【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。
出典は、第151会国会の第3回参議院文教科学委員会(2001.3.22)での公明党の松あきら議員の質問である。国会議事録検索システムで、期間:20010322-20010322、院名:参議院、会議名:※その他、発言者名:松あきら、で検索して順番に見ていくと読める。以下に全文を引用する。
あとは私が少し述べさせていただいて、もう自分の時間があと三分ぐらいなんですけれども、きょうは大臣と質疑ができなくて非常に残念でございます。私は、昨年秋にも質問をさせていただいたことの一つは、来年は文部科学省になりますから、次の大臣は文部科学大臣でございますと。つきましては、今、教育、非常に大事です。心の教育、問われております。
もちろん、精神面、その一環としまして私は「水は語る」という本をお出しして皆様に、三分一という湧水ですばらしいきれいなわき水なんですけれども、このお水をビーカーにとってそれぞれ氷結結晶をしたんですけれども、その前に言葉を張るんですね。「ありがとう」、「ばかやろう」、いろんな言葉を張ります。そして、同じように氷結結晶すると、「ありがとう」と書いた写真を皆さんに見ていただいたんですけれども、きれいな六角形のダイヤモンドのような結晶ができます。「ばかやろう」と書いた、「死ね」とか書いたのはぐしゃぐしゃになって結晶ができないんです。
これは何十年も研究なさっていらっしゃる方の御本の中の御紹介だったんですけれども、例えば水にも心がわかるのかと不思議な気がいたしましたけれども、例えば人間の体、七〇%が水分であると。ですから、そういうことも含めて、また今子供たちは缶ジュースを飲まない子はいない、袋菓子を食べない子はいない、こういうことで非常に糖分をよくとるんですね。そうしますと、低血糖になって、低血糖になるとどうなるかというと、頭が重い、疲れる、切れる、荒れる、こういう原因にもなる。
ですから、私は、もちろん環境ホルモン等々、ダイオキシンの問題もありますけれども、心の面と、そして科学的な面、両方の面からこの教育というのをしっかり考えていただきたい、これをぜひお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
この水の結晶写真集は、「波動」で有名な江本勝氏の著作「水は語る Water,it tells us precious things.」(成星出版)のことである。多分、松あきら議員はこの本を見せながら口頭で説明したから、こういう内容になったのだと思われる。
もちろん、別ページで既に指摘したように、氷結結晶の研究については、中谷宇吉郎による世界的に認められた研究がある。「水は語る」の40年も前にまとめられた研究である。我が国が世界に誇れる研究の1つである。「水にも心がわかるのかと不思議な気がいたしましたけれども」ってそこで不思議だと思ったんならちゃんと調べてほしい。松あきら議員のまわりには、補佐するスタッフがいるだろうに。主張したいことが「教育を心と科学の両面から考えるように」であったとしても、そうであればこそこの前振りは違うと思う。
それに、「糖分をよくとると低血糖になる」って、逆じゃないかと思うし、血糖値が下がると普通は気分が悪くなって失神するものではないだろうか。カルシウム不足と勘違い・・・・なさってませんか?
ともかく、「教育というのをしっかり考えていただきたい」というのには全く同感で、しっかり考えないと選良たる議員の発言がこうなるという見本まで身を以て示していただいたような。
あとは、これを理由にして「波動と水の話は国会でも取り上げられた」と主張する勘違いな人々が出てこないことを切に願うばかり。国会は政策決定の議論をする場であって、学会発表とは違うので、必ずしも科学的事実だけが述べられるわけでないのは当然のことである。