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九天社が自己破産

Posted on 6月 16th, 2008 in 未分類 by apj

 既に悪マニさんのところに出ているが、九天社が自己破産した。ここの出版物でお世話になった本に「グーグル八分とは何か」がある。ネット検索をして製品情報を調べるときに、いかにも科学的っぽい肯定的な話ばかり並んでいてもそのまま信用してはいけない、という説明の例として講義でも使わせてもらった。また、昨年末に買った「学位商法」は、大学関係者なら必ず読んでおくべき本である。
 出版でやっていくのが厳しかったのか、それとも、出版した本に関する訴訟費用でもかさんだのか(訴えられたかどうかは私は知らないのでこちらは想像)、ちょっと気になるところではある。

 他の本も今のうちに、と思ったが、既に本やタウンでは注文できない状態になっていた。


ここからは旧ブログのコメントです。


by おさむ at 2008-06-55 05:07:55
はじめまして。

九天社が自己破産ですか。以前本屋に勤めてたさい、ここからの新刊本は基本的に即返でした。店舗規模が小さかったので、九天社レベルの出版社だとおくスペースがないので。たまに面白げなタイトルの時はあえておくのですが、結局売れずに返品してました。

その後、営業の人が来て即返するのなら新刊の配本は止めますといって本自体を見なくなりました。エクスメディアが倒産しながらも九天社は生き残っていたので頑張っているなぁと思っていたのですが。

寂しさを感じると同時に次はどこだろうと思ってしまっています。


by apj at 2008-06-27 05:44:27
ある意味マニアックでしたから……

おさむさん、

>たまに面白げなタイトルの時はあえておくのですが、結局売れずに返品してました。

 ある意味マニアックなテーマで本を出している会社でしたから、小規模な本屋さんでは厳しかったのでしょうねぇ。
 身の回りの小規模な本屋さんを見ると、店の中は、売れ筋の雑誌やコミックス、文庫本主体で、単行本になるとあんまり置いてないという感じですし。都会のある程度規模の大きな本屋であれば、客もニッチなものを期待してくるから、それなりに売れるだろうとは思いますけれど。
 本屋の世話にならずには過ごせない私も、マニアックな本を探す時は、小さな書店にはほとんど期待せず、どうしても、できるだけ大きな書店を狙って行きますしねぇ……。


by 杉山真大 at 2008-06-59 08:15:59
出す側も売る側も厳しいですよね

そう言えば、自分が子供の頃によく行っていた老舗の本屋が、昨年自己破産しました。

破産寸前に覗いて見たけど、巨大な書店に行った後では売り場が狭い気もするし、品揃えも中途半端。ニッチな本は殆ど見つからないし、店頭に並んでいるのはコンビニでも買えちゃう。どっちにしても「使えない」って印象なんですよね。


by apj at 2008-06-19 09:03:19
在庫があるなら販売を続けて欲しい

 三田出版会が廃業したとき、在庫の本を近くの出版社が引き取り、ISBNを付け替えたりして販売を続けてくれたおかげで、後からでも買うことができました。
 今回も、もし在庫があるなら、似たような方法で販売をしてほしいと思います。同じ業界の人(あるいは会社なら)なら、何とかできるんじゃないかなぁ。読まれ続けるべき本がいくつもあると思いますので。ただ、在庫を持つことで倉庫代がかさみすぎると、難しいかもしれませんが。


by おさむ at 2008-06-18 11:55:18
Re:九天社が自己破産

月の売り上げが2000万円レベルではおくのは無理でした(広大にいたことがあるのでしたら、もしかしたらきたことがあるかも。ブールバール沿いのF図書にいました)。4000万円レベルでようやくおけるといった感じでした。自己破産した今となっては大急ぎで返品作業をしていると思います。

よその出版社はどうでしょう。体力のありそうな出版社では扱いそうにないタイトルが多いですからね。私も今のうちに買っておこう。

しかしアマゾンはすごいなぁ。現時点で普通に売ってますね。そんなこと怖くてできなかったです。


by もす at 2008-06-29 09:41:29
Re:九天社が自己破産

>>アマゾンはすごいなぁ。現時点で普通に売ってますね。そんなこと怖くてできなかったです

 う~ん。アマゾンは売ってるように見せかけておいて、後から平気で「入手不可能でしたので、注文を取り消します」で済ませますからね。それも「入手に努めております」って何ヶ月も引っ張っておいて。
あるいは表示してある入手可能時期も、注文後にその時期になってから、「入手に努めておりますが、まだ入手できていません」って言ってくる始末で、最近出版された本でないとあんまりあてになりません。


by おさむ at 2008-06-47 12:19:47
Re:九天社が自己破産

>最近出版された本でないとあんまりあてになりません。

あ、そうなんですか。何%か忘れましたが、返品率の低さに驚いたことがありますが、何となくからくりが分かった気がします。

しかし、その驚異の返品率を背景に日販に無理を言っているのかと思うと・・・、あ、うれしいや。


by とむけん at 2008-06-23 03:36:23
Re:九天社が自己破産

エントリー見てあわてて「学位商法」と「ウィキペディアで何が起こっているのか」をAmazonに注文したろころ、とりあえず「ウィキペディア~」の方は今日ゲットできました。どうもありがとうございました。
ただ、「学位商法」の方は入荷が7月20日と出てきていて、こっちは無理かもしれません。


by apj at 2008-06-04 08:55:04
片方だけでも入手できて何よりです

とむけんさん、
 片方だけでも入手できて何よりです。学位商法の方は微妙ですねぇ。

 破産の後の実務をよく知らないのですが、素人考えでは、本が残るよりも売れたお金が入った方が、債権者は喜ぶのではないかと思うんですけどねぇ……。


by apj at 2008-06-18 03:22:18
入手成功

 多少古くなりつつあるとはいえ、「ウィキペディアで何が起こっているのか」は買っておこうと思ってamazon.co.jpで注文、無事届きました。


by とむけん at 2008-07-02 04:22:02
「学位商法」もゲット!

先日書いた話の続報ですが、
「学位商法」についても昨日Amazonから無事届きました。
運がよかっただけかもしれませんが、在庫持っていて販売してくれたみたいです。


by apj at 2008-07-23 04:49:23
良かったですね

とむけんさん、
 無事の入手、おめでとうございます。
うまく手に入って良かったですね。


by 赤ガエル at 2008-07-09 08:49:09
昨日の日経新聞書評欄に、

「ウィキペディアで・・・」が採り上げられてました。
一瞬、”ホント近ごろは似たような書名が多いよなあ”と思ってしまいましたが、ちゃんと九天社のホンモノでした。

書評欄を見て本を買おうという人もおおいと思うので、今ごろ注文が増えているのかも?
もう少し早い時期に採り上げられていたら?とちょっと複雑な思いがしました。


by apj at 2008-07-34 09:13:34
何とまぁ、タイミングがいいんだか悪いんだか

赤ガエルさん、

>書評欄を見て本を買おうという人もおおいと思うので、今ごろ注文が増えているのかも?

 その可能性は大いにありますね。まあ、債務整理をしている途中であっても、在庫の本がゴミの山になるよりは、売れた方がいいのではないでしょうか。
 でも、数年先にプレミア価格で凄いことになっていたら、かなり微妙な気分になりそうです。

#専門書の方で、破綻した学会事務センターの出版物がプレミア価格ですごいことになっているのを目撃したことがあります^^;)。