ラマン散乱の測定装置。約1cm-1から4000cm-1までのスペクトルを測定することができる。最近の液体関係の論文仕事は主にこの装置を使って行ったもの。温度変化用のセルは自作のものが動いている。液体窒素温度から測定できる。
サンプルを置いたらCCDカメラでレーザー光のパスを見て合わせるだけで誰でも手軽に測定できる。検出には、浜ホトのR649Sというフォトマルをを使っている。
このあいだ何だか動きが悪くなったので見たら、コセカントバーを動かしているシャフトのネジの溝に小さなごみがいっぱいたまっていた。潤滑剤を大量につけて歯ブラシで掃除するはめになった。高価な分光器のメンテナンスはローテクの極致だ。
1997年に入ったもの。0.1cm-1以下のスペクトルをとるために特化した装置で、これでBrillouin散乱もとれるが調整は難しい。世界で15台目。日本にはうちが最初に入れた(冨永教授の書類書きと業績の積み重ねの努力に感謝しよう)。2000年6月にSOPRAからエンジニアが来て、最終的な調整をしてくれた。光学系をDPSPに変更し、前段の分光器を2回通過させるようにしたので分解能が上がった。フローセルを使ってBrillouin散乱を測定している。
DPSP配置にしたところ、スペクトルのキレはすごく良くなったかわりに装置が非常に敏感になってしまった。7時間程度の連続実験で3回もトラッキング調整をしないとまともにデータがとれない。SOPRAのエンジニアの話では1日1回程度でいいということだったのだが....。
調整が難しいのと室温のRayleigh-Brillouin測定で結果が出ているのでこちらを優先したのとで、温度変化測定のめどが立たない。一応クライオスタットは特注品が届いているのでそのうちチャレンジしなければならないのだが。
一番古い分光器。KDPの仕事のほとんどはこれを使ってやった。コントローラ周りも先生と先生の仲間で自作したものがついている。顕微鏡もついている。顕微ラマンのデモ機としての役割をしていたこともあったらしい。
1998年の暮れに修士の学生と2人でいじっていて、停電後の復帰操作を間違えてリミッターを越えて回折格子を動かしてしまい、大幅調整が必要な状態になってしまった。まあドジをやらかした責任上ちゃんとやり方を教わってとことん分光器の調整について勉強しようと思っていたら、急遽補正予算がきて新しい分光器を買うことになり、収納場所がなくなったため廃棄処分となってしまった。
1999/03/11
本日業者がきて解体されて運び出された。心臓部の回折格子は、教授がしっかり回収して箱に入れて飾っている。教授が着任してからこれまでの誘電体関連の業績はこの分光器を使った仕事なのだった。
私もHG2000をちょこっとだけ使ったことがあるので、「お世話になりましたぁ」と回折格子に挨拶したら、横から教授に「あんたはお世話になってないでしょ。お世話になったのは私なの」と言われてしまった。確かに私の論文になった仕事でHG2000でやったものは無い。やっぱり教授はこの分光器にかなり愛着とこだわりを持ってるようです。
1999/05/29
新しい分光器。業者のエンジニアによる調整が済んで、説明会の1回目が終わった。CCDを使ってマルチチャンネルでの測定が可能。フォトマルも使えて、顕微試料室もある。他の分光器だと約1時間かかっていた高振動数領域(200-1-4000cm-1)のスペクトルが、数秒で測定できる。そのかわり、低振動数に本当にモードがあったばあい、どこまで信用していいかがはっきりしない。この場合は、これまで通り、回折格子をスキャンしてフォトマルで光を検出する必要がある。
2000/01/19
無事に立ち上がり、今年の4年の卒研に活用されている。フォトマル/CCD切り替えも無事にできて、測定用のソフトもdilorのが動いている。
測定が早く終わって楽なので、実験初心者の4年生が主に使っている。
科研費で買ったもの(HP54121T)に借り物のコンピュータ(PC-98シリーズのラップトップ)がついている。管理者は助手の梅原氏だが、この2年あまり何の実験もなされておらず動いていない。一時期PC-98で動いているプログラムをWindows版にするという話もあり、学生に仕事を振っていたようだがどうやら立ち消えた模様。
1999/05/29
と思ったら、ここ数日何か測定している様子である。
借り物の装置(HP54121T)にMacがつながっている(部屋の移動時にパソコンだけ移動したから)。計測とデータ処理プログラム一式がMacで動く。東海大学の、故真下教授らによって開発されたディファレンス法による誘電スペクトル計算の実装系。ソフトはapj(Y.Amo)が作った。ソフトは現在のところ筑波大、東海大に配っている。これもここしばらく動いていないが、新しいインターフェースボードへの対応などソフトの改訂は継続して行っている。トップページのTDRのところからたどってください。ダウンロードできます。ソース付き。
2000/07
東海大の八木原さんにそそのかされて^^;)DS2001に(申込期限過ぎているのに)出しちゃいました。受け付けてくれたら、パワーブックをかついでいってソフトのデモをしてこようかと思っていますが、それにはまずマニュアルの英訳をしないと.....(汗)
学生実験用のDSC、AFMなどは学生実験で使っていない時は利用できる。
共通で使う工作室がある。旋盤、ボール盤などしっかりある。企業の人が見学に来た折りに案内すると、「女子大でも工作やるんですか!」といって驚かれることがある。