バナジウム水摘発
asahi.comの記事より。
「糖尿病に効く」と水販売容疑、島忠など書類送検へ
2009年7月16日11時16分医薬品の効能があるように表示して、バナジウム入りのミネラル水の販売や製造をしたとして、神奈川県警生活経済課などは１６日、薬事法違反容疑で、家具販売大手「島忠（しまちゅう）」（さいたま市）と製紙・飲料水製造販売会社「イデシギョー」（静岡県富士市）、イ社の関連会社「マウントフジビバレッジ」（同）の法人３社と、島忠の仕入れ担当者（３５）、イ社社長（６６）と専務（６６）の３人を書類送検する方針を固めた。捜査幹部への取材で分かった。
捜査幹部によると、マ社は医薬品製造許可を取らずに、０６年～０８年、「糖尿病に効く」などと記載した段ボール（２リットルペットボトル８本詰め）を約３８万箱製造。イ社と同社の２人は、０７年～０８年、医薬品販売許可を持たずに、マ社の製造した水約１１万６千箱を島忠に販売した疑いがある。島忠の担当者は、０８年５～７月、医薬品として未承認のこれらの水を、横浜市の同社ホームセンターなどで販売した疑いがある。３人はおおむね容疑を認めているという。
やっと摘発されたか、という感じ。バナジウム水に弱い抗酸化作用はあるとしても、含まれているバナジウムの量が少ないため、飲んだ場合の影響はほとんど無いはずである。また、バナジウムに糖尿病の治療効果があると報告されているが、飲料水に含まれている量はずっと少ないため、効果が期待できる量ではない。まあ、それ以前の問題として、そもそも、薬剤として認可されていないもので効果効能を謳ったらアウトだわな。
ここからは旧ブログのコメントです。
by Isshocking at 2009-07-55 00:32:55
Re:バナジウム水摘発
島忠といえば一部上場会社ですね。しかも一般消費者向けの量販店ですから、取り扱い商品のチェックについては法務部とかそれに類する部署があるはず。
なんでこんなあからさまなハッタリ商品を・・・仕事せえよ！
もっとも、天然バナジウム水が全く糖尿病に効果が期待できないというわけではないらしいです。
http://www.asahiinryo.co.jp/newsrelease/topics/pick_0517.html
メーカーは違いますが、天然水なんだから、成分はどこでも同じでしょう。
もっとも、効果が見られた投与期間は人間で言えば７，８年に相当ということですから、そんなのは生活習慣の誤差でマスクされてしまうんじゃないの、という気がします。
by mimon at 2009-07-47 09:42:47
アサヒ飲料の
富士山のバナジウム天然水は、この商品ですね。
http://www.asahiinryo.co.jp/vanadium/top.html
「健康水」という言い方が少し気になりますが、怪しげな「薬効」は、どこにも見られません。さすがに一流メーカですね。
by apj at 2009-07-22 09:57:22
リスクを他人に押しつける商売
一流メーカーなのでガードがしっかりしている、と言うならその通りなんですが……。
何て言うか、こういう所にメーカーの格差がばっちり出ているように思いますね。
知識の無い中小企業が薬効を謳いまくってバナジウム水のイメージ消費者に浸透させた後で、一流メーカーが薬効宣伝無しでバナジウム水を売る。消費者には既にイメージが浸透しているから、薬効を期待して買う人も居るので商品は売れる。薬事法の取り締りは、最初に薬効を謳った中小企業が対象になる、と。
アホな中小企業がリスクを引き受けて、間違ったイメージを消費者に流す役割を担っていて、安全でおいしい商売は一流メーカーが持っていく、という構図になってるように見えなくもない。
もちろん、一流メーカーがそう仕向けたわけではないので、勝手にそうなっているだけなんだけど。知識が無ければ結果として食い物にされる運命が待っている、ということに早く気づけ、と。
＃あ、学生にもそう教えて、勉強しろ、って言っておこう。