当サイトの沿革

 当サイトは,1999年2月6日に「冨永研究室非公式案内」としてスタートした。当時は,大学内から発信するウェブサイトをどう扱うかについて,学内規則もなく,やってみたい研究室が個別にサイトを作っている状態だった。ホームページ運用指針が2001年6月20日に決まったが,ごく簡単なもので,大学の公式のページとそうでないページの区別もはっきりしないものであった。

 2002年5月に,企業からのクレームをきっかけとして大学によってコンテンツの公開停止が決まったので,一時的に阪大内のサーバに移転した。その後,お茶の水大で,新しいウェブページ運用規則が決まり,委員会等の議決を経ないで学内から発信されるページは全て「研究室ページ」として一律に取り扱われることが決まった。公開停止措置については,新規則のもとで復帰申請書を出して認められたので,2003年7月に復帰してよいことになった。

 規則が整備されて,公開開始の頃とはだいぶ状況がかわってきたので,復帰をきっかけとして「冨永研究室びじたー案内」に名称を変更した。「冨永研究室非公式案内」の頃に出していた説明は,参考資料としてこのページの最後に残しておくことにする。

ミラーサイトについて

 当サイトにはミラーサイト(正確には過去のある時点でのスナップショット)が存在します。そのうち,サーチエンジンで上位に来るのは,http://www.makani.to/akutoku/mirror/mizu/atom11.phys.ocha.ac.jp/wwatch/intro.htmlです。このミラーは,日付からみてわかるように,2001年1月にできたものです。できたきっかけは,日本システム企画株式会社から脅しのメールをもらったときに,「その後本サイトがどうなるかわからないから,今のうちにミラーでもなんでも作って保存したい方はどうぞ。著作者として全面的に許諾します」という内容を,天羽がMLに流したり疑似科学関係の掲示板に書き込んだりしたことによります。それを見た誰かが作ったものです。
 プロホームアドバンスから,ミラーサイトの存在が指摘されたときに上記サイトへの接続を管理しているプロバイダに連絡し,作者に対し,その当時のミラー製作協力へのお礼とともに,内容が古くなって誤解を招く可能性も出てきたので,そろそろ削除するか最新版に入れ替えるかしてもらうよう,伝えて欲しいと頼みました。
 プロバイダとしては,契約者の個人情報は出せないため,私にミラーの作者の連絡先を教えるわけにはいかないが,私からのメールを転送することは可能だということでした。
 その後,ミラーの作者から特に連絡もなく,そのままになっているようです。
 連絡をした証拠については,水商売ウォッチングの「プロホームアドバンスとの交渉再開の枝」というコメントに,プロバイダとのやりとりのメールを公開しています。メールを受け取った後,転送お願いのメールを出しました。私のお願いは今のところ無視されています。ミラーサイトの作者には作者なりの考えやポリシーがあるのでしょう。
 ここから先,私が何かとれる手段があるか?というと,ちょっと思いつきません。
 まず,交渉相手を確定させるためには,ミラーサイトの作者に連絡をとらなければなりません。このためには,プロバイダを通すしかないのですが,プロバイダとしては顧客情報を出せません。
 では,プロバイダ責任制限法を使って,プロバイダに対して発信者情報の開示を請求できるかといいうと,今回は無理でしょう。
 プロバイダ責任制限法を私が使う局面というのは,私の権利が侵害された場合に限ります。ところが,ミラーサイトは,私の許諾によって成立したものですから,法的には何も問題がありません。ですから,私が権利侵害を主張することはできません。侵害された権利がないので。さらに,今更そんな主張をしたら信義誠実を欠くと非難されるのは私の方です。
 また,ミラー作成について,許諾をしたときに,期限については指定していません。これは,脅しのメールがきっかけだったので,仮にサイトをつぶされてもミラーは残るという形にしたかったので,意図的に指定しなかったからです。
 ミラー(正確にいうならある日付でのウェブサイトのスナップショット)の複製許諾を出した時点で,複製がその後残ってもかまわないことを,当然予定していたはずだと言われたら,私は反論できません。作成依頼をいろんなところに書き込んだ時は,私もそのつもりでした。
 このことからわかるのは,ネットを使っての情報発信は,決して「なかったことにはできない」というものでしょう。ある時点でのスナップショットが残る可能性も考えた上で,情報発信していくしかないのです。これはネットの特徴の1つだと考えるべきでしょう。


(旧)非公式の理由(参考資料)

 大学では研究室のサーバを学生が管理していることが多いが、うちは教授がrootをしている。数年前に、電子メールについては受益者負担ということが決まり、物理学科の学生・院生のメールは各研究室ごとのサーバを使うようになった。学生に管理をまかせてしまうと、得意な学生がいる間はよいのだが卒業してしまうとたちまち困る。最近は計算機をいじるのが好きでプログラムを書くのが得意な学生はかなりの確率で理論の研究室へ行ってしまう。サーバの安定運用のためには、長くいる人(つまり教授)が管理を継続的にする必要があった。

 さて、お茶大も案内のウェブページが徐々にできつつあり、うちの研究室もウェブサーバを立ち上げようという話が出た。研究関係で私も書きたいことがあったので、「はやく設定してくださいよー」と98年の3月頃から教授に頼んでいたのですが、教授は何もしてくれなかった。そこで、私は勝手にサーバを上げることにした。

あくまでも公式サーバは教授がrootをやってるマシンで動いているものになります

 従ってこのページは非公式である。大体作者の私からしてが、籍は他大学においたまま共同研究でここに居着いて業績作りつつ職探ししている状態で、公式サーバを作ったり管理したりする立場ではないのである。(お師匠さんはやくサーバーあげてよぉぉぉ.....)

 と、こんなことをやっているうちに公開から丸3年が過ぎ、ディスクも手狭になってきたので、サーバマシンを入れ替えることにした。相変わらず教授は自分でサーバを立てようとはしないし、その上、自分の研究内容を公開するのに「非公式サーバに居候させろ」と言ってくる始末なので、結局非公式サーバのままで運用を続けることになった。

 ところで、冨永教授の話だと、ページのトップに「冨永教授黙認 大学当局も多分黙認」と書いたことに引っかかっている人が学内に居るらしい。どうも、大学と敵対しているかのように受け取られたらしいのだが、ちょっと待て。

 当ページの過去の更新記録を見ればわかるように、当ページの公開開始は1999年2月6日である。お茶の水女子大学ホームページ運用指針が決まったのは、2001年の5月か6月だったはずだ(教授に見せてもらった紙の印刷物には日付が入っていたが、正確な日付は忘れてしまった)。少なくとも公開当初は、大学側がホームページをどうやって使っていくかということについては、全く何も決まっていなかった。こんな状況で、もし「大学当局公認」とやったらどうなったか。おそらく、大学当局から「勝手なことをするな」というお叱りを、口頭だけでなく書類でも受けることになったに違いない。「大学当局も多分黙認」を気に入らないと思うのは自由だが、私としては「どないせぇっちゅうねん」と言うしかない。

 運用指針が決まった後も、「これからはこの運用指針でいくから従うように」という通達も連絡も何もなかった。公認ページとなるための手続きも無い。だから、やっぱり公認ページとは名乗れないというか、名乗りようがそもそもないので、「大学当局も多分黙認」のままである。まあ、これから先も、公認の手続きが決まるとは思えないので、まあいいか。もし、そんな手続きを決めたら、学内の全研究室について更新のたびに膨大なチェック作業が発生して、チェックする側がやってられないことになるのは目に見えている。だからといって、これこれ以外については書くな、と内容規制したら、公開しても無意味なウェブページが乱立するだろう。ウェブが普及し始めの頃、多くの大企業がこれまで紙のパンフレットで公開していた内容そのままの宣伝ページを作って、意味がないとさんざん言われたが、それと同じようなページになることが予想される。

 「大学当局も多分黙認」のもう一つの意味は、ウェブページの内容で揉めた場合に責任は書いた私が負って、大学当局を巻き込まないということである。「水商売ウォッチング」のように、一般企業の宣伝内容に突っ込むと、営業妨害だと言われることは当然予想していた。私が書いた内容が違法かどうかの最終判断は裁判所でやることになるが、そのときの被告に大学を入れるのはまずいと思ったので、大学は内容までは関知しないということを示しておこうと思った。大学を巻き込んで万一裁判でヘンな負け方をしたら、大学発の情報の内容規制が大学の仕事になりかねず、これは大学にとって非常にマイナスである。規制せよということが明白でなかったとしても、大学を萎縮させるような結果になるだけでも困る。というのは、大学に対して社会貢献しろという圧力があらゆる形でかかってきており、これから先、研究内容の発表が企業にとって都合が悪いが社会にとっては必要(例えば薬害エイズみたいな)ということはいくらでもあり得る。このときに、大学が企業に迎合したことしかできない状態になっていたら非常に困るし、存在意義を問われかねない。

 研究室公式ページにするかどうかは、教授の了解だけで足りるが、こちらも「非公式」「冨永教授黙認」のままでいく。もし、研究室公式ページということになると、学生や院生達のアカウントを作って、研究室メンバーのウェブページを作る環境を整えなければならない。学生の教育もかねて、ということなら、そういう業務は給料をもらっている人がやればいいし、メールのように受益者負担ということなら、学生が直接教授と交渉して、学生用ウェブサーバを自分で立てればいい(学生が自分たちでやると言えば、冨永教授はPCの1台位は用意してくれるはずだ)。私はタダ働きをする気はないから、「非公式」「冨永教授黙認」を理由として、メンバーのアカウントの管理業務についてはお断りするつもりだ。

【2002/05/28】
 と、こんなことをしていたら、企業からのクレームがきっかけで、お茶大から公開停止の通達をもらってしまった。状況説明も何も出せない内容の通達で、お茶大からの情報公開が(本業の研究業績や研究室案内も含めて)すべて停止だから、もはや移転するしかなくなった。幸いにして、阪大理学部の菊池・阿久津・時田の3先生方のご厚意で、阪大理学部内のサーバに丸ごと移転することができ、情報発信を継続することになった。お茶大から直接書類でもって「公開停止」にされたわけで、それでも阪大で公開しているこのページは、まさに正真正銘「非公式」ページである。トップページのロゴにつき、「お茶大当局公認の非公式」と書くのが状況を正しく説明しているようにも思うのだが、そう書くと別の誤解を招いて余計にややこしくなるからやめろと教授に言われて悩んでいる次第。




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Y.Amo / mailto:apj@atom.phys.ocha.ac.jp
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