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Re:なぜ「ゲルマニウム(健康グッズ限定)」の効果がまったく期待できないか
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とりばち (2006/12/28 17:56)
みつを (2006/12/28 19:52)
apj (2006/12/28 20:30)
apj (2006/12/28 21:06)
とりばち (2006/12/28 21:15)
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apj (2008/05/15 20:45)
Kei (2008/05/07 21:23)
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実は、私の課程博士の論文は、最初のテーマが2年半でつぶれたこともあり、最後の1年(実質半年)の仕事をまとめたものになった。タンパク質が低分子の阻害剤などを認識したときの変化を水溶液の状態で誘電緩和測定で観測するというのがその内容である。このテーマによる実験ができた期間も短く、通るかどうかが不安だった。実際、論文提出直前に「こんな状況ですが、期日までに事務書類を回さないと留年確定なので、ダメモトで出します」と主査の神谷先生に挨拶に行ったら、後で「去年論文の体をなさないものを提出して二人落ちてたのだが、さすがにそのことを先に伝えるのははばかられた。出てきた学位論文が一応は論文の体をなしていたので良かった」と言われる始末だった。このときの副査が上野先生だった。生体と磁気の話には必ず水がからんでくるため、上野先生は磁場と水の関わりについて非常に興味を持っておられた。このため、結合水と込みで生体分子が機能を発揮しているという証拠をつかまえたいという私の論文のコンセプトをとても良く理解してくださり、好意的な審査をしていただいた。公聴会が終わった後、コメントや手直しの指示があり、上野先生預かりになった。つまり、言われたとおりに直して上野先生のチェックを受ければ審査に合格ということである。このとき、何回も本郷の医用電子研究施設(当時)の上野研究室に通って、指導をしていただき、おかげで無事に学位を得ることができた。
上野先生は非常に人なつっこい方で、お会いした最初に「一緒に写真をとろう」と言って、そのときに居た研究室メンバーも含めて撮影が始まったのが印象に残っている。また、学位論文の直しをやっていたとき、生体磁気の国際会議の演題の審査を上野先生が目の前でやっておられ、いくつか質問された。中国とロシアに怪しい研究が多いことがそのときにわかった。何をコントロールしたのかわからない実験で、とりあえず磁場をかけてみて、結果が変わったの変化しなかったのという話のオンパレードだったからである。
その後も、主査の神谷先生を招いての上野研のゼミに呼んでいただいたりもした。また、本郷キャンパスの近くのお茶を売っている店で、抹茶をおごっていただいたこともあった。
二つめの学位をとった頃だったか、論文を持って、冨永教授も誘って挨拶に行ったことがある。強磁場を使ったろうそくのデモンストレーションを見せてもらって楽しい一時を過ごした。
最終講義は、本郷の医学部本館の大講堂で行われたが、立ち見が出るほどの盛況だった。講義の後、花束贈呈があったが、花束を渡したい人がたくさんいた。受け取った花束を講義室の長い机に端から順に並べて置いていったら、机が埋め尽くされた。この花束の量=上野先生の人徳、ということなのだろうなぁと思いながら見ていた。
祝賀会は上野精養軒にて。出席者は約三百人程か。上野先生は壇上におられたり出席者の間を回ったりで、ほとんど、結婚式の新郎状態になっていた。医学系と工学系両方からの参加者多数で、会場がすごいことになっていた。ただ、今回は、普段活動している分野が違うため、知らない人がほとんどだった。それでも、久しぶりに、ゼミでお世話になった旧神谷研の人たちにも会うことができたし、東大のCOEポスドクの人とも新しく知り合えた。とにかくこの規模のイベントになると、オーガナイザーがさぞ大変だったに違いない。
上野教授は、東大を退官した後、九州大学で特任教授として、生体磁気や生体と電磁場との関わりについて、研究面からも行政面からも活動なさるということである。上野先生のご健康と今後の仕事のご発展をお祈りしたい。東大には12年だったということで、実はずいぶん長い東京出張だったということかもしれない。
posted at 2006/03/11 01:19:17
lastupdate at 2006/03/11 01:19:17
まったくその通りでして、上野先生は人徳も成果もすばらしい方です。
実は私、審査が終わった直後に上野研究室に乗り込んでいって、実験の追試をやったことがあります。「8Tの磁場をかけたNaCl水溶液の導電率が変わる」という結果を上野研が出したことがありました。溶液は磁場の中、取り出してから導電率計で測定すると、磁場引加したものとそうでないものとで導電率に差が出るということでした。
その手の記憶効果を出すメカニズムは溶液の化学物理からするとどう考えてもあり得ないので、追試をさせろと言って乗り込んだのでした(汗)。で、その成果を出した導電率計のセンサー部宇分を見ると、でかいゴム栓みたいな部品の中をくりぬいたところにセンサーが仕込まれているというものでした。これだと、ゴム栓部分の温度が違ったり、穴の中に洗浄時の液体が残っていたりしたら、微妙な導電率の変化が出てしまいます。
当時、上野研では、ガラス管の内側に白金箔向かい合わせのセンサーがついている導電率計を新規購入したばかりでした。なので、水溶液を入れたボトルを温度制御用の水循環容器に入れ、恒温漕と接続し、気温と同じ温度に保って磁場をかけました。取り出して測定する時は、センサー部分を同じ濃度の食塩水で友洗いするようにしました。すると、磁場の有無で導電率に違いが出なくなりました。この実験手順を上野先生に報告し、導電率のわずかな違いを議論するときは温度依存の効果が入らないように十分注意する必要があること、プローブの友洗いも大事で、数分にわたる導電率の変動は温度や濃度差のある液体の拡散の時間スケールと同じであるから、磁場の影響を考える前に押さえなければならない実験条件であることを伝えました。
間違いを振りまいてほしくなかったのでやったんですが、今思えばずいぶん厚かましいことをしでかしたなぁ、と^^;)。でも、その後出てきた成果が普通の科学だったので安心しています。もっとも、上野研出身の岩坂さん(千葉大学助教授)によれば、磁場の有無で違いは出たがはっきりしないためにお蔵入りした結果が相当あるそうです。だから、「磁場効果ビリーバー」が同じことをやったら、簡単に「盲信する」方向に進んでしまうのだろうなあと思ったりもします。
とか思ったり...「年次休暇」を取るのですか?...とか.
自分の指導教官のやつは,「日帰り出張」で行ったかの記憶
ですが...10年前です...そんなん,確認できません.orz
初めての聞く内容なので、コメントできるように耳をたてて必死になって聞いたのを思い出します。ご講演の内容は、磁場刺激で細胞の成長方向が揃い、促進されるという話でしたので、どうして他の刺激でなく磁場なのか、と聞くと、「いや、揺動は何でもいいんです。一番シンプルには、叩いたっていいんです。叩くと骨が丈夫になる、って言うでしょう。あれと同じです」とのお答えでした。いまも、大変なつかしい思い出です。
その後のビールも旨かったです。
人なつっこい上野先生らしいエピソードですねぇ。^^)
この6月頃に、ラマン散乱の測定について電話で訊かれたので、九州の近くの大学でやっている先生がいることをお伝えしました。
九州に移られた後も、お元気で活躍しておられるようですよ。
そういうお話をお聞きしたこちらの方もほのぼのとして嬉しく思うエントリです。
(最近、またクオリアMLでピチガイの妄言を聞かされたところでしたので…)