本の紹介と書評など

タイトル 正しい水の話
著者/訳者 村田徳治
出版社 はまの出版
出版年 1996
定価 1500
ISBN 4-89361-220-4

 この本のサブタイトルは

おいしい水、
まずい水、
危険な水、
安全な水−−
水に関するウソをあばく!

となっている。

 第一部 水の秘密を解きあかす!では、うまい水とまずい水やミネラルウォーターについて、化学的成分に基づいた解説がなされている。また、水の特異な物性についても解説されている。第二部 水のあぶない話では、水道水中のトリハロメタンの話や浄水器の選び方に関する解説と、アルカリイオン水の宣伝内容が誤りであるという話と酸・アルカリ食品の分類も誤りであるということが書かれている。第三部 私たちの生活と水では、世界各国の飲める水の紹介や水の選び方、水道水の作られ方が述べられている。

 水と健康を結びつけた変な解説書を読む前に、これをちゃんと読むことをおすすめする。

 特に、アルカリイオン水については、ウェブ上で見かける宣伝文句が、この本で誤りだと指摘されていることにしっかり当てはまっていることがある。アルカリイオン水という名称は誤解を呼びやすいので、最近では「電解還元水」と呼ぶことが多くなってきているが、この本で紹介されているように、水を電気分解してできるアルカリ性の水の効果については、現在でもまだ調査中である。その成果は主に機能水研究会で報告されている。電解還元水(アルカリイオン水)を利用するかどうかは、まずこの本を基準に業者の説明をチェックし、チェックをパスした話についてはまともな臨床試験の結果が出るのを待ってから決めるとよいだろう。



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