【注意】このページの内容は商品の説明ではありません。商品説明中に出てくる水の科学の話について、水・液体の研究者の立場から議論しているものです。製品説明は、議論の最後にある、販売会社のページを見てください。
「波動水 プラチナ宇宙」を販売している。
まず、値段が安い。
1000リットルの波動水をつくれるお試し3点セットを1000円で!
とある。ただ、商品の見かけは、どう見ても普通のペットボトルが2つに、100円ショップで売ってそうなスプレー容器が1つなんだけど。
開発者は重川風天氏。ページの最初に迫力的にご登場して一言。
科学においては……定説(常識)からは何も生まれません。定説とは化石のようなものです。しかし、仮説からはより新しい価値、科学が生まれます。
……違うと思うぞ。科学として内容が確定したものを組み合わせて作られた技術だっていくらでもあるし。
ただ、この人の潔いところは、
今までの科学をほとんど知らない私が作りました。
と、断言しているところ。実は、科学を知らないだけではなく、オカルトな「波動」も知らないらしい。水の作り方は
ダイヤモンドや水晶などの鉱物、光、そして、振動を加えて作り出した、今までに無い波動水です。
つまり、「波動転写装置」を使うのでもなく「波動測定器」でチェックするのでもない、「振動を加え」るという、言葉の意味そのまんまで、今主流になっている江本氏系列の波動屋さんの主張している枠組みとは全く別なのである。
お試しセットは希釈して使うらしい。
このお水は、振動数が高いため1000倍程度希釈しても自然水以上の働きがでます。
このお試しセットだけでも、およそ1000リットルの波動水を作ることができます。
「振動数が高い」は科学的には全く意味不明であるし、チラシらしいイラストの中の「自然界を越えたエネルギー水」は、エネルギーとは何かについて全く分かってないとしか思えないのだが、「今までの科学をほとんど知らない」という主張には矛盾していない。
驚愕の効果はこれ。
もちろんガブガブ飲んでいただいたら、それが一番です。体調が悪いときには、部屋にお水を吹きかけてみてください。
磁場がアップし、空気をきれいにします。
唐突になぜ磁場? 水を吹きかけるって、多分写真に出ているスプレー容器を使うのだろうけど、部屋に水を拭きかけたからって部屋の中の磁場が変わるわけがないし、磁場と空気のきれいさの関係も不明だし、何も知らずに書いただろー、というツッコミは……「今までの科学をほとんど知らない」と最初に断言されちゃってるからなぁ……。
とろっとおいしく何より水が光ってます。
「今までの科学をほとんど知らない」人が作った水が「とろっと」していて「光って」いるって、何が入ってそうなっているのかと考えると、別の意味で恐い。頼むから科学できちんと分析するとか品質管理するとかしてもらいたい。
植物を育てている写真には、
こんなエネルギー溢れる水を毎日飲んだらどうなるでしょう?
とあるが、「こんな肥料に溢れる水を(以下略)」の間違いではないかと突っ込みたくなるわけで。実験が正しいなら、植木鉢に与えてみてもいいかとは思うが、逆にヒトにはどうかと思う。
開発者は、「人間の本質は「生命力」」とか、「鉱物や光、数字、図形、振動」でエネルギーを変えられるといったことを信じている様子である。中世のあたりまでならこれで良かったのかもしれないが、今ではこういう考え方は否定されている。「長年の内観(瞑想)を通して実感」したという記述があるが、実証を抜きにして瞑想だけで自然を理解しようとすると魔術的な方向に行くというのが、もしかしたらヒトの性質なのかもしれず、そういう目で見るとこの宣伝は興味深い。