タイトル | 私の嫌いな10の言葉 |
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著者/訳者 | 中島義道 |
出版社 | 新潮社 |
出版年 | 2000年 |
定価 | 1200円 |
ISBN | 4-10-439701-6 |
久しぶりに共感できる本を見つけたので書評に追加する。著者の中島義道氏は電通大教授で哲学者である。 嫌いな10の言葉とは以下の通り:
これらの言葉がなぜ嫌いかということについては、本の中でよく説明されているが、かいつまんで言うと、この言葉を言う人たちが自分自身の傲慢さや想像力の欠如に気づこうともせず、言葉による議論を封じるということだからだ。言葉のやりとりで物事を理解したいと望む人間にとっては、これらの言葉は暴力的である。 私は、さらにこのリストに「青臭い」ってのを付け加えたい。これまでの経験において、私の言った事に対して「青臭い」とコメントした人間(主に親、教師、親戚の叔父叔母など)は、言った内容に対する論理的反論をすることはなかった。これも議論封じの典型例だと思う。 さて、中島氏の挙げた10の言葉だが、私も物心ついたときから言われ続けてきた。そのたびに自分が抑圧される不快感と相手の傲慢さが鼻について、何を言われても受け入れる気持ちが失せていた。それがなぜかについて、やっと納得のいく説明を見いだせた気がする。 ともかくこの本を、親やかつての教師に読ませて、「あんたの無神経のせいで私はずいぶん苦しめられた。他人にお説教するまえに、自分の言ってる内容をちゃんと理解しろ」と言いたい。 |