5.TDR測定の実際

6.試料の量

 同軸型のセルを用いた誘電率測定の場合、計算式は試料が同軸セルの開放端の基準面から無限遠方まで埋めていることを仮定していることが多い。現実にはこれは不可能なので、同軸にそって試料の量を増加させていき、これ以上試料を増やしても信号が変わらなくなったら無限遠方まで試料が満たされたとみなす。この際に必要な試料の量はセルの形および試料自身の誘電率の大きさによって変化し、セルの静電容量が大きい場合や試料の誘電率が小さい場合に増加する。

 TDRの場合は、サンプルセルの電気長γdを実験によって求めるので、同軸の途中に試料を入れて絶縁体で隙間無くふたをして測定することも可能である。要は、セルの電気長の決定から未知試料・標準試料の組の測定において、境界条件が同じなら良いのである。


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