サーバーの移転について

「冨永研究室非公式案内」は、公開停止措置を受けたため、お茶の水女子大から大阪大学内に移転しました。移転の経緯は次のようなものです。なお、移転先でこれまで通りの内容をご覧になるには、このページの最後のリンクをクリックしてください。

移転に至るまでの経緯

 移転までに期日がわずかしか無いため、経緯の正確な日付を調べてこれを書く余裕がない。もうすこし余裕ができたら補足する予定だが、大体次のようなことが起きた。

 大阪大学に移転することになったのは、以下の経緯である。

この公開停止問題をとりあげてくれたサイト(主だったものだけです。他にあったらお教え下さい。)

 その後のお茶大側の措置

 その後の展開

ページの作者の天羽のコメント
 この3年あまりの間、「冨永研究室非公式案内」だの「黙認」だのと自称するページの制作をしていたのだが、連休明けにお茶大(お茶の水女子大ホームページ運営委員会委員長:info@cc.ocha.ac.jp)から公開停止の書類をもらってしまい、お茶大内のサーバから事実上追い出され、とうとう名実ともに非公式のページになってしまった。正真正銘の「非公式」であることをお茶大側に公認されてしまったような気がしなくもないので、ちょっと複雑な心境である。
 とはいえ、1日の訪問者が約1000人に達しているページであるから、ここは、訪れてくれる人に迷惑をかけないように移転させることを考えた。それが何とかなったのでちょっとほっとしている。移転先に誘ってくださった菊池・阿久津・時田の三人の先生方には非常に感謝している。また、移転に際しての技術的相談その他いろいろ支えてくださった、nakataさん、candyさん、fuji-mlの方々にもここでお礼申し上げる。
 公開停止が出された経緯は前述した通りだが、 明文の規定にない処置をされたということが気になっている。お茶の水女子大学ホームページ運用指針によると、問題になるとしたら「お茶大ページの健全な発展を阻害」するかどうかというところだと思う。しかし、ウェブページの内容については随分一般の方からの問いあわせがあったり、情報を求めて研究室に来られる方もいたりして、冨永教授いっしょに応対して液体についての知識を伝えるという活動をしてきており、大学の社会貢献という面からはプラスの寄与をしてきたと思っている。また、「物性研究」「化学と教育」「うちゅう」といった教育的な雑誌に水について記事を書く機会もいただいた。当ページを見て外部から進学してくれた院生もいる(学部生もいるらしいが未確認)。このような点がまったく理解されず、さらに指針にあるような「改善勧告」ではなく、本業の研究業績リストや研究内容も含め一切の「公開停止」という判断をされてしまい、ちょっとがっかりしている。
  処分解除の条件が、「プロホームアドバンスと合意するまで」「本委員会が妥当と認めるまで」となっており、この基準でいくと、誰かの利害に反することを公表した場合には合意に達しない限り何も情報を出せないことになるし、委員会の判断基準も明文化されていないから、結局のところ何をしていいかわからない。議論が平行線をたどって終わりました、という場合は永久に戻れないことになる。公開の場で情報を出して落ち着くところに落ち着くという、ネットならではの利点も活かせず、大学内からの情報発信を将来にわたって阻害するのではないか、心配である。


冨永教授のコメント
このサイトは、お茶の水女子大学のサイトではありません。平成14年5月10日から当分の間、お茶の水女子大学のサーバーから引っ越しいたしました。

お茶の水女子大学のホームページ運営委員会と広報委員会は、当サイトに対する「(株)プロホームアドバンス」から大学宛の手紙を、「係争」と認定し、「当サイトの内容の是非を問わないで、係争が解決するまで」お茶の水女子大学のサーバーの中で内容が見えなくなるような処置をとりました。

大学の書面による命令に従い、お茶の水女子大学内のサーバー内にあるウェブページの全内容を、このサイトに引っ越しいたしました。

お茶の水女子大学内のサーバーから発信するウェブの内容に対しては、お茶の水大学にも責任がある事は言うまでもありません。しかし、大学が大学内のすべてのサーバーの具体的な内容について常時監視し、その是非を判断する事は現実問題として不可能と思います。従って、大学の教員が運営しているウェブサイトの内容に対して、学外からクレーム等、何か問題が発生したとき、大学が責任を持って対処すべき事は、宗教活動、営利活動、政治活動等は論外として、まずその内容が、(1)公序良俗に反しているおそれはないか、(2)個人的な誹謗中傷のおそれはないか、(3)プライバシーの侵害のおそれはないか、(4)著作権の侵害のおそれはないか、の4点に限られるべきものと考えています。そのおそれのない場合、クレームの対処については、とりあえずは、大学当局の責任ではなく、あくまでページを管理運営している責任者の責任であると考えています。今回の処置のように、「ウェブページの内容に関わらず係争が解決するまで」大学内のサ−バの内容を見えなくするという強制処置は、むしろ責任の回避であると危惧しています。

このような処置を前例にすると、例えば、企業を含む学外者が特定のページに頑強にクレームをつけ続けると、そのページは、必ず、お茶の水女子大学のサーバーから追い出される事になります。これは、大学から情報を発信する場合に大きな問題を残す事になると憂慮しています。大学からウェブを通して情報を発信すると、ある場合には論争になる事も当然考えられます。その場合は、その論争をウェブ上でオープンにして、あくまでウェブ上で解決すべきものと考えています。万一、この過程で論争が本質からはずれて、上記の4点に抵触する方向に進んだ場合にのみ、大学当局の強制処置がとられるべきものと考えています。

私は、大学がインタ−ネットとうまく付き合って、インタ−ネット社会の中でも健全に発展していける事を心から願っています。

お茶の水女子大学大学院人間文化研究科
複合領域科学専攻
冨永靖徳
e-mail: tominaga@phys.ocha.ac.jp


受け入れ先のコメント(暫定版)
どうしてここにこれが(暫定版)

この文書で、我々は「水商売ウォッチング」というコンテンツが、なぜ大阪大学大学院理学研究科物理学専攻のとある研究室のサーバーに置かれることになったのか、そのことと次第と意図と意味を説明したいと思う。(ちなみに、このサーバーとは正確には阿久津・菊池の三グループが合同で運営するサーバーである。また、菊池グループの本籍は大阪大学サイバーメディアセンターなのだが、サーバーは物理学専攻のドメインに存在している)。

「水商売ウォッチング」、それは"水"と"水ビジネス"と"健康"に関心を持つ人たちの間では、とてつもなく有名なサイトである。ついでに言うと、"ニセ科学ウォッチャー"にとっても定番サイトとなっている。試しに、検索エンジン google で『水商売』の検索をかけてみる。すると、検索結果のトップに「水商売ウォッチング」のページがランクされるのがわかる。これは、「水商売ウォッチング」がいかに多くの人の関心を集めているかを示してるのはもちろんのこと、人々の「水」自体への興味の高さをも物語っている。少なくとも、インターネット上では、"お水"の水商売よりもこちらの水商売のほうが有名なのである。

ところが、なんと、この超人気サイトが「風前のともしび」状態なのだという。詳しい経緯は天羽さん自身の説明を読んでいただくことにして、とりあえず誰かがなんとかしないと、このままでは消えてしまう。それはあまりに惜しい。というわけで「捨てる神あれば拾う神あり」の諺がまだ有効であることの実例として、我々が引き受けることにした。いや、もちろん、誰のどんなサイトでも引き受けるわけではないよ。それにはきちんとした理由があるのだ。

「水商売ウォッチング」などというふざけた名前のコンテンツを大学のサーバーに置くのはけしからん、と言いたくなる向きもあるかもしれない。いや、名前で判断してはいけないのだ。未読のかたはぜひ一度目を通してみていただきたい。世間には、水に関る"一見科学的"な情報がまん延している。しかし、その多くが物理学者が読んでも意味のわからないものだったりする。いったいそれらは本当に科学的に意味のあるものなのだろうか。"水商売ウォッチング"は、その疑問を物理学者の目で追求するウェブサイトである。

物理学者が社会に貢献する方法はいろいろありうる。 怪しい情報が乱れ飛ぶ中で、それを科学的に判断するための情報を提供していくのもまた社会貢献として重要な作業のはずだ。"水商売ウォッチング"はその好例である。このようなコンテンツを提供することは、大学ならではの重要な社会貢献であると我々は認識している。だからこそ、このコンテンツを我々のサーバーに引き受けたのである。決して、面白いからだけじゃないんだよ。

思えば、天羽さんに「水商売ウォッチングLIVE」なるセミナーをお願いし、そのレジュメ(というか、長大なる講義録)を「物性研究」誌に掲載してもらうという企画を立て、と、これまでも我々は「水商売ウォッチング」に(積極的なファンとして)関ってきたわけで、ついに本体もやってきたぜ、っていう感じではある。ま、そういうことです。

ちなみに、「物性研究」にイントロとして菊池が書かせてもらった「水商売ウォッチングLIVE!とはなにか」という文章も置いたので、参考までにどうぞ(一部は上の文章に使っちゃったけど)。なお、本文章の文責は菊池(一部、阿久津)です。




それでは、
冨永研究室非公式案内
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