本の紹介と書評など

タイトル その表示・キャンペーンは違反です
著者/訳者 川越憲治
出版社 日本経済新聞社
出版年 1997
定価 1500円+税
ISBN 4-532-14555-4

 「不当景品類および不当表示防止法」を優しく一般向けに解説した本。著者は弁護士である。

 内容は、景品に対する規制の話と、広告や表示に関する話がほぼ半々で、これ一冊で法律の具体的な中身がわかるようになっている。実際の事件例も掲載されている。

 買う側にとってみれば、たくさん景品がついているとうれしい面もあるのだが、これを野放しにしてしまうと、業者間の競争が公正なものではなくなり、結局は消費者の不利益にもなるということなのだろう。

 違法な表示については、健康食品と痩身効果に関して、公正取引委員会と厚生省が出したチェックポイントが掲載されていた(128ページ)。引用すると

1 健康食品は医薬品に該当しないものでなければならない。チェックポイントは次の通りである。
 1)成分本質・形状が医薬品的でないこと。
 2)医薬品的な効能効果の標ぼうがないこと
2 健康食品は、不当表示に該当しないものでなければならない。チェックポイントは次の通りである。
 1)きわめて短期間にやせるかのように表示すると、不当表示になる恐れがある。
 2)やせる効果があると称する成分が入っていなかったり、実際には通常の商品と同じ程度であれば問題になる。
 3)学問上、やせる効果がないのに、やせると表示すると問題である。
 4)やせる効果があるかないかが学問上で明らかになっていないのに、これが実証されているかのようにいうと、不当表示になる恐れがある。たとえば、結果的にやせたとしても、当該食品の摂取以外の要因(減食、運動等)に夜場合、利用者の体験談が架空のとき、実験が客観性を欠いているとき等。
 なお、原文では、1)などの数字は丸で囲った数字であったが、これは機種依存文字で表示環境によっては化けてしまうので、1)という表現に改めさせていただいた。  


top pageへ戻る 
本の紹介の目次に戻る

Y.Amo /
当サーバ上のページに関する問い合わせや苦情のメールは公開することがあります。