タイトル | 水と生命 熱力学から生理学へ(シリーズ・ニューバイオフィジックスII−2 |
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著者/訳者 | 永山國昭 日本生物物理学会 シリーズ・ニューバイオフィジックス刊行委員会 編 |
出版社 | 共立出版 |
出版年 | 2000年 |
定価 | 3600円+税 |
ISBN | 4-320-05541-1 |
内容は、水和エネルギー、生体分子の溶媒和、水と生理など。水和の熱力学的記述がコンパクトにまとまっている。また、水と生理のところにある、浸透圧平衡の話は、巷にあふれる「浸透圧の高い水は吸収がいい(から体にいい)」がいかにナンセンスかはっきりわかる。 閑話休題として出ている「おいしい水、おいしい酒」は注意して読まないと誤読する。松下氏の成果を「勇者」と書いているが実際には単なるチョンボであり、今にいたるまで訂正情報をださずに企業をミスリードする罪作りなものである。大河内らの、NMRの線幅がpHに依存する話は正確に表現されており、プロトン交換の指標だというところはちゃんと書けている。ウイスキーやブランデーの熟成が進むとプロトン交換速度が増大するという話は、実験事実として受け止めるべきである。ただしこの熟成とプロトン交換の話と、その後に書いてある超音波処理の話は今のところ何の関係もないので、誤解しないように注意が必要である。 |