関係者によると、学位取得を巡る現金の授受は嶋田学部長が消化器病態外科(第2外科)の教授になった1992年ごろから始まったとみられているが、2000年から05年ごろにかけて、少なくとも研究室の大学院生らの論文審査で主査や副査を務めた教授ら十数人が、現金を受け取っていた。額は10万円のケースが多く、一部だけを受け取るケースもあったという。

 横浜市大は05年に、理事長名で贈答の授受や饗応(きょうおう)接待を受けることを禁じる通知を教職員に出している。嶋田学部長はその後も謝礼の受け取りを続けていた。嶋田学部長は「謝礼を受け取り、預かったが、研究報告会や学位取得の記念品などのために、医局で積み立てて使い、個人として受け取っていない。しかし、金品の授受は誤解を受けるものと考え、医局長と相談の上、返還している」とのコメントを出した。

 一方、文科省はこの日、横浜市大の事務局長を呼んで指導するとともに事態の説明を求めた。同省大学振興課は「現金のやりとりは論外。なぜこのようなことが起き、どう立て直すのか、しっかり対応してほしい」と話している。
(2008年3月13日03時00分 読売新聞)

 医学臨床系の特殊事情だろうか。理学系、特に物理では、博士号を得るのに、教授に謝礼を渡すというのは聞いたことがない。
 私が最初の学位を得た時は、審査にパスした後で主査の先生が、研究室主催のお花見&食事会に誘って下さり、その研究室で無事学位を取った人に交じってお祝いをしてもらった。
 論文博士の審査に通った時は、審査の後、世話人になってくれた教授夫妻(=お茶大の冨永教授)が「お祝い」だといって大学前のレストランでお昼をごちそうしてくださった。
 もちろん、正規の授業料や大学の事務を通して納める審査料以外のものは支払っていない。
 両方とも、どっちかというと、記事とは話が逆なんですが……。


ここからは旧ブログのコメントです。


by modoki at 2008-03-19 02:52:19
Re:逆だった(?)わけだが……

はじめまして。
僕の場合は医学(基礎系)でしたが、週刊誌で某大医学部の謝礼の話を見て、先輩にそれとなく聞いてみたことがありました。「そんなのあるわけないよ」と言われて、安心したのを覚えています。もちろん追加費用は一切無し。
毎年最終審査の後は、教授のポケットマネーで有名な寿司屋から出前を取って教室みんなでお祝いしてました。 


by apj at 2008-03-50 06:40:50
Re:逆だった(?)わけだが……

modokiさん、はじめまして。

 あ、でも審査を受ける工学系の人たちのうち、何人かは弁当の手配をするはめになっていたような……。
 東大の工学系だと、審査しなければならない博士論文の数がやたらと多く、さらに年度末のいろんな会議や入試業務で教員が拘束されている状態で審査委員全員集合、とやるもんだから、昼休みの時間まで審査をしないとどうしても終わらないんですよ。で、食事の時間無しで教員を働かせて審査というのもあんまりだということで、お昼休みの審査が当たった院生は予め仕出し弁当を3人分だか5人分だか注文し、研究室の後輩に頼んで、審査をしている部屋まで持ってきてもらっていました。代金をどうしてたかまではよく知りません。

 私の場合ですが……審査の会場に行ってみたら、主査の先生の趣味(?)で、イチゴショートケーキとコーヒーが人数分用意されていました。私の分もあったのですが、発表しないといけないので食べている余裕はありませんでした。審査委員の先生方は食べながら発表を聴いていました。質疑応答まで終わったら、「これから審議するからそれ食べて待ってて」と言われたので、コーヒーとケーキを持って部屋を出ました。別室で食べていたら、「一応合格だが、副査の先生の指導に従って必要な修正ををするように」と言われてほっとしたのを覚えています。
 この話をしたら、工学系の人から「医学系はハイソだなぁ」と言われてみたり(謎。


by 氷山の一角 at 2008-03-40 03:02:40
Re:逆だった(?)わけだが……

横浜市大だけが大きく取り上げられていますが、 さる有名私大では、主査と審査員に多額の審査謝礼を渡すのが「常識」でした。
莫大な助成金が国庫から流れている以上、私大教員も公務員なみの規律を課し、文科省は私大もすべて、調査・指導すべきです。


by 某国立大学化学科出身 at 2008-03-40 07:04:40
Re:逆だった(?)わけだが……

修士論文発表の後は、研究室メンバーにご馳走する習わしでした。
趣旨は、当時、図の作成は手書きとか切り貼りとか手間作業を
手伝ってくれたメンバーへのお礼でした。
同期が手間かかりすぎで、私自身は手伝ってもらわなかったけど・・・


by apj at 2008-03-07 07:51:07
Re:逆だった(?)わけだが……

氷山の一角さん、
 証拠があるなら匿名での告発が有効かと。

 いずれにしても、役職を利用して不正に稼いじゃいかんです。役職の分は給料で支払われているわけで。ただまあ、何事にも相場というものがあるわけですから、もし、現状が、給料に見合わないほど博士の指導が大変だというのであれば、審査料等を増額するなどして、そこから手当として支払うのが筋です。対価が適正ではないからという理由で、私的に金をもらっちゃいけない。


by apj at 2008-03-43 07:53:43
Re:逆だった(?)わけだが……

某国立大学化学科出身さん、

 ちょっと昔の先生の中には、彼女に手伝ってもらって学位論文を完成させ、その後ゴールイン、という方もいらっしゃったかと……^^;)。


by あがたし at 2008-03-40 19:28:40
Re:逆だった(?)わけだが……

>彼女に手伝ってもらって学位論文を完成させ、

学部の頃,研究室にいつのまにか知らない人が出入りしているなと思ったら,どうやら先輩のD論の手伝いをしているらしい.「すげぇ,D論となると人を雇う必要があるのか」と感心していましたが,実はその”ヘルパーさん”は先輩の婚約者だったということがありました.

「俺,博士号とったら彼女と結婚するんだ」(男性版)

という台詞は状況によっては死亡フラグ立ちまくりなんですが,先輩の場合は大丈夫だったようです. (ちなみにその「先輩」の例は男性女性含めて複数です.)

あがたしの場合は,博士号をとっても別に指導教官とは何も特別なことはせず,教授室に挨拶に行ったときコーヒー一杯いただいただけでした.そういうものだと思っていたので,他部局での様子を聞いて感心するやら驚くやら・・・


by まいまい at 2008-03-08 05:27:08
Re:逆だった(?)わけだが……

私の地元の国立大学では、農芸化学に有名な先生がいたようですね。
100だと機嫌が悪くて、300だと必ず博士がもらえるそうで(笑)。
以前にも問題になりかかったことがあるので、このたびも大変だなあと思ったら、退官してらっしゃいました。


by apj at 2008-03-16 05:42:16
Re:逆だった(?)わけだが……

お金じゃないケースまで発覚したようで。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080326-00000001-yom-soci
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横浜市立大・副学長、長女の博士号学位審査で主査
3月26日0時53分配信 読売新聞

 横浜市立大医学部教授の奥田研爾副学長(62)が、大学院生だった長女の博士号学位審査で主査を務めていたことが25日、わかった。大学側は「学位審査の透明性に問題がある」として事情を聞く。

 同大などによると、奥田副学長は、医学研究科にいた長女の論文審査で、審査員トップの主査を務めた。長女は2005年3月、学位を取得した。

 長女は皮膚科学講座に在籍し、論文はアトピー性皮膚炎をテーマにしていた。奥田副学長は、分子生体防御学教室の教授。

 関係者によると、奥田副学長は自身を主査に推薦していたという。学位論文を審査する主査と副査は、医学部の教授と准教授で構成する教授会代議員会で承認することになっている。

 岡田公夫副学長は「倫理的な問題で、普通ならば別の教授に頼むべきだと思うが、論文の専門性から避けられなかったのかもしれず、事実関係を調べたい」と話している。奥田副学長は読売新聞の取材に「何もお話しできない」とコメントしている。