雑記帳

水商売番外編(2000/08/06)

 水商売ウォッチングでも取り上げている水の磁気処理装置が、お茶の水大でも使われていることがわかった。

 見つけたのはウチの教授である。といっても実物を見つけたわけではなく、「使ってまっせ」という内容で施設課が張り出した紙を見つけたのだが。教授が、その内容で1カ所だけ違っているとことがあるので施設課にひとこと言いにいくというから、私もその宣伝の内容を見たいと思ってついていった。

 「本部棟のエレベータの前に紙が貼ってあった」と教授が言うので、くそ暑いのに1階ずつ確かめながらエレベータの脇の階段を上ったが、紙はどこにも貼ってない。4階まで上って無かったので、すでに誰かが文句を言って撤去されたかと思っていたら、「ここにあるぞ」と教授が呼んだ。行ってみたら男子トイレの中である。本部棟で用足しをしておきながら、どこで紙を見かけたか完璧に忘れていたらしい。教授の記憶は当てにならない。
「私入っていいんでしょうか?」と言いつつ教授と一緒に中に入って壁を見ると、本部棟の建物の屋上の給水タンクの出口のところに永久磁石をとりつけて、水質がだんだんよくなって来ている旨のチラシが貼ってあった。

 ところが、原理の説明のところに、
水が磁化し....
と書いてある。
 講義で、「物質には磁性体と反磁性体があり、水は反磁性体であるから磁化しない」とやってるのに壁に堂々と「水が磁化する」と貼り出されるのは困る。というわけで、教授が行って施設課の人に、「水は磁化しません」と丁寧に説明したのだった。チラシの最後に、「ご意見は施設課に」と施設課の内線番号が書いてあったが、こういう意見が来るとは施設課は予想していなかったんじゃないかな。

 磁気処理装置は試験的に使っている段階で、納入した業者が定期的に水質検査しているが確かに鉄分や錆の量は減ってきているということだ。錆の除去については、原理はともかく確からしいということが言われており、ちゃんと再現しているようである。
 ただ、「磁石を水道管に取り付けると錆が除去できたが管に穴があいた」ということを、水商売関係の人が言っていたので、ちょっと気になっている。伝聞であり、条件がはっきりしないのでどの程度確かな話なのかはっきりしない。そもそも錆除去を考えたということは、すでに管が錆びて困っていたということだから、もともとの錆が原因で穴があいたのかもしれない。また、永久磁石は合金だから、鉄管に取り付けると異種金属の接触で電位差が生じる。これと水流の効果で電流が流れるようなことが起これば、やはり別の腐食が起こりうる。しかし、情報が少なすぎてなんとも言えない。実験してみればいいのだが、自宅で実験しても大学で実験しても、万が一本当に配管に穴ができた場合、修理費用の支払いが問題になるし、修理の間不自由することになるので、自分でやるのは気が進まなかった。
 施設課が率先して磁石を取り付けたのなら、結果については施設課が責任を持つだろうから、安心して見ていられる。この話を施設課に伝えて、配管の状態をチェックしてみてくださいと言ってあるので、時間はかかるだろうが、穴の話が本当か嘘かを裏付ける実験結果がいずれ得られるのではないかと密かに期待している。
 錆の除去が文教育学部棟でうまくいけば、いずれ全学に設置するという話なので、そうなれば効果の程も副作用の有無も良く確認できるに違いない。

 ころで問題のチラシだが、本部棟の女子トイレには貼ってなかった。女子大であるから、公式に出入りしている人間は、職員以外は全員女性である。本部棟には事務が集まっているから学生だって立ち寄るので、ちゃんと女子トイレにも貼っておいてほしかった。




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